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第1章 異世界転移

1.仕事終わりの不運

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朝の3時から6時までに掛けて俺は目覚ましをかける、二度寝三度寝ができるように、大体十分から20分おきに適当に掛けておく。

そうすることで大体は気持ちよく起きれるんだ、早出などの時はあまり意味をなさないのだけれど...

「んぁ、今日も良く寝た...前とは大違いだな」

前、と言うのは前居た会社の事である。
その会社は、世間でいうブラック企業というやつで、もう、それはそれはブラックだった。

早出からの徹夜は当たり前で、ひどい時は2週間ほど休みなしの泊まり続けなんて事もあった。
自分ながらよく死ななかったなと思う。
いやほんとに。

今いる会社は前に比べれば天国のような職場だ。
プラスティックやボンドなどの原液を取り扱っている会社で、そこで足場などを掛けたりその原液を入れている機械の調整やボルトなどの整備などが今の俺の主な仕事だ。

安全第一で早出は時々あるが残業はほとんどと言っていいほどない、そのうえ土日祝日の休みは確実で毎日はそこまで忙しくもない、テイシュウ?という期間だけは少し忙しくなるらしいがまだ二ヶ月ほど無いらしい、その間に仕事に慣れられればいいなと頑張って覚えている最中である。

仕事場には大体8時ごろに着き、8時半ごろにミーティングが始まり仕事が始まる。

10時、15時に30分休憩があり12時には1時間休憩がある。

もう、前に比べれば天国である、確かに少し体を使い分からないことも多いので戸惑うこともあるが俺は今の生活が楽しいし、充実してる。

そして今日も仕事だ、今は時間は4時なので二度寝をしても良いが、久々に朝早く起きてケータイゲームなどをするのもいいかもしれない、最近はあまりできていなかったしな。

もともとゲームは好きだ、時間がなかっただけで、あれば延々と出来ると思う。したことは無いけど。

久々にログインしたRPGゲームはその後も俺をどっぷりと溺愛させ、時間を忘れさせるのであった。







「やっべ!早起きして遅刻仕掛けるのはマジでシャレになんねえって!!」

久々にしたゲームはサキュバスのごとく俺を虜にし時間を忘れさせた。
ちなみに俺のゲームキャラはサキュバスの女の子の双剣使いである、レベルは上限の360レベルでなかなか上位の強さだ、アジリティー型という素早さを生かした攻撃で剣を振るい、敵の攻撃は全てかわすというまさにどこぞのキ○ト君並みの剣士なのだ。

仕事場に着いた俺は開口一番、「すんません!寝坊しました!!」と謝るが他の人たちは気にした様子もなく「気にすんなって、まだ十分前だし、段取りは他のやつがもうやってるよ」と言ってくれた。

前の会社では言葉以外に色々と飛んできてただろう。
遅刻した身でおこがましいが、俺は心の中でホッとしてしまった。





仕事場ではイキイキと作業をこなし昼の時間におさらいなどメモをし次の日の段取りをして飯を食べ日が暮れかけもう直ぐ仕事が終わると言う時に。

「すまん、今日突発だわ、他の組がヘマやらかして原液ぶちまけたらしい、今の作業中断してちょっとこっちきてくれ、硫酸だから保護具確実になー」

突発というのは、まあ聞いての通り急に出来る仕事、今すぐやらなくちゃいけなくなった仕事の事だ。
初めての突発に少し期待しながら声を掛け着いていった。

現場では少し大騒ぎになっており何人かが原液を被ったらしく救急車に運ばれていた、床は原液だらけでドロドロになっており少し危ない、片付けなどは分からないし危ないので先輩方の支持を待ち自分が出来る作業を淡々とこなしていった。

時刻は23時8時間ほどの残業である。
原液というものはなかなか扱いに困るということを今日は学んだ、あとお酢を百倍濃くしたような匂いが目と鼻をぶち壊したと言ったくらいだろうか、他には変わった作業はなかったが。

「はぁ、きょうはつかれだ」

そう電車待ちのホームで1人つぶやき待ち時間に朝しかけてたゲームを起動した。




少女は電車のホームで寝てしまい、運悪くレールの上に落ちてしまう。




ん?なんか今頭の中で...
ふと前を見ると前までいた女の子がいなくなっていた...まさかとは思った。

だけど

俺は席を立ちレールを上から見る。

「まもなく二番線列車が通過します。黄色い線より前には出ないで下さい。」

その放送が嫌なほど耳に届いた。
レールには頭から血を流した少女が倒れてたからだ。
俺は荷物を投げ捨てレールに飛び降りた、なぜそんな事をしたのかは、自分でも分からないが、反射的にだ。

すぐ目の前には列車が汽笛を鳴らし近づいてくる。
間に合わない、絶対に間に合わない。
どうあがいても間に合わないだろう。

なぜ飛び降りたのか、なぜ声が聞こえたのか、などそういうものは全て記憶から消え去り、ただ、少しの後悔と恐怖と、盛大な守ってあげられなかったという悲しみが心に込み上げ。


俺はその日テレビに出ることになる。
バラバラ死体として。
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