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プロローグ 悲劇の訪れ
しおりを挟む魔法王国エルフィールド。
魔法使い達の故郷にして、世界で唯一魔法を扱える国だった。小さな国土に対して圧倒的な存在感が放たれていた。それは大国や帝国と肩を並べるほどだったという。
そんな強国とまで呼ばれた国は、ある日突然滅びてしまう。
国の警備や防衛に関する情報は知らぬ間に他国へ渡り、制圧されるのはほんの一瞬だった。
平穏な日々が当たり前となった状況で、多くの者が平和ボケを起こしていたこともあり、それが国同士の争い事だと気づく間もなかった。そして、エルフィールドは侵略者達の目的を読み間違えた。彼らは魔法使いを使役することが目的だと考えた。欲しいのはその力だろうと。しかし、結末はその考えを裏切るものとなり、侵略者──大国トゥーレンの者たちは、エルフィールドを、魔法使いを、魔法そのものをこの世界から消し去ることが目的であったのだ。
エルフィールドそのものが滅びることは、誰もが予想しなかった。
トゥーレンは残党狩りを行った。その結果、世界にいる魔法使いはゼロに等しいものとなった。
そこまで徹底されたというのに、私───ロゼルヴィア・エルフィールドは生き残ってしまった。
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