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第七章
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しおりを挟む気が付けば後ろにある大きな窓が開いていた。殴りかかろうとして返り討ちにあった。これではまた別の意味で可哀想な人だ。
「だ、誰だお前は!」
まさか目の前にこの国の第一王子がいるなど思わず不敬な発言をする馬鹿がいた。
「お嬢様、お怪我は?」
「いや、私は大丈夫よ」
「……遅くなってしまい本当に申し訳ありません」
「どうして謝るの。助けに来てくれてありがとう」
むしろこんなにも早く来るとは思っていなかった。
「お、お前たち!この僕を無視するのか」
可哀想な人はどこまでも可哀想な人だった。
「……目の前にいるべき人間がどのような身分の人間なのかをしっかりと確認してから発言した方がいい」
赤月────いや、殿下は不快だとあらわにした。
「何?一体お前がなんだと……」
言いかけて、気づいた。目の前にいるのが自分よりも身分が高い第一王子であるということに。…気づいてしまえば話は早い。
「な、な、な、んで…」
「ギャルツ家の愚か者が私の婚約者を誘拐したようで、取り戻しに来ただけだ」
「こ、婚約者……まさかジュゼッペは第一王子の正式な婚約者だったのか…?」
まさか、自分が侍女だと思っている人間が王子の婚約者だとは思うまい。
「は?」
事情を知らない殿下は普通に疑問な顔をした。
「……」
唯一全ての事情を理解している私は、可哀想な人に爆弾投下をすることにした。
「……お初にお目にかかりますギャルツ公爵子息。私はアイシア・オルティアナ…オルティアナ公爵家令嬢でありここにおられるルディエル・グリティス第一王子の婚約者です。貴方の優秀な妹のジュゼッペ様とは親しくさせてもらっています」
一通り自己紹介を終えたが、もう可哀想な子息は顔が青ざめていた。
「……申し訳ありませんね、侍女ではなくて」
皮肉を込めて言った。
「あ………」
絶句し、固まってしまった。一方で殿下は喜びのオーラを放っていた。
「……どうかされましたか、殿下」
「いえ……お嬢………シアの口から婚約者という言葉が聞けるとは……!感激すぎます」
「そう…」
放心状態ではあるが一応人前のため、呼び方はシアにしたようだった。
「……殿下、こんな奴のことどうでもいいわ。それよりもジュゼッペ様は」
「あぁ。彼女でしたら別の者達に向かわせてますよ。シアが正式な婚約者とはいえ、まだジュゼッペ嬢にも私の婚約者という肩書きは残っていますから。それに、このギャルツ家という家は、名家ではありますが多くの不正をして悪目立ちをしていました。それがここ最近酷くなり、証拠集めをしていたのですがそれも無事終わりこの後、処分を考えなくてはならないようです」
「え…でも、そうしたらジュゼッペ様はどうなるの…?」
いくら仮とはいえ、第一王子の婚約者に不正のあった家の者を置いておけば多くの所から反発されてしまう。
「大丈夫ですよ。信頼できる人間に任せることにしましたから」
そう言って、殿下は妖しく微笑んだ。
………え、誰?
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