気づいたら求婚者達に溺愛されすぎて死にそうです

神那 凛

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episode.36

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「もしかして、アル?!」
私は腕の中でアルバートを見上げながら叫んだ。

「やっと思い出してくれました?」
アルバートは口角を少し上げ優しい眼差しで私を見る。
思い出した。
アルバートは小さい頃よく一緒に外で遊んでいた。
急に来なくなっちゃったから何かあったのかなとかは思っていたけど、貴族の子だったからお家の事情かなくらいは考えていた。
確かに言われてみれば面影はあるがまさかこんなにかっこよくなっているとは思わなかった。

「あの時は家が嫌いで、リオンに会うためによく抜け出していたんです。けど監視の目が厳しくなってしまってなかなか会えなくなってしまいましたけどね」
アルバートはちょっと寂しそうな顔をした。
「それで夜会で見つけた時はびっくりしました。あの頃よりも更に美しくなっていましたから」

私はそんな事を言われて少し照れた。
「アルだって身長もすごく高くなって、こんなにかっこよくなってたから言われるまで全然気づかなかったわ。会った時に言ってくれれば良かったのに」

「リオンがいつ気づくかと思って待ってたんです。けど夜会ではつい嬉しくなってダンスを誘ってしまいましたけどね。それに今日渡した花も一番好きな色のピンクだったでしょう?昔からピンク色の物をよく身につけていましたよね」
(そうだったんだ、全然気づかなかった)
「二人になれる機会をはかってましたが、まさかこんなに早くやってくるとは思いませんでした。実は昔からリオンが好きだったんです。その気持ちは今でも変わらないので、それをお伝えしようと思って」
そう言って私の頭を優しく撫でた。

心臓がきゅっとなる。
「あ、あのアルごめんなさい。私にはレイがいるから……」
私はアルバートの胸を押し少し離れ、目を伏せ申し訳なさそうに答えた。
「それはわかっています。ただ久しぶりに会えて自分の気持ちを知っていてもらいかったんです。リオンを困られたい訳ではないんですよ」
(まさか忘れていたとはいえ、アルバートが幼馴染だったとは気が付かなかった)

「リオンももうすぐ入学ですよね。次は学園で会えるのを楽しみにしてます」
そう言って私の額にキスを落とす。
(あ、多分会いたいって言っても私がレイのことを気にして困るのがわかっててそう言ってくれたんだ)

「今日は呼んでいただいてありがとうございました。ではまた」
そう言ってアルバートは帰っていった。
私は見送りながら、キスされた額を触りつつ体温の上昇を感じていた。
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