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第22話 王都で知った事実
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翌日——
「あとどのくらいだ? もう少しか?」
「ああ。昼前には到着する。昨日、遅くまで距離を稼げたのが大きいな」
「ほんと……昨日は頑張りすぎて、ハードな1日だったわ……」
ドキドキしながら眠りについた昨夜。
恐怖で眠れないかもしれないと思っていたのに、意外にも一番早く眠ってしまった。
そして案の定、足はパンパン。少し動かすだけでも痛みが走る。
筋肉痛なんて何年ぶりだろうか……
それをロウキに訴えてみたものの、「そうやって強くなるのだ」と、あっさり流されてしまった。
……魔獣って、こんな鬼教官ばかりなのかな。
これから生まれるであろう卵の子たちやドラゴンの子が、
もしロウキと同じスパルタタイプだったらどうしよう。
そんな根拠のない不安に襲われながら、王都へ向かって歩き出す。
どうか、どうか——
あの子たちは主に激アマな性格でありますように!
そう願わずにはいられなかった——
◇
【告知:目的地周辺に到着しました】
「はぁ、はぁ……よ、ようやく見えてきた……あれが……王都……でっか……」
「久しぶりだな! ここに来るのも! 前に来た時より、綺麗になってる!」
歩き続けて5時間ほど経っただろうか。
小さな村や町を横目に進み続け、ついにその姿が見えてきた。
アーロンさんが暮らすという王都は、見上げるほど高い外壁に囲まれた巨大な都市だった。
——あ、これ、漫画で見たことあるやつだ。
やっぱり王都って、こういう感じなんだな。
感動しながら正門へ向かうと、そこには冒険者や商人たちが入国手続きで長蛇の列を作っていた。
そして——予想通りの反応が待っていた。
「きゃああっ! 魔獣よ!!」
「何だあいつ……フェ、フェンリル?! 嘘だろ……」
「しかも見ろ……小さい魔物が飛んでる……何だあれ……」
「やばくない?! 王都を襲いに来たんじゃ……」
俺たちが近づくや否や、外で順番待ちをしていた旅人たちが悲鳴を上げた。
その声に反応した門番の衛兵たちは、慌てて槍を構える。
だけど、その手は震えていた。
……まあ、そうなるよな。反応としては正しい。正しいんだけど——
俺が怖いからやめて欲しい。
ちらりとロウキを見ると、「だから何だ」と言わんばかりに、上から周囲を見下ろしていた。
【推奨:直ちに書状を出すことをお勧めします】
エマからの指示もあり、俺は慌てずにアイテムボックスから書状を取り出した。
「あ、あの……これ、確認をお願いします」
「何だ、その紙切れは。
………………なっ!? 王家の紋章……! こ、これは……!」
差し出した書状を、門番の一人が恐る恐る受け取る。
中身を確認した瞬間、彼の顔色が変わった。
「お、お前たち! 今すぐ槍を下げろ!!」
「いいから下げろ! こちらの方々は王家に関わるお方だ!
……た、大変失礼いたしました!」
一斉に槍が下ろされ、衛兵たちは深々と頭を下げた。
その視線を背に、俺たちは正門脇の市民用の別の扉から王都の中へと入った。
王都に入ってからも、視線は絶えなかった。
(……聞こえてる。聞こえてるよ……)
目立たない方が無理か。なんて思っているうちに、門番が足を止めた。
「こちらが冒険者ギルドです」
「……フェンリルも入れますか?」
「ええ。建物は広いので問題ありません。
ただ、周囲が怖がるかもしれませんが……」
「我に手を出さぬ限り、何もしない」
ようやくたどり着いた冒険者ギルド。
その扉を開けた瞬間、今まで以上の重苦しい空気を感じた。
【警告:マスターと従魔に対する殺意を確認。注意してください】
エマの警告に身構えると、門番が声を張り上げた。
「この方々は王家の関係者だ! 無礼を働いた者は処罰されると思え!」
その声に、殺気が一気に引いていく。
俺は受付で書状を手渡した。数分後、奥から大柄な男が現れた。
「ようこそ王都へ。俺はギルド長、ガーノス・クラウトだ。こっちは受付のアリーシャだ」
「はじめまして! 俺はヨシヒロと言います。
こっちは使い魔のクロと、従魔のロウキとユキです」
「陛下から聞いている。別館で手続きを進めようか」
「……え? 陛下……ですか? 僕が知り合いなのは、アーロンさんですけど……」
「だから、そのアーロンが陛下だよ。知らなかったのか?」
「……ええええええっ?!」
衝撃の事実に、思わずロウキを見る。
「ああ? ……まさか、知らずに話していたのか?」
ロウキから憐れむような視線を向けられ、俺だけが何も知らなかったことを悟った。
ガーノスさんは「仕方ねぇな」という顔で、俺たちを別館へ案内した。
「ヨシヒロ。アーロンからお前さんの話を聞いたときは驚いたぜ。
あのフェンリルにかかってた呪いの鎖を解いて、従えるなんて、化け物以外の何物でもねぇな?」
「ははは……俺はただ、のんびり暮らしたかっただけなんですけどね」
ガーノスさんはニッと笑い、「討伐依頼を出しやすくなる」と言った。
俺は即座に釘を刺す。
「あー……そのことなんですけど。
もし王家からの依頼だった場合、お受けすることはできません」
「ああ、そういえばそうだったな。
基本は自由に依頼を受けて、しっかり稼いでくれや」
ガーノスさんは一度部屋を出て、すぐにギルド登録証を持って戻ってきた。
「このカードに魔力を流してくれ。それで登録完了だ。
これは身分証も兼ねてる。失くすなよ」
カードに魔力を流すと、俺の名前と王家の印章が浮かび上がった。
……どう考えても、普通の登録証じゃない。
「早速依頼を受けていくか?」
「あ、俺、お昼を食べたらアーロンさんのところへ行く予定なんです。
なので、依頼はまた今度で……」
「ああ、そうか。なら、ここで食っていけ。
アリーシャ、この人たちのこと頼んだぞ」
至れり尽くせりすぎて逆に怖いけど、俺は昼食の準備が整うのを待つことにした——……
「あとどのくらいだ? もう少しか?」
「ああ。昼前には到着する。昨日、遅くまで距離を稼げたのが大きいな」
「ほんと……昨日は頑張りすぎて、ハードな1日だったわ……」
ドキドキしながら眠りについた昨夜。
恐怖で眠れないかもしれないと思っていたのに、意外にも一番早く眠ってしまった。
そして案の定、足はパンパン。少し動かすだけでも痛みが走る。
筋肉痛なんて何年ぶりだろうか……
それをロウキに訴えてみたものの、「そうやって強くなるのだ」と、あっさり流されてしまった。
……魔獣って、こんな鬼教官ばかりなのかな。
これから生まれるであろう卵の子たちやドラゴンの子が、
もしロウキと同じスパルタタイプだったらどうしよう。
そんな根拠のない不安に襲われながら、王都へ向かって歩き出す。
どうか、どうか——
あの子たちは主に激アマな性格でありますように!
そう願わずにはいられなかった——
◇
【告知:目的地周辺に到着しました】
「はぁ、はぁ……よ、ようやく見えてきた……あれが……王都……でっか……」
「久しぶりだな! ここに来るのも! 前に来た時より、綺麗になってる!」
歩き続けて5時間ほど経っただろうか。
小さな村や町を横目に進み続け、ついにその姿が見えてきた。
アーロンさんが暮らすという王都は、見上げるほど高い外壁に囲まれた巨大な都市だった。
——あ、これ、漫画で見たことあるやつだ。
やっぱり王都って、こういう感じなんだな。
感動しながら正門へ向かうと、そこには冒険者や商人たちが入国手続きで長蛇の列を作っていた。
そして——予想通りの反応が待っていた。
「きゃああっ! 魔獣よ!!」
「何だあいつ……フェ、フェンリル?! 嘘だろ……」
「しかも見ろ……小さい魔物が飛んでる……何だあれ……」
「やばくない?! 王都を襲いに来たんじゃ……」
俺たちが近づくや否や、外で順番待ちをしていた旅人たちが悲鳴を上げた。
その声に反応した門番の衛兵たちは、慌てて槍を構える。
だけど、その手は震えていた。
……まあ、そうなるよな。反応としては正しい。正しいんだけど——
俺が怖いからやめて欲しい。
ちらりとロウキを見ると、「だから何だ」と言わんばかりに、上から周囲を見下ろしていた。
【推奨:直ちに書状を出すことをお勧めします】
エマからの指示もあり、俺は慌てずにアイテムボックスから書状を取り出した。
「あ、あの……これ、確認をお願いします」
「何だ、その紙切れは。
………………なっ!? 王家の紋章……! こ、これは……!」
差し出した書状を、門番の一人が恐る恐る受け取る。
中身を確認した瞬間、彼の顔色が変わった。
「お、お前たち! 今すぐ槍を下げろ!!」
「いいから下げろ! こちらの方々は王家に関わるお方だ!
……た、大変失礼いたしました!」
一斉に槍が下ろされ、衛兵たちは深々と頭を下げた。
その視線を背に、俺たちは正門脇の市民用の別の扉から王都の中へと入った。
王都に入ってからも、視線は絶えなかった。
(……聞こえてる。聞こえてるよ……)
目立たない方が無理か。なんて思っているうちに、門番が足を止めた。
「こちらが冒険者ギルドです」
「……フェンリルも入れますか?」
「ええ。建物は広いので問題ありません。
ただ、周囲が怖がるかもしれませんが……」
「我に手を出さぬ限り、何もしない」
ようやくたどり着いた冒険者ギルド。
その扉を開けた瞬間、今まで以上の重苦しい空気を感じた。
【警告:マスターと従魔に対する殺意を確認。注意してください】
エマの警告に身構えると、門番が声を張り上げた。
「この方々は王家の関係者だ! 無礼を働いた者は処罰されると思え!」
その声に、殺気が一気に引いていく。
俺は受付で書状を手渡した。数分後、奥から大柄な男が現れた。
「ようこそ王都へ。俺はギルド長、ガーノス・クラウトだ。こっちは受付のアリーシャだ」
「はじめまして! 俺はヨシヒロと言います。
こっちは使い魔のクロと、従魔のロウキとユキです」
「陛下から聞いている。別館で手続きを進めようか」
「……え? 陛下……ですか? 僕が知り合いなのは、アーロンさんですけど……」
「だから、そのアーロンが陛下だよ。知らなかったのか?」
「……ええええええっ?!」
衝撃の事実に、思わずロウキを見る。
「ああ? ……まさか、知らずに話していたのか?」
ロウキから憐れむような視線を向けられ、俺だけが何も知らなかったことを悟った。
ガーノスさんは「仕方ねぇな」という顔で、俺たちを別館へ案内した。
「ヨシヒロ。アーロンからお前さんの話を聞いたときは驚いたぜ。
あのフェンリルにかかってた呪いの鎖を解いて、従えるなんて、化け物以外の何物でもねぇな?」
「ははは……俺はただ、のんびり暮らしたかっただけなんですけどね」
ガーノスさんはニッと笑い、「討伐依頼を出しやすくなる」と言った。
俺は即座に釘を刺す。
「あー……そのことなんですけど。
もし王家からの依頼だった場合、お受けすることはできません」
「ああ、そういえばそうだったな。
基本は自由に依頼を受けて、しっかり稼いでくれや」
ガーノスさんは一度部屋を出て、すぐにギルド登録証を持って戻ってきた。
「このカードに魔力を流してくれ。それで登録完了だ。
これは身分証も兼ねてる。失くすなよ」
カードに魔力を流すと、俺の名前と王家の印章が浮かび上がった。
……どう考えても、普通の登録証じゃない。
「早速依頼を受けていくか?」
「あ、俺、お昼を食べたらアーロンさんのところへ行く予定なんです。
なので、依頼はまた今度で……」
「ああ、そうか。なら、ここで食っていけ。
アリーシャ、この人たちのこと頼んだぞ」
至れり尽くせりすぎて逆に怖いけど、俺は昼食の準備が整うのを待つことにした——……
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