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15話 王に選ばれた剣
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皆で向かったのは、王都で一番大きな武器屋。
ここならライオネル王が気に入る武器も置いてあるだろう。
俺は今持っている短剣で十分だけど、剣術も魔法も得意なライオネル王には、両方を兼ね備えたものを持たせてやりたかった。
「ロングソード、ショートソード、ブロードソード…グレートソードはさすがにデカいな…。
バスタードソードにナイフにレイピア…
どれもライオネル王にしっくりこないなぁ。」
「この辺りはライオネルっぽくはないな…」
「だよなー。」
剣が並んでいるコーナーに行き、ラミンと一緒に見ていたけど、どれも「これだ!」と思えるものはなかった。
ライオネル王に合うのは、やっぱりこっちじゃなくて、向こうにある特殊な剣の方かもしれない。
そう思って移動すると、ライオネル王がガラスケースに入った一本の剣の前で立ち止まっていた。
もしかして、気に入った剣を見つけたのか?
「ライオネル王、それがいいんですか?」
「ああ…この剣からは力を感じる。私に合う気がするのだが…
またあれだ。セルリア製の剣だ…さすがに今回は厳しいだろう…。」
「あー…1000万ガルド…」
ライオネル王が気に入った剣は「ホーリー・テスタメント」という名前の聖剣で、意味は“聖なる契約者”。
セルリア製の刀身は淡く青みがかった光を放ち、夜空に浮かぶ星のように輝いている。
鍔は天使の翼のような優美なデザインで、その中央には小さな火の精霊石がはめ込まれていた。
過去に火の精霊イグニスと契約していたライオネル王には、まさにピッタリな聖剣だ。
1000万ガルドなら、俺の貯金でギリギリ購入は可能。
ちょっと冒険者ギルドに行って金貨を出してこようか。
そう思った時、店主がライオネル王に話しかけてきた。
「お客さん、いい装備してますね。
その装備には、このホーリー・テスタメントがピッタリだと思いますよ!」
「うむ。やはりそう思うか?」
「思います思います!ただ…この剣の扱いが出来る人、そういないんですよね…」
「どういう意味だ?」
「このホーリー・テスタメントは、精霊と契約した者しか扱えないんですよ。
持とうとしても剣が反発して、持つことすらできないんです。
この王都で精霊と契約できる人なんて、そうそういないでしょう?だから中々買い手がつかないんです。
各属性の精霊石を使えば一般人でも精霊との契約は可能ですが、それじゃダメみたいで…」
「ほう…そうなのか。
まぁ、精霊石で契約できる精霊はとても小さく、位も低い精霊だからな。
この世界の地位で言えば平民と同じだ。」
「らしいですね。だから本当に買い手がつかなくて。王家にも一度持参したんですがね…
そもそも誰も見向きもしませんでした…。」
「そうか…」
店主の話を聞いた瞬間、「それならライオネル王なら扱えるんじゃないか」と思った。
元々火の精霊イグニスと契約していたし、この剣に埋め込まれている精霊石も火。
きっとライオネル王なら適性があるはずだ。
ただ、王家に持って行って誰も見向きもしなかった、というのが引っかかる。
王家指定の鍛冶職人が作ったものでなければ使用しない、という決まりでもあるのだろうか?
そんなことを考えながら、俺はライオネル王に声をかけた。
「一度、手に取ってみたらどうですか?」
「良いのか?オリオン。」
「うん。いいよ。多分、合うと思いますし。」
「そうか…。では、一度持たせてもらっても良いだろうか?」
「構いませんよ!ちょっと待って下さいね。」
ライオネル王に声をかけると、その声が少し明るくなった気がした。
やっぱりこの剣が気に入ったんだなぁ…なんて思いながら、店主にガラスケースから剣を出してもらい、ライオネル王に手渡した。
その瞬間、それまで淡く青く輝いていたセルリア製の刀身が、まるで夜空の星が瞬くかのように、一際強く、眩いばかりの青い光を放った。
鍔に埋め込まれた小さな炎の精霊石も赤く輝き、眠っていた巨大な力が目覚めたかのようで、
ただの剣が魂を宿し、新たに誕生した瞬間を目の当たりにした気がした。
「凄い…凄いよあんた!この剣はあんたを選んだんだ!是非、この剣を使って欲しい!」
「有難いのだが…」
「ライオネル王、ちょっと待ってて!俺、ギルドでお金引き出してくるから!」
ライオネル王の体にピタリと合った聖剣。
それを見た店主は、防具屋の店主と同じように嬉しそうに目を輝かせていた。
自分の店で売っている物はすべて大切に思っているだろうから、こうしてピタリと合う人が現れるのは本当に嬉しいのだろう。
そう思いながら俺は急いで冒険者ギルドへ行き、アリアに口座から金貨100枚を出して欲しいとお願いした。
「こんな大金、どうされるんですか?!」
「ちょっとどうしても必要なものがあってな。急にごめんな!」
「全然大丈夫ですよ!では、また!」
「ああ!ありがと!」
アリアにお金を出してもらい、超特急で武器屋に戻ると、店主と夢中になって話をしているライオネル王の姿があった。
久々に人とたくさん話せるから楽しいのも無理はないかな…そう思いながら店主に声をかけた。
「遅くなってすみません!お会計、お願いします!」
「オリオン君、暁の翼をやめたって聞いた時は驚いたけど、素敵な仲間が出来ていて良かったよ。
この人、すごく良い人だから安心だ!お代だけど、半額でいいよ。」
「ええ?ダメですよ!価値ある物にはちゃんとその金額を払わなきゃ。」
「いいんだよ。俺の親父も、金額よりも作った剣が誰かにピタッとハマってくれる方が嬉しいに決まってるからさ。」
「すみません…ありがとうございます…!」
店主に「金貨50枚でいい」と言われた時は驚いて、思わずダメだと言ってしまった。
だけど、店主のお父さんの話を持ち出されてしまい、俺は折れるしかなかった。
この店の店主の父親は有名な鍛冶師だったが、少し前に病気で亡くなってしまった。
この剣にも父親の想いが込められていると思うと、店主の提案を無下にはできなかった。
あの人もきっと、この剣をいつか誰かが手に取ってくれることを願っていたに違いない。
だからこそ、本当はきちんとその価値を払いたかったけど…
そう思いながら、袋から金貨50枚を出して店主に手渡した。
「本当にありがとうございます!この剣、すごく気に入ってたみたいです。」
「俺も嬉しいよ!ありがとうオリオン君!また使い心地とか教えて!」
「分かりました!ありがとうございました。」
王家に持っていくほどの自信作であろうこの剣を、まさか魂となった初代国王が使うことになるなんて、誰が想像しただろう。
でも、これを作った店主の父親は、きっと喜んでくれているんじゃないかなと思う。
今の王家には伝わらなかった想いを、初代国王がしっかりと受け止めてくれているのだから。
そんなことを思いながらライオネル王を見ると、剣を天に掲げていて、その姿はまさにこの国の王そのものに見えた。
「ねぇ、ラミン。俺、すごい人を仲間にしちゃったくない?」
「そうだな…この国の初代王という、とんでもない魂を拾い上げてしまったな。」
「だよねぇー…俺、触れただけなんだけどな。」
「貴様の力だな。その手の才能もあるとは驚きだが…まぁ、良いのでないか?
これで孤独とは無縁なのだからな。」
「…そうだな。明日からライオネル王にも畑仕事手伝ってもらわなきゃ!」
「バカたれ!そんなことより鍛錬だ!ダンジョンだ!
大体、あの剣に500万ガルドも支払ったのだぞ!少しでも回収せねばならんわ!」
「まぁ…まぁ、そうね…確かに。」
頭の上にいたラミンに今の気持ちを伝えると、「孤独とは無縁になったのだから良かったのではないか」と、思いやりのある言葉をくれて驚いた。
だけど、やっぱり鍛錬は譲れないらしい。
まぁ、今回は500万ガルドを一気に使っちゃったから、少しでも回収すべきという意見には賛成だった。
老後に何が起こるか分からないからな。その辺はきちんとしておかなくちゃ。
そう考えながら、皆で家へ向かって歩き出した―…
ここならライオネル王が気に入る武器も置いてあるだろう。
俺は今持っている短剣で十分だけど、剣術も魔法も得意なライオネル王には、両方を兼ね備えたものを持たせてやりたかった。
「ロングソード、ショートソード、ブロードソード…グレートソードはさすがにデカいな…。
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どれもライオネル王にしっくりこないなぁ。」
「この辺りはライオネルっぽくはないな…」
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そう思って移動すると、ライオネル王がガラスケースに入った一本の剣の前で立ち止まっていた。
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「ライオネル王、それがいいんですか?」
「ああ…この剣からは力を感じる。私に合う気がするのだが…
またあれだ。セルリア製の剣だ…さすがに今回は厳しいだろう…。」
「あー…1000万ガルド…」
ライオネル王が気に入った剣は「ホーリー・テスタメント」という名前の聖剣で、意味は“聖なる契約者”。
セルリア製の刀身は淡く青みがかった光を放ち、夜空に浮かぶ星のように輝いている。
鍔は天使の翼のような優美なデザインで、その中央には小さな火の精霊石がはめ込まれていた。
過去に火の精霊イグニスと契約していたライオネル王には、まさにピッタリな聖剣だ。
1000万ガルドなら、俺の貯金でギリギリ購入は可能。
ちょっと冒険者ギルドに行って金貨を出してこようか。
そう思った時、店主がライオネル王に話しかけてきた。
「お客さん、いい装備してますね。
その装備には、このホーリー・テスタメントがピッタリだと思いますよ!」
「うむ。やはりそう思うか?」
「思います思います!ただ…この剣の扱いが出来る人、そういないんですよね…」
「どういう意味だ?」
「このホーリー・テスタメントは、精霊と契約した者しか扱えないんですよ。
持とうとしても剣が反発して、持つことすらできないんです。
この王都で精霊と契約できる人なんて、そうそういないでしょう?だから中々買い手がつかないんです。
各属性の精霊石を使えば一般人でも精霊との契約は可能ですが、それじゃダメみたいで…」
「ほう…そうなのか。
まぁ、精霊石で契約できる精霊はとても小さく、位も低い精霊だからな。
この世界の地位で言えば平民と同じだ。」
「らしいですね。だから本当に買い手がつかなくて。王家にも一度持参したんですがね…
そもそも誰も見向きもしませんでした…。」
「そうか…」
店主の話を聞いた瞬間、「それならライオネル王なら扱えるんじゃないか」と思った。
元々火の精霊イグニスと契約していたし、この剣に埋め込まれている精霊石も火。
きっとライオネル王なら適性があるはずだ。
ただ、王家に持って行って誰も見向きもしなかった、というのが引っかかる。
王家指定の鍛冶職人が作ったものでなければ使用しない、という決まりでもあるのだろうか?
そんなことを考えながら、俺はライオネル王に声をかけた。
「一度、手に取ってみたらどうですか?」
「良いのか?オリオン。」
「うん。いいよ。多分、合うと思いますし。」
「そうか…。では、一度持たせてもらっても良いだろうか?」
「構いませんよ!ちょっと待って下さいね。」
ライオネル王に声をかけると、その声が少し明るくなった気がした。
やっぱりこの剣が気に入ったんだなぁ…なんて思いながら、店主にガラスケースから剣を出してもらい、ライオネル王に手渡した。
その瞬間、それまで淡く青く輝いていたセルリア製の刀身が、まるで夜空の星が瞬くかのように、一際強く、眩いばかりの青い光を放った。
鍔に埋め込まれた小さな炎の精霊石も赤く輝き、眠っていた巨大な力が目覚めたかのようで、
ただの剣が魂を宿し、新たに誕生した瞬間を目の当たりにした気がした。
「凄い…凄いよあんた!この剣はあんたを選んだんだ!是非、この剣を使って欲しい!」
「有難いのだが…」
「ライオネル王、ちょっと待ってて!俺、ギルドでお金引き出してくるから!」
ライオネル王の体にピタリと合った聖剣。
それを見た店主は、防具屋の店主と同じように嬉しそうに目を輝かせていた。
自分の店で売っている物はすべて大切に思っているだろうから、こうしてピタリと合う人が現れるのは本当に嬉しいのだろう。
そう思いながら俺は急いで冒険者ギルドへ行き、アリアに口座から金貨100枚を出して欲しいとお願いした。
「こんな大金、どうされるんですか?!」
「ちょっとどうしても必要なものがあってな。急にごめんな!」
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「ああ!ありがと!」
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この人、すごく良い人だから安心だ!お代だけど、半額でいいよ。」
「ええ?ダメですよ!価値ある物にはちゃんとその金額を払わなきゃ。」
「いいんだよ。俺の親父も、金額よりも作った剣が誰かにピタッとハマってくれる方が嬉しいに決まってるからさ。」
「すみません…ありがとうございます…!」
店主に「金貨50枚でいい」と言われた時は驚いて、思わずダメだと言ってしまった。
だけど、店主のお父さんの話を持ち出されてしまい、俺は折れるしかなかった。
この店の店主の父親は有名な鍛冶師だったが、少し前に病気で亡くなってしまった。
この剣にも父親の想いが込められていると思うと、店主の提案を無下にはできなかった。
あの人もきっと、この剣をいつか誰かが手に取ってくれることを願っていたに違いない。
だからこそ、本当はきちんとその価値を払いたかったけど…
そう思いながら、袋から金貨50枚を出して店主に手渡した。
「本当にありがとうございます!この剣、すごく気に入ってたみたいです。」
「俺も嬉しいよ!ありがとうオリオン君!また使い心地とか教えて!」
「分かりました!ありがとうございました。」
王家に持っていくほどの自信作であろうこの剣を、まさか魂となった初代国王が使うことになるなんて、誰が想像しただろう。
でも、これを作った店主の父親は、きっと喜んでくれているんじゃないかなと思う。
今の王家には伝わらなかった想いを、初代国王がしっかりと受け止めてくれているのだから。
そんなことを思いながらライオネル王を見ると、剣を天に掲げていて、その姿はまさにこの国の王そのものに見えた。
「ねぇ、ラミン。俺、すごい人を仲間にしちゃったくない?」
「そうだな…この国の初代王という、とんでもない魂を拾い上げてしまったな。」
「だよねぇー…俺、触れただけなんだけどな。」
「貴様の力だな。その手の才能もあるとは驚きだが…まぁ、良いのでないか?
これで孤独とは無縁なのだからな。」
「…そうだな。明日からライオネル王にも畑仕事手伝ってもらわなきゃ!」
「バカたれ!そんなことより鍛錬だ!ダンジョンだ!
大体、あの剣に500万ガルドも支払ったのだぞ!少しでも回収せねばならんわ!」
「まぁ…まぁ、そうね…確かに。」
頭の上にいたラミンに今の気持ちを伝えると、「孤独とは無縁になったのだから良かったのではないか」と、思いやりのある言葉をくれて驚いた。
だけど、やっぱり鍛錬は譲れないらしい。
まぁ、今回は500万ガルドを一気に使っちゃったから、少しでも回収すべきという意見には賛成だった。
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