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第5話 先輩と、ひとつになりたい(4)★

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 様子を見ながら、徐々に動きを大きくさせる。くちゅくちゅと大きく水音を立てて出し入れすれば、犬塚は恥ずかしそうに顔を背けた。
「う、あっ……やだ、音っ」
「ふうん、自分ではここまで触らなかった? こうやって、やらしい音立てて――」
「あ、やっ、あっあ……」
 二本の指をバラバラに動かすと、水音は激しさを増して室内に響き渡る。
 どうにも羞恥心があるらしく、子供のようにイヤイヤと頭を振る犬塚だったが、不意に反応が変わった。ビクンッと大袈裟にその身を跳ねさせたのだ。
「ん? 今のトコ、良かったか?」
「あ……ち、違っ」
「っと、ここか」
「ひうっ!?」
 目を見開き、犬塚が背中を大きくしならせる。
 すぐに察した不破は執拗にそこばかりを責め立てた。指先で擦るように刺激を与えれば、後孔がきつく締まり、中の粘膜がきゅうきゅうと絡みついてくる。
 インターネットで調べた程度の知識だが、ここが前立腺というものだろうか。犬塚の反応を見る限り、かなり敏感な場所のようだ。
「あっ、ン……あぁ、そこ、ヘンになるうっ」
「ヘンじゃなくて気持ちいんだろ? ビクビクしてる犬塚、可愛い」
「ん、んんっ」
 体内をまさぐる指を三本に増やしつつ、甘ったるくキスをする。
 こうして体を重ねてみると、やはり犬塚は華奢で小さい。少しでも力加減を間違えたら壊れてしまいそうなほどに。
 それでも求めてしまうのは本能的なものだろう。
「犬塚」
 そろそろ頃合いだろうかと、唇を浮かせて名を呼ぶ。
 犬塚は潤んだ瞳で見上げてきたあと、おずおずと両腕を伸ばしてこちらの首に絡めてきた。
「先輩、きて――」
 その一言で、不破の理性が崩れ落ちる音がした。
「お前な。ンな可愛いことばっかしてっと、やめろって言われてもやめねェからな」
「いいです。先輩になら、俺……」
「嘘だよ。さすがにそのときはやめるって――でも、ちょっと今は余裕ねェかも」
 言って、不破はコンドームのパッケージを歯で乱暴に破った。ジーンズの前を寛げて下着の中から自身を取り出すと、手早くゴムを装着していく。
(ああ、クソ……童貞みてェ)
 妙に気が急いてしまって、格好悪いことこの上ない。そんな自分を恥じながらも、不破は犬塚の両脚を胸元まで抱え上げた。
 ヒクヒクと収縮を繰り返す後孔は、まるでこちらを誘っているかのようだ。そこに自身の切っ先を押し当て、
「力、抜いてろよ」
 短く告げてから体重をかけていく。と、瞬時に犬塚の苦しげな声が上がった。
「くっ、あ……はっ」
「っ、キツ……」
 ゆっくりと慎重に挿入しながらも、亀頭が埋まったあたりで腰の動きを止める。
 指とは比べ物にならない質量なのだろう。辛そうに顔を歪める犬塚を見て、自制心が働くのがわかった。
 しかし、犬塚は首を横に振って抱きついてくる。
「だいじょーぶだから、やめないで……っ」
「でもよ」
「おねがっ――先輩と、ひとつになりたい……ここでやめられる方が、つらいですっ」
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