魁!断筆姉さん!!

西洋司

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14 3D魔法革命_12

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「おぉ~~いっ、オマエらぁ~っ!! こっちに集まれぇ~っ!!」

 国王の瀬田さんから召集がかかったため、私(英子)と子供達はいったん魔法陣をしまって、大人達の許に向った。

「えぇ~っ、もっと使いたいぃ~っ!」

 せっかく編み出した3D魔法陣を引っ込めなくてはならなくて、子供達の中には少し渋る子もいたのだけど、……。

 でも、向こうをちらっと見て、……。大人達の剣呑な表情に、いや一人だけ満面の笑顔の瀬田さんを除いてなのだけど、……。

 とにかく、早く向こうにいかないと、これはドヤされてしまうなぁと思ったんだ。

「ほらほら、皆ぁ~っ。急ぐよぉ~っ!」

「「「「「「「「「「はぁ~~いっ!!」」」」」」」」」」」

 とりあえず、駆け足で参集すると、……。
 瀬田さんは「よくきたなぁっ!!」といって大喜びで、斎木さんも穏やかそうに笑みを浮かべている。

 でも、この演習を見学にきた大人達の多くは、半ば戸惑った表情だね。
 
 今回の演習の目玉だった魔法執行官達に至っては、美味しいところを子供達に持っていかれた形だと思う。
 プライドを傷つけられたエリートよろしく、憤懣やるかたない表情で子供達や私のことをじっと凝視する。

 男の執行官達はフィルマのことを睨んでいて、一人だけ私を強く睨む者がいる。
 若い女性の執行官だ。

 その女性の執行官は、おそらくこの男社会の世界では、まさに女性の成り上がりの象徴のような存在なのだろう。
 同性の私が子供達を上手く導いたことが面白くなかったのか、特に目の敵のように睨んでくるんだよね。

 まぁ、……。こんな風に女性、更に言えば若い女性達から嫌われることは、これまでにも何度かあってさ。その場合の私の身の処し方も、当然学習済みだ。

 ニッコリと笑顔。ホンと、ただそれだけ、……。
 そんなに睨んだって、私には何にも響きませんよって、堂々としているだけでいい。

 すると、大抵の者は私の自信と美貌に怖れをなして、黙り込んでしまう。

 そうなったら、もうこちらの勝ち。
 まぁ、……何だか空しい気持ちにもなるんだけどね。

 すると、……。

「まぁまぁキミ達。せっかく、大藪英子女史が子供達を指導してくれたんだ。これから先、ちょくちょく一緒に働くのだから、仲良くしようぜ!」

 瀬田さんはそう仰って、私と相手の若い女性の執行官の間を取り持って下さった。
 そうしたら、……さ。

 その執行官は私が名字持ちだと知り、日本の貴族の女性か何かだと勘違いしたのだろう。
 急にトーンダウンして、ぐにゃぐにゃな笑顔を私に向けてきた。

 なるほどねぇ、……。
 おそらく、この世界で女性が成り上がっていくには、絶えず気を張って、時には相手を睨んで委縮させ、一方で自身の能力や成果をアピールしてきたのだろう。

 でも、それは同じ平民同士の話で、もし相手が格上の場合、決してやってはならない禁じ手となる。
 その一線を踏み越えない辺りに、なかなかのしたたかさや愚かさが感じられた。

 英子が笑顔で穏やかに頷くと、相手は赦(ゆる)されたような表情を浮かべ、それから笑顔になった。

 でも、……ね。
 ホンと、何それっ!? 決して、子供達に見せていい表情じゃないよ!!
 そう、英子は苦々しく思った。
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