289 / 500
第一部「ハルコン少年期」
36 王立学校祭 その3_02
しおりを挟む
* *
「殿下、そろそろ開始時刻のため、お席に着いて頂けますか?」
「おぉっ、もうそんな時間か。では、ハルコン、ミラ。後でまたヨロシクな!」
「「はいっ!」」
キャスパー第一王子殿下は、サークルのメンバーに連れられて、席に向かわれた。
すると、傍にいたマルコム兄が、ハルコンにそっと耳打ちした。
「ボクとケイザンは、新たにサークルの後援者となったキャスパー第一王子の派閥に入った。オマエとミラ嬢はシルファー殿下だったな!」
「……」
王立学校において、王族は民事不介入とのことだが、一度外に出ると、こうした派閥の問題が自ずと生じてくる。
「仕える派閥は異なるが、まぁ、……お互い上手く立ち回ろうな!」
「……、ワカりました」
こくりと頷き合うと、マルコム兄はキャスパー殿下の後に付いていった。
その後ろ姿を見送っていると、今度はシルファー先輩が「ハ~ルコンッ!」といって耳元にそっと声をかけてきた。
「!?」
不意打ちされ、思わずギョッとしたところ、シルファー先輩はニシシと白い歯を見せて、悪戯っぽく笑っていらっしゃる。
「それじゃぁ、ハルコン。宿題ヨロシクねっ!」
「えぇ、……了解です」
そうだった。ホンと、この方は人使いがとても荒いのだった。
とりあえず、先輩との約束どおり、部屋(ハルコンの居室のこと)に戻ったらジグソーパズルを急いで仕上げよう。
もう既に何点か清書した図柄を台紙に張り付けてあるから、仕上がりまで、後は切込みを入れてピースを作りさえすれば完成だな。
ふと、会場である第一グラウンドに目を向けた。
すると、先ほどまで多くの参加希望者達で、臨時の更衣ルーム前はごった返していたのだが、……。
でも、もう皆さん軽装服に着替え終えていて、サークルメンバー達に誘導され、整然と会場の隅々まで適切に並んで待機していた。
「ハルコン、私達も早く着替えないと!」
「だね、ミラ。シルファー先輩とステラ殿下のこと、お願いね!」
「うん、了解!」
ミラはそう言って、両殿下を女子用の臨時の更衣ルームまで走ってお連れした。
さて、……と。私達も急がないとね。
ハルコンはケイザン兄と共に、男子用の更衣ルームに走って移動した。
そこで着替えながら聞いた話では、昨晩のウチに、ステラ殿下とキャスパー殿下は、王宮で急遽開かれた晩餐の席にてお会いしていたらしい。
その席には、ケイザン兄達やイメルダらも、東方3領出身ということで呼ばれていたそうだ。
すると、ケイザン兄が耳打ちしてくるのだが、……。
「ハルコン、あのな、言いにくいんだけどさ、……キャスパー殿下は、どうやらステラ殿下のことを狙ってお出でだぞ!」
「なるほど、……そういうことでしたか!」
キャスパー殿下の帰国を知らされていなかったのは、どうやら私とミラだけのようだと、ハルコンは思った。
「殿下、そろそろ開始時刻のため、お席に着いて頂けますか?」
「おぉっ、もうそんな時間か。では、ハルコン、ミラ。後でまたヨロシクな!」
「「はいっ!」」
キャスパー第一王子殿下は、サークルのメンバーに連れられて、席に向かわれた。
すると、傍にいたマルコム兄が、ハルコンにそっと耳打ちした。
「ボクとケイザンは、新たにサークルの後援者となったキャスパー第一王子の派閥に入った。オマエとミラ嬢はシルファー殿下だったな!」
「……」
王立学校において、王族は民事不介入とのことだが、一度外に出ると、こうした派閥の問題が自ずと生じてくる。
「仕える派閥は異なるが、まぁ、……お互い上手く立ち回ろうな!」
「……、ワカりました」
こくりと頷き合うと、マルコム兄はキャスパー殿下の後に付いていった。
その後ろ姿を見送っていると、今度はシルファー先輩が「ハ~ルコンッ!」といって耳元にそっと声をかけてきた。
「!?」
不意打ちされ、思わずギョッとしたところ、シルファー先輩はニシシと白い歯を見せて、悪戯っぽく笑っていらっしゃる。
「それじゃぁ、ハルコン。宿題ヨロシクねっ!」
「えぇ、……了解です」
そうだった。ホンと、この方は人使いがとても荒いのだった。
とりあえず、先輩との約束どおり、部屋(ハルコンの居室のこと)に戻ったらジグソーパズルを急いで仕上げよう。
もう既に何点か清書した図柄を台紙に張り付けてあるから、仕上がりまで、後は切込みを入れてピースを作りさえすれば完成だな。
ふと、会場である第一グラウンドに目を向けた。
すると、先ほどまで多くの参加希望者達で、臨時の更衣ルーム前はごった返していたのだが、……。
でも、もう皆さん軽装服に着替え終えていて、サークルメンバー達に誘導され、整然と会場の隅々まで適切に並んで待機していた。
「ハルコン、私達も早く着替えないと!」
「だね、ミラ。シルファー先輩とステラ殿下のこと、お願いね!」
「うん、了解!」
ミラはそう言って、両殿下を女子用の臨時の更衣ルームまで走ってお連れした。
さて、……と。私達も急がないとね。
ハルコンはケイザン兄と共に、男子用の更衣ルームに走って移動した。
そこで着替えながら聞いた話では、昨晩のウチに、ステラ殿下とキャスパー殿下は、王宮で急遽開かれた晩餐の席にてお会いしていたらしい。
その席には、ケイザン兄達やイメルダらも、東方3領出身ということで呼ばれていたそうだ。
すると、ケイザン兄が耳打ちしてくるのだが、……。
「ハルコン、あのな、言いにくいんだけどさ、……キャスパー殿下は、どうやらステラ殿下のことを狙ってお出でだぞ!」
「なるほど、……そういうことでしたか!」
キャスパー殿下の帰国を知らされていなかったのは、どうやら私とミラだけのようだと、ハルコンは思った。
97
あなたにおすすめの小説
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
《作者からのお知らせ!》
※2025/11月中旬、 辺境領主の3巻が刊行となります。
今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。
【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん!
※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
ちくわ
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜
伽羅
ファンタジー
【幼少期】
双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。
ここはもしかして異世界か?
だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。
ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。
【学院期】
学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。
周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる