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第9章
説伏せ
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王国では元辺境伯をはじめとした引退組の中で、まだ現役でも影響力のある者達が、王族の中でも後ろ盾はないが良識ある側妃とそのお子達を説得していた。
「この国は初代様の理念から外れて久しい。ようやくその理念を継ぐ方と、機会が訪れた。心ある領民がいる地を自治区にし、ゆくゆくは新たな国家を目指すために我らと行きませぬか」
「冷遇されているとはいえ、王宮に住まわせていただいてる身。己が我儘で自由に出ることは罷りならん」
そう言って頑なに拒否する側妃。
「今はまだ陛下もお元気だし、皇太子争いも均衡を保っている。ただお三方のどなたがなられても派閥が変わるだけで、大筋では変わらないでしょう」
「しかしながら陛下に何かあったり、均衡が崩れたら、他の王子達と同様に後継者争いに巻き込まれ、暗殺者に狙われる未来も有りますゾ!」
「どなたかの姫君を帝国の皇子か、功労者の妻にという声も挙がっており、こちらの王女様が最有力の候補に挙がっております」
「我が姫はまだ6才にもならぬのにか?」
「だからでございましょう。成人済の王女様方は既に嫁がれたか、婚約者がおりますし、10才以上の方もほぼ内定の模様だからです」
国内や他国ならば会う事は容易だが、帝国に嫁げば里帰りさえ難しく、さりとて未婚の功労者ならば後妻か平民だろうと。どちらに嫁いでも苦労することは明らかである。
他にも我が姫より年齢的には嫁ぐのに相応しい姫がいるという事実を鑑みれば、自分の王宮での扱いが嫌と言うほど分かるというもの。3人の未来を考えれば提案の詳細だけでも聞いても良いのではという気持ちになった側妃。
男腹の家系だという理由で嫁がされ王子を産み続けていた頃はそこそこの待遇であったが、王女が産まれた途端に冷遇される事になった側妃。上の王子さえも昨年学園に入ったばかりで、一番下の王女は宮からの外出を許される6才になってもいないのだ。
「王子方は権利が低位だからと王位継承権の返上し、その代わりに元鋼の森やその周辺で誰の領地でもない場所を公領としてもらい、ご家族で移り住みましょうゾ」
「ダンジョン周辺とその交易路から目視出来る倍の距離を離れた場所からなら不満も出ますまい」
「しかし元迷いの森や周辺は作物も上手く育たず生産活動も碌に出ないと聞くが、そんな土地に移っても大丈夫なのか?」
「実は…」
と元辺境伯は自身が幻獣術を取得間近で近々『幻獣の卵』のとある組織に入隊予定であり、そこからの情報でまだ関係者しか知らない情報だと前置きした上で。
無実の罪で領地を元迷いの森の国境近くに変地された公爵領が、幻獣達の信頼を得て作物が育つ様になったこと。
住人の多くが幻獣術を習い、簡単な意思疎通が出来ていること。
住民になるには幻獣の監視付きで幻獣の許可を得られた者のみで、住民に害を与える存在と認定されると妖精が悪戯をするため居付けないこと
変異種の臨時の保護施設があり、子供達は身分を問わず仮契約をしている
などの情報を告げた。
「もちろんそれらがそのまま全て保証されている訳ではありません。現地に行き精霊様や妖精様に認めてもらえたら実現出来る、未来の可能性です」
「なるほど、王族だからと特別待遇を要求する様な者達では無理だと言うことか」
「お察しの通りです」
「我らに、かの公爵領の近くの領主不在の荒地と隣接する元迷いの森を領地にし、表向きは荒地だけが実質的な領地と見せかけると言う事か」
「仰る通りでございます。始めは公爵領の王国内の流通拠点の窓口として機能させれば良いかと」
「ふむ一考の価値はあるか」
なんとか興味を持ってもらうことが出来たと確信した引退組は、決意された時にスムーズに事が進められる様に根回しや人選を密かに進めた。
「この国は初代様の理念から外れて久しい。ようやくその理念を継ぐ方と、機会が訪れた。心ある領民がいる地を自治区にし、ゆくゆくは新たな国家を目指すために我らと行きませぬか」
「冷遇されているとはいえ、王宮に住まわせていただいてる身。己が我儘で自由に出ることは罷りならん」
そう言って頑なに拒否する側妃。
「今はまだ陛下もお元気だし、皇太子争いも均衡を保っている。ただお三方のどなたがなられても派閥が変わるだけで、大筋では変わらないでしょう」
「しかしながら陛下に何かあったり、均衡が崩れたら、他の王子達と同様に後継者争いに巻き込まれ、暗殺者に狙われる未来も有りますゾ!」
「どなたかの姫君を帝国の皇子か、功労者の妻にという声も挙がっており、こちらの王女様が最有力の候補に挙がっております」
「我が姫はまだ6才にもならぬのにか?」
「だからでございましょう。成人済の王女様方は既に嫁がれたか、婚約者がおりますし、10才以上の方もほぼ内定の模様だからです」
国内や他国ならば会う事は容易だが、帝国に嫁げば里帰りさえ難しく、さりとて未婚の功労者ならば後妻か平民だろうと。どちらに嫁いでも苦労することは明らかである。
他にも我が姫より年齢的には嫁ぐのに相応しい姫がいるという事実を鑑みれば、自分の王宮での扱いが嫌と言うほど分かるというもの。3人の未来を考えれば提案の詳細だけでも聞いても良いのではという気持ちになった側妃。
男腹の家系だという理由で嫁がされ王子を産み続けていた頃はそこそこの待遇であったが、王女が産まれた途端に冷遇される事になった側妃。上の王子さえも昨年学園に入ったばかりで、一番下の王女は宮からの外出を許される6才になってもいないのだ。
「王子方は権利が低位だからと王位継承権の返上し、その代わりに元鋼の森やその周辺で誰の領地でもない場所を公領としてもらい、ご家族で移り住みましょうゾ」
「ダンジョン周辺とその交易路から目視出来る倍の距離を離れた場所からなら不満も出ますまい」
「しかし元迷いの森や周辺は作物も上手く育たず生産活動も碌に出ないと聞くが、そんな土地に移っても大丈夫なのか?」
「実は…」
と元辺境伯は自身が幻獣術を取得間近で近々『幻獣の卵』のとある組織に入隊予定であり、そこからの情報でまだ関係者しか知らない情報だと前置きした上で。
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「もちろんそれらがそのまま全て保証されている訳ではありません。現地に行き精霊様や妖精様に認めてもらえたら実現出来る、未来の可能性です」
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「お察しの通りです」
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