22 / 220
第1章
相談
しおりを挟む
翌日のお昼頃にモルガン氏が魔物の肉を持って来てくれた。
一通りの場所を案内してから、幻獣舎へ戻って水魔法で治療した後、傷薬をレナードが水豹を、グリフォンをモルガン氏が塗りながら相談した。
まずは先にグリフォンを預かっておきながら、魔力量の関係で治療を集中して出来ないことを謝罪する。
「とんでもない、怪我の治療だけならお金さえ出せば私でもしてやれた。
だが、グリフォンを今まで酷使したから、静かで人の喧騒のない場所で老後を過ごして欲しいと、リハビリにちょうどいい場所にあるレナードさんのところへ預けることが出来て良かったと思っているんですよ。
今は繋がっていないから、正確な気持ちは分かりませんが、私から見捨てられたと落ち込んでいた時とは違って、たくさんの幻獣の子供達と触れ合えて幸せそうです」
丁寧に薬を塗った後、身体を労わるように撫でながらモルガンは言った。
グリフォンも甘えるようにゴロゴロを喉を鳴らしていた。
「幻獣と仮契約をすると、魔力量が個体に応じて増えるじゃないですか。
でも変異種の幼体はまだ魔法が使えないから幻獣ではないって見解ですよね。
ここではルゼ以外では保護している幼体だけなんですが、あの子は人に襲われているせいか、完全には警戒心があってまだしたくないんですよ。
だから仮契約出来るとしたら、懐いてくれてる変異種の子供達なんです」
「幻獣使いでは変異種の幼体を育てられないからという事情もありますが、変異種の成体しか魔法を使えないから確かに幻獣の卵って呼ばれてますね」
「子馬はずっとうちに居ますし、仔犬達も本格的な訓練する時期が終われば、うちか、魔性植物園かどちらかで引き取ることが決まっているので、名付けの仮契約をしたとしても問題ない気がするんです。
ただ幻獣じゃないから魔力量が上がる保証がないのに、現時点で仮契約をしても良いのか悩んでしまって。
保護した幼体だけ仲間外れになってしまうしと」
「魔力量が増えるかは別として、保護した幼体を含めてあの子達と話し合ってみては?
仔犬達以外はあの子達の意思で決めても良いのでは?」
「そうですね。
今日は関係者にもこのことを相談しようと思って留守番役に呼んだんです。
仔犬達のことは魔性植物園にも話して確認もしないといけないですね」
モルガン氏のおかげで少し気持ちの整理が出来たので、スッキリした気持ちで町へと向かう。
商業ギルドの会議室で、ヘルマン氏と両ギルド長を交えて変異種達の経過観察の報告がてら、仮契約のことを相談したら、あっさり本獣達次第で試してみれば良いと言われた。
魔性植物園を訪ねて、変異種担当者にお互いの子供達の近況の意見交換の後に名付けの仮契約の話しをしてみた。
「今、私を含む一部の動物好きの職員の中で、幻獣使いの技術取得を目指しているんですよ!
最低2名は取得出来たら良いなぁと数日前に話していたところなんですよ。
ちょっと待ってて下さい」
そう言って部屋を凄い勢いで出て行った。
呆然と出て行った扉の方を見ていると、何やら大声が聞こえ、しばらくすると駆け回る音が聞こえた。
更に数分後には、担当者以外に5名の職員と園長が飛び込んで来た。
それぞれ両手にノートや紙の束を持っていた。
「これ、変異種の名前の候補なんです!」
と皆興奮した状態でリストを机に出していた。
どうやら名付けの話しをして以来、動物好きの職員がそれぞれ独自に変異種達の名前を考えていたらしい。
その中には将来訓練して植物園の番犬に相応しいとして引き取られた場合の2匹の名前候補もあって、レナードは苦笑いするしかなかった。
全ての候補から長過ぎたり、趣味に走り過ぎるものなどを振るい落とし、レナードから聞いた2匹の特徴を聞き、多数決の結果、元気いっぱいの子を『ソル』、ちょっと臆病な子を『ルナ』と決まったが、たった2つの名付けだけに3時間以上もかかったので疲れた。
レナードが帰った後も他の変異種の名前を決めていたようで、翌日も会議が行われたらしい。
一通りの場所を案内してから、幻獣舎へ戻って水魔法で治療した後、傷薬をレナードが水豹を、グリフォンをモルガン氏が塗りながら相談した。
まずは先にグリフォンを預かっておきながら、魔力量の関係で治療を集中して出来ないことを謝罪する。
「とんでもない、怪我の治療だけならお金さえ出せば私でもしてやれた。
だが、グリフォンを今まで酷使したから、静かで人の喧騒のない場所で老後を過ごして欲しいと、リハビリにちょうどいい場所にあるレナードさんのところへ預けることが出来て良かったと思っているんですよ。
今は繋がっていないから、正確な気持ちは分かりませんが、私から見捨てられたと落ち込んでいた時とは違って、たくさんの幻獣の子供達と触れ合えて幸せそうです」
丁寧に薬を塗った後、身体を労わるように撫でながらモルガンは言った。
グリフォンも甘えるようにゴロゴロを喉を鳴らしていた。
「幻獣と仮契約をすると、魔力量が個体に応じて増えるじゃないですか。
でも変異種の幼体はまだ魔法が使えないから幻獣ではないって見解ですよね。
ここではルゼ以外では保護している幼体だけなんですが、あの子は人に襲われているせいか、完全には警戒心があってまだしたくないんですよ。
だから仮契約出来るとしたら、懐いてくれてる変異種の子供達なんです」
「幻獣使いでは変異種の幼体を育てられないからという事情もありますが、変異種の成体しか魔法を使えないから確かに幻獣の卵って呼ばれてますね」
「子馬はずっとうちに居ますし、仔犬達も本格的な訓練する時期が終われば、うちか、魔性植物園かどちらかで引き取ることが決まっているので、名付けの仮契約をしたとしても問題ない気がするんです。
ただ幻獣じゃないから魔力量が上がる保証がないのに、現時点で仮契約をしても良いのか悩んでしまって。
保護した幼体だけ仲間外れになってしまうしと」
「魔力量が増えるかは別として、保護した幼体を含めてあの子達と話し合ってみては?
仔犬達以外はあの子達の意思で決めても良いのでは?」
「そうですね。
今日は関係者にもこのことを相談しようと思って留守番役に呼んだんです。
仔犬達のことは魔性植物園にも話して確認もしないといけないですね」
モルガン氏のおかげで少し気持ちの整理が出来たので、スッキリした気持ちで町へと向かう。
商業ギルドの会議室で、ヘルマン氏と両ギルド長を交えて変異種達の経過観察の報告がてら、仮契約のことを相談したら、あっさり本獣達次第で試してみれば良いと言われた。
魔性植物園を訪ねて、変異種担当者にお互いの子供達の近況の意見交換の後に名付けの仮契約の話しをしてみた。
「今、私を含む一部の動物好きの職員の中で、幻獣使いの技術取得を目指しているんですよ!
最低2名は取得出来たら良いなぁと数日前に話していたところなんですよ。
ちょっと待ってて下さい」
そう言って部屋を凄い勢いで出て行った。
呆然と出て行った扉の方を見ていると、何やら大声が聞こえ、しばらくすると駆け回る音が聞こえた。
更に数分後には、担当者以外に5名の職員と園長が飛び込んで来た。
それぞれ両手にノートや紙の束を持っていた。
「これ、変異種の名前の候補なんです!」
と皆興奮した状態でリストを机に出していた。
どうやら名付けの話しをして以来、動物好きの職員がそれぞれ独自に変異種達の名前を考えていたらしい。
その中には将来訓練して植物園の番犬に相応しいとして引き取られた場合の2匹の名前候補もあって、レナードは苦笑いするしかなかった。
全ての候補から長過ぎたり、趣味に走り過ぎるものなどを振るい落とし、レナードから聞いた2匹の特徴を聞き、多数決の結果、元気いっぱいの子を『ソル』、ちょっと臆病な子を『ルナ』と決まったが、たった2つの名付けだけに3時間以上もかかったので疲れた。
レナードが帰った後も他の変異種の名前を決めていたようで、翌日も会議が行われたらしい。
1
あなたにおすすめの小説
転生ちびっ子の魔物研究所〜ほのぼの家族に溢れんばかりの愛情を受けスローライフを送っていたら規格外の子どもに育っていました〜
幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
高校生の涼太は交通事故で死んでしまったところを優しい神様達に助けられて、異世界に転生させて貰える事になった。
辺境伯家の末っ子のアクシアに転生した彼は色々な人に愛されながら、そこに住む色々な魔物や植物に興味を抱き、研究する気ままな生活を送る事になる。
元・神獣の世話係 ~神獣さえいればいいと解雇されたけど、心優しいもふもふ神獣は私についてくるようです!~
草乃葉オウル ◆ 書籍発売中
ファンタジー
黒き狼の神獣ガルーと契約を交わし、魔人との戦争を勝利に導いた勇者が天寿をまっとうした。
勇者の養女セフィラは悲しみに暮れつつも、婚約者である王国の王子と幸せに生きていくことを誓う。
だが、王子にとってセフィラは勇者に取り入るための道具でしかなかった。
勇者亡き今、王子はセフィラとの婚約を破棄し、新たな神獣の契約者となって力による国民の支配を目論む。
しかし、ガルーと契約を交わしていたのは最初から勇者ではなくセフィラだったのだ!
真実を知って今さら媚びてくる王子に別れを告げ、セフィラはガルーの背に乗ってお城を飛び出す。
これは少女と世話焼き神獣の癒しに満ちた気ままな旅の物語!
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
二月から週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流
犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。
しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。
遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。
彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。
転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。
そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。
人は、娯楽で癒されます。
動物や従魔たちには、何もありません。
私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる