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第2章
報告
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ヘンルーダの職員と商業ギルドへと馬車でやって来た。
ギルド長は出かけていたが、連絡は届いていたので、各施設の担当者が会議室に集まっていた。
ただレナードが連れて来た幻獣のことは連絡がなかったらしいので、レナードは冒険ギルドへと出向いた。
商業ギルドで連絡してもらったので、受付から直ぐにギルド長の部屋に案内された。
副ギルド長も同席して報告する。
「ヘンルーダの冒険ギルドからどこまで連絡が来たか分かりませんが、トラヴァーの森から幻獣や卵を盗んだ者達がいて、その一人をうちの幼体が見つけました。ほとんどは森に帰したのですが、事情があって親が引き取れない卵と、魔性植物の実が気に入って短期間預かることになった妖精と精霊がいます」
そう言って籠を開けて、お腹のポケットから卵の保温袋を取り出した。
蓋が開いたので飛び出した2体は、解放感から楽しそうに飛び回った。
保温袋を開けて、巣の形状にして見やすいようにした。
「これが大精霊の許可を得て持ち帰った火蜥蜴の卵です。あの2体は見た通りですね」
ギルド長も副ギルド長も、卵を凝視して難しい顔をしていた。
「これがヘンルーダが言ってた緊急案件か。残念ながら情報通りだな」
「そうですね」
「他の鳥や鳥系魔物と似ているとあちらで聞きました」
「レナード、また貴重な情報をありがとうな。火蜥蜴以外にも幼体の時の形態が似ている可能性があると実物を見て確信したよ」
「幼体の種族が麒麟だと大精霊が教えてくれました。カリュプスの幻獣だそうです。幼体がそこにいる妖精の子の助けを求める声に気付いてくれたので、そこにいた幻獣や卵を全て保護出来ました」
「カリュプスの幻獣だったのか、あの子は」
冷めすぎないように卵は保温袋にしまう。
「あの森に帰すのは難しいから、レナード、その火蜥蜴共に頼むぞ」
「はい、精一杯育てます。卵が孵って落ち着いたら、登録に来ますのでお願いします」
「もちろんだとも」
籠に防音と防護をヘンルーダでかけてもらったことも報告する。
妖精と精霊のことは、今回関わった職員や冒険者以外には秘匿することで、ヘンルーダでも話しがついていたが、リベルタでは今いる二人以外に、魔性植物園には魔素や魔性植物の関係で必要ならば伝えた方が良いのではということで、とりあえず園長には話してみることになった。
そしてここに来るまでに思い付いたことを相談してみた。
「ギルド長、今回密猟者を発見して思ったことがあります。
妖精や精霊を求めるのは王族や貴族など富裕層ですよね。
ということは今の変異種育成計画をそのまま公開したら、非合法で手に入れようとする者達に変異種が狙われたり、強い種族の変異種を強くするために魔素植物を根こそぎ採取するなど悪用されるのでは?」
「我々もヘルマンさんが王家に変異種を多く納品した後に可能性に気づいたよ。
幻獣の密猟に関わっていると目星をつけている貴族や商人の関係者からの問い合わせでな。
だから今、許可制にするための立案を検討しているところだ」
「やはり既に接触して来ているんですね」
「だから当分の間はギルドを経由して以外は情報開示はしないようにしている。
ただ犯罪者達は自白剤を使ってでも情報を得ようとするだろうから気をつけないといけないな」
「私もこれからは無闇に言わないようにします」
「そうしてくれ。
我々も担当する者以外には、職員であろうとも口外しないように通達を出した。
協力者にも念押ししたが、今後は選定も更に厳しく審査しないと駄目だろう。
他の支部はほぼギルド長レベルで止まっているから助かったよ」
「まだ生存率が上がったというだけで、どのくらいの量が良いのかとか、どの種族でも可能なのかとか、未知の情報ばかりですからね。
利権や利益しか興味がない奴や、非合法な手段を厭わない奴に、不明確な情報を与えたら、どこまでやるか分からない。
下手をすれば、丈夫になるのを通り越して、凶暴化する可能性がある。」
ギルド長は出かけていたが、連絡は届いていたので、各施設の担当者が会議室に集まっていた。
ただレナードが連れて来た幻獣のことは連絡がなかったらしいので、レナードは冒険ギルドへと出向いた。
商業ギルドで連絡してもらったので、受付から直ぐにギルド長の部屋に案内された。
副ギルド長も同席して報告する。
「ヘンルーダの冒険ギルドからどこまで連絡が来たか分かりませんが、トラヴァーの森から幻獣や卵を盗んだ者達がいて、その一人をうちの幼体が見つけました。ほとんどは森に帰したのですが、事情があって親が引き取れない卵と、魔性植物の実が気に入って短期間預かることになった妖精と精霊がいます」
そう言って籠を開けて、お腹のポケットから卵の保温袋を取り出した。
蓋が開いたので飛び出した2体は、解放感から楽しそうに飛び回った。
保温袋を開けて、巣の形状にして見やすいようにした。
「これが大精霊の許可を得て持ち帰った火蜥蜴の卵です。あの2体は見た通りですね」
ギルド長も副ギルド長も、卵を凝視して難しい顔をしていた。
「これがヘンルーダが言ってた緊急案件か。残念ながら情報通りだな」
「そうですね」
「他の鳥や鳥系魔物と似ているとあちらで聞きました」
「レナード、また貴重な情報をありがとうな。火蜥蜴以外にも幼体の時の形態が似ている可能性があると実物を見て確信したよ」
「幼体の種族が麒麟だと大精霊が教えてくれました。カリュプスの幻獣だそうです。幼体がそこにいる妖精の子の助けを求める声に気付いてくれたので、そこにいた幻獣や卵を全て保護出来ました」
「カリュプスの幻獣だったのか、あの子は」
冷めすぎないように卵は保温袋にしまう。
「あの森に帰すのは難しいから、レナード、その火蜥蜴共に頼むぞ」
「はい、精一杯育てます。卵が孵って落ち着いたら、登録に来ますのでお願いします」
「もちろんだとも」
籠に防音と防護をヘンルーダでかけてもらったことも報告する。
妖精と精霊のことは、今回関わった職員や冒険者以外には秘匿することで、ヘンルーダでも話しがついていたが、リベルタでは今いる二人以外に、魔性植物園には魔素や魔性植物の関係で必要ならば伝えた方が良いのではということで、とりあえず園長には話してみることになった。
そしてここに来るまでに思い付いたことを相談してみた。
「ギルド長、今回密猟者を発見して思ったことがあります。
妖精や精霊を求めるのは王族や貴族など富裕層ですよね。
ということは今の変異種育成計画をそのまま公開したら、非合法で手に入れようとする者達に変異種が狙われたり、強い種族の変異種を強くするために魔素植物を根こそぎ採取するなど悪用されるのでは?」
「我々もヘルマンさんが王家に変異種を多く納品した後に可能性に気づいたよ。
幻獣の密猟に関わっていると目星をつけている貴族や商人の関係者からの問い合わせでな。
だから今、許可制にするための立案を検討しているところだ」
「やはり既に接触して来ているんですね」
「だから当分の間はギルドを経由して以外は情報開示はしないようにしている。
ただ犯罪者達は自白剤を使ってでも情報を得ようとするだろうから気をつけないといけないな」
「私もこれからは無闇に言わないようにします」
「そうしてくれ。
我々も担当する者以外には、職員であろうとも口外しないように通達を出した。
協力者にも念押ししたが、今後は選定も更に厳しく審査しないと駄目だろう。
他の支部はほぼギルド長レベルで止まっているから助かったよ」
「まだ生存率が上がったというだけで、どのくらいの量が良いのかとか、どの種族でも可能なのかとか、未知の情報ばかりですからね。
利権や利益しか興味がない奴や、非合法な手段を厭わない奴に、不明確な情報を与えたら、どこまでやるか分からない。
下手をすれば、丈夫になるのを通り越して、凶暴化する可能性がある。」
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