幻獣士の王と呼ばれた男

瑠璃垣玲緒

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第2章

呼び止め

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話し合いの最中に妖精が大精霊の耳元に来て何かを告げた。
《シバシ待タレヨ》
そう一言告げて突然姿を消した大精霊。
籠を地面に置き、火蜥蜴を外に出した。
魔素が多いせいかどことなく嬉しそうな感情が伝わってくる。
顔を上げるとネーベルが再び現れた。
《済ヌガ、我ニ付イテ来テ欲シイ》
そう言うと何処からか霧が現れて視界が奪われ、霧が晴れた時には別の場所にいた。
目の前には中性的な水色の腰まであるストレートの長髪に、透き通るような青いシフォンのような膝下の柔らかそうな生地のワンピースを来た人と、
その足元に銀狼シルバーウルフより4倍くらい大きく、白銀の輝きの狼が伏せていた。
《我ノ主人アルジオンディーヌ様と、聖獣フェンリル様ガ、レナードト話しガシタイト招待サレタ》
《ご招待いただきありがとうございます。
私は薬師で幻獣使いのレナードと申します》
《此度ハ、我ノ監督スル森ノ者ヲ連れ戻シテクレテ感謝スル。
人ノ子ヨ、汝ニ問ウ。人トハ迷イノ森ヲ荒ラス者トイウノガ我ラノ認識ダガ、ソレハ間違イカ?》
《先ずは同族の無礼をお詫びします。
その上で答えますが、一部の心無い国や人々がおり、その者たちが荒らしているのは事実です。
しかし迷いの森に入る人の数より多くの人間がおり、その大半は善良で弱いのです。
そして迷いの森に入る者の中にも、ルールを決めて守っている者もいるのです》
《確カニ人族デモ竜人族ヤ、エルフ達ハルールガアルノハ聞イテイル》
《人族でもルールは一応あります。残念ながら守ってない人や国もありますし、統一されたルールではないのが問題ですが》
《人間トハヒトツの種族デハナイノカ?》
《種族は一つであるとも言えるし、複数あるとも言えます》
《我等ヲ馬鹿ニシテルノカ!》
《とんでも無い!一つの種族なのですが、考え方が異なる人達がおり、勝手に線引きして違う種族のように差別する者達がいるのです》
《我々ニハ理解出来ヌ》
《少なくとも私やこの前攫われた他の子供達を一緒に探している者達は、この森で生活に必要な物以外を持ち帰らないし、他の子達も見つけ戻し、卵を盗んだ者を雇った者や関係した者を見つけ出し、処罰するつもりでいます》
《ソレガ本当ノ事ナラ協力シヨウ。但シ先ズハ信用スルニ値スルカ見サセテモラオウ》
《私ハ獣ノ幻獣王、特別ニオヌシノ養イ子ノ麒麟ヲ本契約ヲ許ソウ。本契約シタ者トハ幻獣ヲ通シテ、私モ見聞キ出来ルノダ》
《我ノ方モ精霊ヲ授ケヨウ。悪イ行ナイヲスレバ精霊ノ力ガ弱クナリ、我ガ感ジラレル》
話しがしたいと招待されただけのはずなのに、何故こんな大変な事が勝手に決まって行くんだろうとレナードは途方に暮れた。
《レナードノ養イ子ヲ連レテ来マシタ》
ネーベルが居ないことに気付いてなかった。
《ソコノ麒麟ヨ、私ハ獣ノ幻獣王フェンリルデアル。
レナードトイウ人間ト本契約ヲ結ブ許可ヲ与エルガ、如何イタス》
《ホンケイヤク?》
《レナードト、オヌシヲ魂で結ブコトダ。仮契約ト違イ、ドチラカガ死ヌマデ繋ガリ、遠ク離レテモ話シガ出来ル。
ヤッテミルカ?》
《シヌマデズットナラスル!》
《ソウカ、オヌシノ意見ヲ尊重シヨウ。
ソレデ良イナ、人間…レナードヨ》
レナードは麒麟の前に跪き、目を合わせて話しかけた。
《本当に契約して大丈夫なのか?
まだ人間が怖いのだろう?》
《ゥン、コワイ。ケド、レナードハスキ》
《私も君のことは好きだよ。やっぱり1人だけ仮契約してないのを気にしてたのかい?》
《スコシダケ。ソレヨリマタステラレタクナカッタノ》
《エッ!ソルとルナは分からないけど、皆んなと同じで、ずっと私のところにいてもいいんだよ》
《デモ、オヤガムカエニキタラ?》
《その時は君が行きたい方に行けば良い。なんなら1年毎に行き来するっていうのだって良いんだよ》
《エラベタノ?》
《そうだよ。銀狼は他の家族や仲間が居て、君が良くなるまでの約束だったからお別れしたけど、君は私達か、親か、家族を選んで良かったんだよ。》
《モウヒトリハイヤ!》
《じゃあ契約しようか》
《ウン》


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