幻獣士の王と呼ばれた男

瑠璃垣玲緒

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第4章

応答

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『エンサージョ国の方どうぞ』
『我が国に保護施設と幻獣士ギルド本部があるということだが、支援や税金はどうしたらいいのか』
『他のギルド本部や支部と同じで結構です。
支援に関しては幻獣士ギルドのある村外れの一部の土地をギルド直轄地にしていただきたく思います。
それ以外の詳細は改めてご相談ということで』
『会議で検討しよう』

『スタークツ帝国とアデッソ王国の方は質問や疑問はありませんか?』
『疑問ではなく不満がある』
『スタークツ帝国の方どうぞ』
『何故我々人間の地位がこれ程まで考慮されぬのだ!
少なくとも王族やそれに類する立場の者に対する配慮が足らぬ!』
『それは幻獣側の方が配慮に値しないと判断されたからとしか言いようがありません』
『なんだと!貴様我らの皇帝を侮辱する発言を、楯突く気か!』
『精霊王様の言葉です。
【種族を律し、導くことをせず、己が国の利益のみしか考えない者は、我々は王として認めぬ】
幻獣王様は、
【同族同士が欲のために殺し合うことも理解出来ぬが、それを王と名乗る者がしているのはもっと理解出来ぬ。
しかも王が遠く離れた安全な場所で指揮も取らずに精鋭に守られ、戦いの最前線に一般の者達を送り、群れのリーダーが指示だけなどあり得ぬ。
自らが指揮を取ってこそ王と呼べるのだ】
とおっしゃってました。
反論や弁明があるならお呼びしましょうか?』
『皇帝様をお連れするので待て』
『我が国も王を呼んで来ましょう』
双方が慌てて人を送る様子が分かる。
『ではこちらも不本意ながらお呼びしましょう』
どうやら他の国や代表も誰かを呼び出したようだった。
「レナード、お前さんの言う通りになったな」
「スタークツ帝国とアデッソ王国がおいそれと認める訳がありませんからね」
ピュードルに精霊王様を、アルバに幻獣王様を呼びに行かせた。
あらかじめ頼んでおいたが、風と火の組み合わせだけは避けたいが大丈夫だろうか?
心配したがノームとアースドラゴンで安心する。
《御足労をおかけして申し訳ありません。やはり王族達が納得しないようです。お願いいたします》
《同胞ノタメダ、構ワヌ》
《我ノ姿ヲ見テ怖レヲ抱ケバ良イガ》
会議室が騒がしくなった。
『お連れしたのだ、早く連れて参れ』
『では、精霊王様、幻獣王様こちらに』
会議室が小さく見える程のアースドラゴンと、その前に守られるように腰掛けている褐色の肌の中性的な美しさのノームが現れた。
あれだけ騒いでいた帝国と王国の大臣達も、圧倒される存在に静かになった。
『賢き精霊王ノーム様、大地の守る幻獣王アースドラゴン様、お会い出来て光栄でございます。
我々エルフ族とそれに連なる者達は貴方様方がお決めになったことを謹んで遵守させていただきます』
『精霊王様、幻獣王様、お会い出来て光栄でございます。
我々竜人族や獣人共も同じく謹んで遵守させていただきます』
《其方ラノコトハ信ジテオル》
今回は水晶に予め妖精が粉をかけているので会話が可能だ。
《我々ガ信用シタ人間達ニ頼マレテ、随分ト妥協シタ約束ニ不満ガアルト聞イタガ誠カ?》
《その前に一つ聞く。
その人間とは王族や貴族など高貴な血筋の者なのか?》
《此方コソ聞コウ、人間トヤラハ血筋ダケデ能力ヲ判断スルノカ?》
『当然だ!
初代様の勇猛で聡明な血筋や大精霊や神の子の血が入った高貴な血筋は、下々の者と同じではない!』
《我々モ血筋ヲ大切ニスル》
『そうだろうとも!
して信用した人間とは王族か?貴族か?』
《ダガ、優秀ナ者ヲ排出スル血筋ハ大切ニスルガ、能力ガ無ケク努力モシナイ者ハ評価ハシナイ》
『何を言っておるのだ?』
《我々ガ信用スルノハ皆デ作ッタルールヲ守ル者ヤ、約束ヲ守ル者ダケダ。
我々は嘘はツカヌシ、約束ハ守ル。
万ガ一破ルコトアレバ、イノチデ償ウ。
人間ノ言ウ高貴ナ血筋トヤラハ、約束ヲ違エタラ己ガ命デ贖ウ者ノコトカ?》
『いや…必ずしもそうでもない。
幽閉など自分の所業を振り返り一生反省させるために閉じ込めることもある。
処刑すると国が立ち行かなくなるため、大抵は身分を剥奪が多い』
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