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第4章
期待
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別の場所には行商人の息子で素材専門の行商人になりたい狐獣人のフィンリーがいた。
フィンリーは今はまだ父の手伝いで行商に同行しているだけだが、父のような主に食料を扱う行商人ではなく、大陸中を周る素材専門の行商人になりたかった。
小さな頃に行商先で遊んでいて迷っていた時に見つけた小石が、休憩中に暇潰しに摘んだ草が、どちらも思いの外高い値段で買い取ってもらえた時の高揚感が忘れられないからだ。
時間があると商業ギルドの資料室に入って独学で素材の勉強をした。
そこでトーレのような素材専門の行商人がいる事も知った。
一般的に素材専門の行商人は自分の荷車を持ち、使役する動物や幻獣が必須と言われ、荷車を牽く馬類や牛類が多い。
加工前の素材を仕入れ、加工する店や工房へ売る者が多いからだ。
自ら採取した物を取り扱う者は荷車を持たず高級なマジックバックを持つ。
その多くは素材採取専門の冒険者や引退した元騎士や警備隊など、どんな場所にも対処出来る戦闘経験が豊富な者達で、凶暴な獣が居る場所や凶暴化した魔物や魔獣が居るダンジョンを中心に活躍し、移動のために馬系や竜種を飼っている。
だがフィンリーがなりたかったのは戦闘経験がない職業の幻獣使い達だった。
例えば、鍛治師で幻獣使いで鉱物を自分で採取するために、鉱物を察知出来る亀系や土竜などを相棒にするドワーフ。
蜂蜜が大好きな熊系幻獣と奥地にある天然の希少な蜜を採取して卸す豹獣人。
そういう素材を自ら採取して各地を売り歩く行商人になりたいと思った。
そのために幻獣術も小遣いから捻出して習った。
素材専門の行商人に必要なのは、商人(見習い含む)であることは当然として、運搬手段と採取手段か伝手を持つこととされている。
伝手がない者は採取する物に特化した魔物や魔獣や虫、または本人の能力を補佐する動物やなどを従魔にするか、どちらかの能力を持った幻獣と仮契約して幻獣使いになるしか道がなかった。
それが幻獣を従魔の様に長い契約が出来ると商業ギルドで聞き、幻獣士の要項を読んで本当のことだと知って家族を説得して挑戦に来たのだった。
自分は狐獣人の能力のおかげで聴力は優れているから、自分より匂いが得意な種族か、目が良いとか、索敵が得意な種族などが良いなと願った。
強い思いが通じたのか、フィンリーに銀狼の兄妹2頭が接触して来た。
その銀狼の兄弟はまだ若い個体で、その毛皮の美しさを狙われた群れの中で生捕りにされた成体と一緒に囚われていたが、小さ過ぎて愛玩用として幼少期を育てられたため、完全な野生としては暮らせず主人を望んでいた。
出来れば兄妹と一緒に。
この獣人から探索に行く時の様なわくわくする匂いがして、様子を見るために木々の間から顔出した。
フィンリーは驚いたが、慌てずに立ち止まって話しかけた。
《初めまして。
話しを聞いてくれる?》
《イイヨ》
兄が答えた。
《僕は素材を探すため迷いの森以外の場所にも行きたいんだ。
僕より鼻が良い君達が手伝ってくれたら嬉しい》
《沢山走レル?》
《街中や危険がないところなら、僕が頼んだ時以外は好きにして良いよ》
《妹、一緒イイ?》
《良いよ。
別々のお仕事頼む時もあるけど、それでも良ければ一緒に旅をしよう》
《ウン、イイヨ》
フィンリーは狼達が近付いて来るのを足元にあった太めの木の枝に腰掛けて待った。
兄だろう銀狼の直ぐ後ろを付いて来る一回り小さな銀狼が続く。
フィンリーの匂いを嗅いで一周するとようやく手の届く距離に来た。
《触っても良い?》
《イイヨ》
目の前に並んで座った銀狼を声の聞こえた方へ手を伸ばして恐る恐る頭を撫でた。
少し毛が硬いが手入れをされていた様で気持ち良かった。
もう一方の小さな銀狼にも声をかけた。
《君も触っても大丈夫?》
《ィィョ》
恥ずかしそうな小さな声で返事が来た。
そっと手を伸ばして同じ様に頭を撫でた。
ふと見ると2匹の尻尾がゆらゆらと揺れていた。
フィンリーは今はまだ父の手伝いで行商に同行しているだけだが、父のような主に食料を扱う行商人ではなく、大陸中を周る素材専門の行商人になりたかった。
小さな頃に行商先で遊んでいて迷っていた時に見つけた小石が、休憩中に暇潰しに摘んだ草が、どちらも思いの外高い値段で買い取ってもらえた時の高揚感が忘れられないからだ。
時間があると商業ギルドの資料室に入って独学で素材の勉強をした。
そこでトーレのような素材専門の行商人がいる事も知った。
一般的に素材専門の行商人は自分の荷車を持ち、使役する動物や幻獣が必須と言われ、荷車を牽く馬類や牛類が多い。
加工前の素材を仕入れ、加工する店や工房へ売る者が多いからだ。
自ら採取した物を取り扱う者は荷車を持たず高級なマジックバックを持つ。
その多くは素材採取専門の冒険者や引退した元騎士や警備隊など、どんな場所にも対処出来る戦闘経験が豊富な者達で、凶暴な獣が居る場所や凶暴化した魔物や魔獣が居るダンジョンを中心に活躍し、移動のために馬系や竜種を飼っている。
だがフィンリーがなりたかったのは戦闘経験がない職業の幻獣使い達だった。
例えば、鍛治師で幻獣使いで鉱物を自分で採取するために、鉱物を察知出来る亀系や土竜などを相棒にするドワーフ。
蜂蜜が大好きな熊系幻獣と奥地にある天然の希少な蜜を採取して卸す豹獣人。
そういう素材を自ら採取して各地を売り歩く行商人になりたいと思った。
そのために幻獣術も小遣いから捻出して習った。
素材専門の行商人に必要なのは、商人(見習い含む)であることは当然として、運搬手段と採取手段か伝手を持つこととされている。
伝手がない者は採取する物に特化した魔物や魔獣や虫、または本人の能力を補佐する動物やなどを従魔にするか、どちらかの能力を持った幻獣と仮契約して幻獣使いになるしか道がなかった。
それが幻獣を従魔の様に長い契約が出来ると商業ギルドで聞き、幻獣士の要項を読んで本当のことだと知って家族を説得して挑戦に来たのだった。
自分は狐獣人の能力のおかげで聴力は優れているから、自分より匂いが得意な種族か、目が良いとか、索敵が得意な種族などが良いなと願った。
強い思いが通じたのか、フィンリーに銀狼の兄妹2頭が接触して来た。
その銀狼の兄弟はまだ若い個体で、その毛皮の美しさを狙われた群れの中で生捕りにされた成体と一緒に囚われていたが、小さ過ぎて愛玩用として幼少期を育てられたため、完全な野生としては暮らせず主人を望んでいた。
出来れば兄妹と一緒に。
この獣人から探索に行く時の様なわくわくする匂いがして、様子を見るために木々の間から顔出した。
フィンリーは驚いたが、慌てずに立ち止まって話しかけた。
《初めまして。
話しを聞いてくれる?》
《イイヨ》
兄が答えた。
《僕は素材を探すため迷いの森以外の場所にも行きたいんだ。
僕より鼻が良い君達が手伝ってくれたら嬉しい》
《沢山走レル?》
《街中や危険がないところなら、僕が頼んだ時以外は好きにして良いよ》
《妹、一緒イイ?》
《良いよ。
別々のお仕事頼む時もあるけど、それでも良ければ一緒に旅をしよう》
《ウン、イイヨ》
フィンリーは狼達が近付いて来るのを足元にあった太めの木の枝に腰掛けて待った。
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フィンリーの匂いを嗅いで一周するとようやく手の届く距離に来た。
《触っても良い?》
《イイヨ》
目の前に並んで座った銀狼を声の聞こえた方へ手を伸ばして恐る恐る頭を撫でた。
少し毛が硬いが手入れをされていた様で気持ち良かった。
もう一方の小さな銀狼にも声をかけた。
《君も触っても大丈夫?》
《ィィョ》
恥ずかしそうな小さな声で返事が来た。
そっと手を伸ばして同じ様に頭を撫でた。
ふと見ると2匹の尻尾がゆらゆらと揺れていた。
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