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幻獣士の王 第ニ章まで
やんちゃな兄は我が道を行く
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俺は弟とずっと一緒だった。
弟以外とはまともに話しが出来なかったから俺は他のことは気にしなかった。
苦しい時に互いに気づいて助け合ったのは弟だけだった。
だからこれからも俺は弟だけいれば良いとそう思ってた。
でもご主人と出会って新しい仲間が増えて考えが変わったんだ。
人間なのに俺達と話しが出来るし、苦しい時には楽になる甘い汁を飲ませてくれるし、状態が落ち着くまでほとんど側に居てくれる。
何より嬉しいのはほぼ毎日森に連れて行ってくれる事。他のヤツらも話しも出来るし。
最初の頃は散策しか出来なかったけど、調子が良い時は森をある程度自由に駈ける事が出来た。弟と追いかけっこをしたり、動物を追いかけるのが楽しい。
ある日夢中になって小鹿を追いかけている内に、気になる匂いがした。立ち止まって周辺の匂いを嗅ぐ。美味しいそうなものの匂いがする。弟が止めるのを振り切って森の奥へとかけ出すと、大好きな美味しい実が付いている低い木を見つけたんだ。ご主人からもらっている実を森の中で見つけて嬉しくなってかけよった。
《兄さん森の奥に行ってはダメだって言われたのに》
って追いついた弟に叱られたが、俺は見つけたものに興奮して聞き流した。
《見ろ!美味しい実を見つけたんだ》
《兄さんの好きなヤツだね、でも…》
その時弟が何か気付いたらしい言葉は小さくて、興奮していた俺には届かなかった。その時はどうやったら実を落とせるかなってワクワクしてたし。色々試してようやく2人が一回食べられる量が取れた。
《早く食べよう!》
《勝手に食べて良いのかなぁ?》
《ちょっとだけだから大丈夫》
《1口だけだよ?》
俺は勢いよく、弟は慎重に口にする。口の中で実がはじけ果汁が口に広がり始めた途端、あまりの苦さに勢い良く吐き出した。隣で弟も吐いていた。
俺達の悲鳴を聞いてクレドが飛んで来てくれた。事情を知ったクレドが近くの川へ誘導してくれて2人して水を飲んだが、苦いのはなくならないからご主人の元へ急いで戻った。
クレドから事情を聞いたご主人は苦笑いをしながら大好きな実を腰にあった袋から出して食べさせてくれた。
《そうか、これのモドキを食べちゃったか、今回は苦さに吐き出させるのが目的だったから良かったよ》
《これは甘い》
《森には擬態している植物や動物が沢山あるんだよ。美味しい餌や薬になる物と良く似た姿や匂いで生き物を騙すんだ。中には痺れさせたり、匂いで誘って襲うものいるから、ちゃんと見分けがつくまでは食べる前に呼ぶんだよ》
《わかった》
それからは俺達兄弟が遊びや狩りで仲間と離れる時はクレドが来ることが増えた気がする。そういえば夢中になって獲物を追いかけている内に迷った時にもクレドが迎えに来てくれてからだったかもしれないけど、まあどうでも良いや。仮契約しているクレドはご主人の声が少し離れていても聞こえるんだって。俺達は助走なしでご主人に飛びかかって抱き止めてもらえるくらいの距離でしか聞こえない。だから羨ましい。
とにかくようやく自分達の居場所が出来て、元気な時間が増えて自由に走り回れて、美味しいものが食べられて、人に気持ちがきちんと伝わるこの環境が幸せだ。苦しい時間が少なくなって来たのもいい。
今日も弟と馬と馬みたいなやつと一緒に森へ行くんだ。あいつらも結構足速いんだけど、たまにしか付き合ってくれないのが少し不満だ。ご主人は人って言う種族の割には俺達に構ってくれるから大好きだ。
弟以外とはまともに話しが出来なかったから俺は他のことは気にしなかった。
苦しい時に互いに気づいて助け合ったのは弟だけだった。
だからこれからも俺は弟だけいれば良いとそう思ってた。
でもご主人と出会って新しい仲間が増えて考えが変わったんだ。
人間なのに俺達と話しが出来るし、苦しい時には楽になる甘い汁を飲ませてくれるし、状態が落ち着くまでほとんど側に居てくれる。
何より嬉しいのはほぼ毎日森に連れて行ってくれる事。他のヤツらも話しも出来るし。
最初の頃は散策しか出来なかったけど、調子が良い時は森をある程度自由に駈ける事が出来た。弟と追いかけっこをしたり、動物を追いかけるのが楽しい。
ある日夢中になって小鹿を追いかけている内に、気になる匂いがした。立ち止まって周辺の匂いを嗅ぐ。美味しいそうなものの匂いがする。弟が止めるのを振り切って森の奥へとかけ出すと、大好きな美味しい実が付いている低い木を見つけたんだ。ご主人からもらっている実を森の中で見つけて嬉しくなってかけよった。
《兄さん森の奥に行ってはダメだって言われたのに》
って追いついた弟に叱られたが、俺は見つけたものに興奮して聞き流した。
《見ろ!美味しい実を見つけたんだ》
《兄さんの好きなヤツだね、でも…》
その時弟が何か気付いたらしい言葉は小さくて、興奮していた俺には届かなかった。その時はどうやったら実を落とせるかなってワクワクしてたし。色々試してようやく2人が一回食べられる量が取れた。
《早く食べよう!》
《勝手に食べて良いのかなぁ?》
《ちょっとだけだから大丈夫》
《1口だけだよ?》
俺は勢いよく、弟は慎重に口にする。口の中で実がはじけ果汁が口に広がり始めた途端、あまりの苦さに勢い良く吐き出した。隣で弟も吐いていた。
俺達の悲鳴を聞いてクレドが飛んで来てくれた。事情を知ったクレドが近くの川へ誘導してくれて2人して水を飲んだが、苦いのはなくならないからご主人の元へ急いで戻った。
クレドから事情を聞いたご主人は苦笑いをしながら大好きな実を腰にあった袋から出して食べさせてくれた。
《そうか、これのモドキを食べちゃったか、今回は苦さに吐き出させるのが目的だったから良かったよ》
《これは甘い》
《森には擬態している植物や動物が沢山あるんだよ。美味しい餌や薬になる物と良く似た姿や匂いで生き物を騙すんだ。中には痺れさせたり、匂いで誘って襲うものいるから、ちゃんと見分けがつくまでは食べる前に呼ぶんだよ》
《わかった》
それからは俺達兄弟が遊びや狩りで仲間と離れる時はクレドが来ることが増えた気がする。そういえば夢中になって獲物を追いかけている内に迷った時にもクレドが迎えに来てくれてからだったかもしれないけど、まあどうでも良いや。仮契約しているクレドはご主人の声が少し離れていても聞こえるんだって。俺達は助走なしでご主人に飛びかかって抱き止めてもらえるくらいの距離でしか聞こえない。だから羨ましい。
とにかくようやく自分達の居場所が出来て、元気な時間が増えて自由に走り回れて、美味しいものが食べられて、人に気持ちがきちんと伝わるこの環境が幸せだ。苦しい時間が少なくなって来たのもいい。
今日も弟と馬と馬みたいなやつと一緒に森へ行くんだ。あいつらも結構足速いんだけど、たまにしか付き合ってくれないのが少し不満だ。ご主人は人って言う種族の割には俺達に構ってくれるから大好きだ。
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