なんでも屋〜永遠〜

Agrigent

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夢の見すぎは盲目となる

迷いの森の牙2

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リオとマナが戦っていた間、スミレは20ものオークと戦っていた。
スミレは後衛職『大賢者マジックマスター』である。全ての魔法を、無詠唱で発動することの出来る上位職である。彼女の固有スキルは『魔力変換マナアブソープ』。『周りに満ちるは永遠の友』、つまりは周囲に満ちる魔法の元魔素マナを自身の魔力として扱うことが出来る、というものだ。普通の人は、魔素から魔法を使うことは出来ない。このスキルは、無限に魔力を使えることを示しているのだ。欠点としては、魔素の存在していないところでは一切魔法が使えないことだろうか。しかし、魔素が存在していないところはこの世界にほとんどない。このスキルには、欠点が無いと言っても過言ではないだろう。

「『獄炎ヘルフレイム』!!」
スミレの魔法は、一直線に最前列のオークへ向かった。
「「「グギギギギギィィィィィィィ!!!」」」
地獄の炎に巻かれたオーク達は、苦悩の叫びと共に燃え尽きた。
「『扇状炎華ファーフレイムフラワー』!!」
彼女から放たれた炎の花は、扇状に広がり、多くのオークを巻き込んだ。
「「ギャギッ!!」」
後方にいたオーク達は、無様にも背を向け逃走を開始した。それを逃さず、スミレは鈍化魔法をかける。
「「グギィィィィ」」
「ふっ!」
「凍てつけ、凍結矢アイスアロー
鈍化により、思ったよりも距離が取れなかったオーク達は混乱していた。統率もあったものでは無い。
そこに、先程虎を片付けたリオとマナが参戦。オークを殲滅した。
3人がミナトの方を振り返ると、ちょうど虎の首が落ちる瞬間であった。

その後も進みながらモンスターを狩っていたが、進むにつれモンスターは現れなくなっていた。

探索に入ってからは、約3時間。広大な森の中心部に差し掛かってきた。中心部はより霧が濃く、そして暗い。死の香りが、あちらこちらから漂っている。
「こっちのままで平気?」
「うん、大丈夫」
尋ねてきたリオに、私は自信を持って答える。冒険者の匂いは、まだまだ先の方から漂ってくる。私たちは、依頼主エデルから冒険者の所有物を拝借していた。借りたものは銀製の腕輪。内側に2人の名前が彫られていた。察する4人。狼人ウェアウルフの私は、この腕輪の匂いを頼りに、冒険者を探していたのである。モンスターをほぼ狩ったこともあって、冒険者の匂いがよりわかりやすい。

もう1時間は歩いただろうか?7時に家を出発し、既に4時間。もうお昼頃に近づく。
「なんか、おかしくない?」
最初に異変に気づいたのはスミレだった。いくら、最初の方にモンスターを狩ったからといって、ここまで出てこないのは不自然である。
「でも、匂いはこっちに続いてるんだよな・・・」
「もう森の核まで来てるよ」
「やっぱり、この森核あるんだ」
核とは、その地域における守護者のことである。大体、自然に関する核は精霊が担っていることが多い。マナが核を察知できたことを見ると、恐らくこの森の核は精霊なのであろう。
「精霊か・・・マシなのだといいね」
苦笑いをするリオに、同意とばかりに私たちは頷いた。
「「あ、もうすぐいる(核)」」
私とマナは同時に声に出した。進んだ先には、さっきの景色とは全く違う明るく、広い空間。辺りにモヤは漂っているが、先程のところよりかは明らかに薄い。
そこには、池と小さな石造りの小屋があった。池は小屋よりも大きく、ジャイアンティガーを楽々と飲み込める大きさ。小屋は人が2人、最低限暮らせるほどの大きさしかない。
美しい景色に少々見惚れていた私たちだが、すぐに冒険者を探し始めるのだった。
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みんなの感想(1件)

花雨
2021.07.24 花雨
ネタバレ含む
2021.07.24 Agrigent

ありがとうございます!とても嬉しいです!続くかな・・・笑

解除

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