【R-18】どうしてこんなことに

アルカ

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アリア

抱きしめて、離さないでくださいね 1

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(どうしてこんなことにっ)

 アリアは、本日何回目かわからない自問自答をした。

「姉様、そろそろ覚悟は決まった?」
 優しく囁かれて、固く瞑っていた目をそろりと開ける。すぐに、焦点が合わないほど間近に迫るサファイアの瞳と目が合う。
 ベッドの上で、アリアは八歳も年の離れた青年――ディアドーレ国の第二王子ルーグレイに組み敷かれていた。
 いつもは肩上で綺麗に切りそろえられ、乱れることのない彼の黒髪が、アリアの顔の縁を揺れてくすぐる。

「……はい、ルーグレイ殿下」
 お手を煩わせて申し訳ございません、という謝罪の言葉が口の端まで出かかって飲み込む。今朝からもう何度も重ねすぎて、目の前のルーグレイ本人に禁止されてしまっているのだ。

「いつもみたいにルーって呼んでくれればいいのに」
「殿下こそ、姉様はいけません」
 ルーグレイに囁き返しながら、アリアはベッドの足元側に置かれた衝立を意識した。

「じゃあ姉様・・が取り繕うことを忘れちゃうくらい、頑張ろう!」
 明るく言い放たれて必死に首を振るものの、彼が温和な見た目に反して言い出したら曲げない性格なのは、十年の付き合いでよく分かっている。

(ううっ。せめてちゃんと声を我慢しなきゃ)

 夜着の上から、弟のように可愛がっていたルーグレイの手が触れてくる。
 その背徳感と、衝立の向こう側で婚姻成立に立会う司祭の存在をひしひしと感じ、逆に羞恥の声が漏れそうになって。
 アリアは涙目になりながら、手で口元を必死に覆った。

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