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本編
35 OPEN SEASON 後編 ※
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「あっあっああっ」
脚の間にランバルトの頭を挟み込むような形になりながら、レティレナは何度も嬌声をあげた。指を二本、三本と増やされ、舌で直接花芽を愛撫され、生理的なものなのかそうじゃないのか、まなじりを伝う涙のスジが途切れない。
もう何度となく絶頂を極め、愉悦から降りてこられない。
わなわなと立てられた両の太腿が震え、達していることを伝えるのに、それでも身体の中心が満たされない。行き場のない熱を抱え込み、レティレナが首を左右に振る。
満たして欲しいのか、解放して欲しいのか。それとも、もう全て投げ出して終わりにして欲しいのか。自分でも分からず、レティレナは自らを苛み、そして解放できる唯一の人を呼ぶ。
「ランバルト……もう、もう」
両手を伸ばすと、ランバルトが上から覆うように身体を重ね、口づけた。
その逞しい身体に、しがみつくように両手を回す。
もっと側にいきたい。身体という距離さえ邪魔で。表現しようのない熱ともどかしさに、レティレナは囚われた。
「レティ。たぶん、痛いと思う。もし嫌なら……」
「ここで止めたら、嫌いになるんだから。ばかランバルト」
「ははっそれはそれは。――痛がっても抵抗しても、絶対にやめない」
ぎらぎらと肉食獣のように獰猛な輝きの瞳に見つめ返された。
人によっては怖れを感じるような視線に、レティレナは自然と微笑んでいた。それをランバルトの灰色の瞳に映る己の姿で知る。こんなところで止められてしまったら、足りないものを埋めてくれなかったら、それこそ許さない。
こくりと無言で頷くと、ランバルトが獲物に襲い掛かる寸前のように目を眇める。それだけで、ぞくぞくとした快感と震えがレティレナの背筋を駆け上る。
しとどに濡れた秘裂に固くて滑らかな熱が押しつけられた。
レティレナの両膝の内側に手を入れて固定すると、ランバルトは腰を進めはじめた。
「あううっんぅ……いっ」
「深呼吸をして。そう、ゆっくり」
言われたとおりに深呼吸して息を吐き出す度に、めりめりと処女地を切り開きランバルトが挿ってくる。宣言通り、ランバルトは決して止めなかった。
あんなに太い指が三本も出入りをしていたというのに、ランバルトの長大な雄は中々進まない。入っては戻りを繰り返し、その度に襞を巻き上げくさむらと花芽をこすり上げていく。痛さと花芽を苛まれる生々しい快感を同時に味わい、レティレナの意識が遠のきかけた頃、身体が奥にあたる感覚を拾った。
「あ、ぜんぶはいった……?」
「ごめん、もう少し」
「うああぁあん!」
ぐちゅっと卑猥な音を立てて、腰を引きよせるようにして最奥を更に穿たれた。
最奥だと思ったところを押しつぶすように突き上げて収まり、隙間なくぴっちりとレティレナの蜜壺を満たすランバルトの剛直は、時折どくりと震え血管やごつごつした感覚を否応なく伝えてくる。
「これで、全部」
「さっき、もう少しって言ったのに。……全然少しじゃなかった」
「ああうん。すまない」
ぐずぐずと泣くレティレナに、ランバルトが羽のような口づけを落とす。あやすように。耳朶を甘く噛んだり、胸や腰を優しく撫でる。
労りながらも、レティレナを解放しない。
レティレナの呼吸が落ち着くと、徐々に抜き差しをはじめ、二人の合わせ目からは密やかな水音が響き始めた。
「んっんっふうっ」
「痛い?」
「へっいき……」
本当はまだちょっと痛い。けれど、意地っ張りのレティレナは少しだけ強がった。それに何より、真剣な眼差しで痛みに耐えるようなランバルトを真下から凝視していると、そんなことどうでも良くなってくるから。
「んっ。意地っ張りめ」
けれどやっぱりランバルトにはお見通しのようで。
右手を互いの身体の間に滑り込ませ、愛液で濡れそぼりぷくりと主張するレティレナの花芽が強く擦られる。
「ふえ、あぁあんっ……」
先ほど散々覚え込まされた花芽への刺激に、レティレナの身体がはねる。潤いが溢れ、二人の結合部からシーツへと雫がぱたぱたと落ちた。
最奥を雄芯で押しつぶすように貫く度、いつしかレティレナの口から、途切れ途切れの嬌声が漏れるようになった。信じられないことに、レティレナは一番奥で快感を拾い始めているらしい。
「レティ、まだ痛い? ここで止めた方がいいかな」
「あ、んんっわかんなっい。でも止めちゃだめえ!」
まるで離さないとでも言うように、レティレナの蜜壺がランバルトを締め付ける。ランバルトはそんなレティレナに応えるように、先ほどから特に一段高い嬌声の上がる腹側の手前と、最奥を特に強く先端で擦る。
上気した顔は緩み、瞳は潤んでいる。
レティレナの片足を左肩に担ぎ、さらに結合を深めた。
「あっあっあっそれ、だめえええええ!」
上がったのは、明らかな絶頂の嬌声。
膣内の襞が痙攣し、最奥へと引き込むように絞り上げられる。
飲まされた酒のせいにしてしまいたいが、どう考えてもレティレナの痴態に引っ張られて、ランバルトも終わりが近づいていた。
「レティレナ、次は一緒にイくんだ。いいね?」
「あ……まって、だってもう……イってるのに……んんっ!」
「二人でならもっと先にいける」
「だめ……いま、奥はだめえっ!!」
ランバルトが勢いよく屹立を突き入れると、最奥で先端が子宮口に口づけた。ちゅうちゅうと無意識のレティレナの肉体に子種をねだられ、いよいよランバルトの腰も震える。
「またくるっ。ランバルトッ、ひゃんっ! ……うあっ」
先ほどよりも更に大きな波が、ひたひたと近づいてくる。ひとりでやり過ごすのが怖くなるほどの快感の高まりに、恐怖すら覚えた。
レティレナが必死で訴えるのに、ランバルトの抽挿はさらに激しさを増すばかり。
最奥に叩きつけるように、素早く抜き挿しをされ、レティレナの尻とランバルトの腰がぶつかり音を立てる。
「ひゃああぁぁあああああん!」
「レティレナ……くぅっ……」
レティレナが真っ白な世界に飲み込まれるのと同時に、ランバルトも射精感に襲われる。最奥での吐精の誘惑に負けそうになりながら、震える手で雄を引き抜いた。追いすがる秘肉から先端が抜け出すとき、ちゅぽっと惜しむような音がして、ランバルトは胴震いする。
白濁した飛沫は、まだ絶頂の痙攣にうねるレティレナの薄い腹の上にどくどくと吐き出された。
吐き出してもまだ熱の治まらないランバルトの雄芯には、レティレナの破瓜の証が筋を残していた。
レティレナの身体を拭き清め、自らも寝支度を調え、その上で寝台の中で彼女を抱き込んだランバルトは、気遣いながらも満面の笑みだ。
とろんと下がった目蓋は眠そうで、最高に機嫌が好さそうに見える。
レティレナも、きっと同じような顔をしているのかもしれない。身体の違和感は消えないのに、満ち足りていて、心地よくて幸せだから。
だから、ちょっと素直にお願いをしてみることにした。
「ねえランバルト」
「んん?」
「今夜はいなくならないで……目を覚ましたら傍に居てくれる?」
今朝目覚めて一番に目にしたのはランバルトではなかった。
仕方のないことなのに。そのあとすぐに顔を見せてくれたのに。
それでも、あったはずの温もりが抜け落ちていたことに、レティレナの乙女らしい部分が少しだけしょんぼりとしたのだ。
目蓋を開けて一番に目にするのは、愛する人の無防備な姿がいい。
「もちろん。その代わり、俺が城裏の森に埋められないよう、祈っていて欲しいな」
面白そうに、けれどちょっとだけ困ったように言うランバルトに、レティレナは目を細める。
「一体誰がランバルトを埋めるっていうの? モスのお宝じゃあるまいし。そんな人がいるなら、私がとっちめてあげる」
枕に顔を押しつけたランバルトの笑い声が聞こえた。
そうして、顔を上げたランバルトの胸元に抱きしめられる。
「まあ、明日の朝のお楽しみということで」
そんな風に抱きしめられながら眠りについたレティレナは、翌朝剣を持ち出しランバルトを連れ出そうとする末の兄や、「いや、埋めるのは結婚式を終わらせてからにしよう。新郎がいなくなる」などと笑顔で青筋を立てる上の兄達を宥めるのに苦労する羽目になった。
ちなみに全員二日酔いだったので、ランバルトは何とか無傷で生還した。
脚の間にランバルトの頭を挟み込むような形になりながら、レティレナは何度も嬌声をあげた。指を二本、三本と増やされ、舌で直接花芽を愛撫され、生理的なものなのかそうじゃないのか、まなじりを伝う涙のスジが途切れない。
もう何度となく絶頂を極め、愉悦から降りてこられない。
わなわなと立てられた両の太腿が震え、達していることを伝えるのに、それでも身体の中心が満たされない。行き場のない熱を抱え込み、レティレナが首を左右に振る。
満たして欲しいのか、解放して欲しいのか。それとも、もう全て投げ出して終わりにして欲しいのか。自分でも分からず、レティレナは自らを苛み、そして解放できる唯一の人を呼ぶ。
「ランバルト……もう、もう」
両手を伸ばすと、ランバルトが上から覆うように身体を重ね、口づけた。
その逞しい身体に、しがみつくように両手を回す。
もっと側にいきたい。身体という距離さえ邪魔で。表現しようのない熱ともどかしさに、レティレナは囚われた。
「レティ。たぶん、痛いと思う。もし嫌なら……」
「ここで止めたら、嫌いになるんだから。ばかランバルト」
「ははっそれはそれは。――痛がっても抵抗しても、絶対にやめない」
ぎらぎらと肉食獣のように獰猛な輝きの瞳に見つめ返された。
人によっては怖れを感じるような視線に、レティレナは自然と微笑んでいた。それをランバルトの灰色の瞳に映る己の姿で知る。こんなところで止められてしまったら、足りないものを埋めてくれなかったら、それこそ許さない。
こくりと無言で頷くと、ランバルトが獲物に襲い掛かる寸前のように目を眇める。それだけで、ぞくぞくとした快感と震えがレティレナの背筋を駆け上る。
しとどに濡れた秘裂に固くて滑らかな熱が押しつけられた。
レティレナの両膝の内側に手を入れて固定すると、ランバルトは腰を進めはじめた。
「あううっんぅ……いっ」
「深呼吸をして。そう、ゆっくり」
言われたとおりに深呼吸して息を吐き出す度に、めりめりと処女地を切り開きランバルトが挿ってくる。宣言通り、ランバルトは決して止めなかった。
あんなに太い指が三本も出入りをしていたというのに、ランバルトの長大な雄は中々進まない。入っては戻りを繰り返し、その度に襞を巻き上げくさむらと花芽をこすり上げていく。痛さと花芽を苛まれる生々しい快感を同時に味わい、レティレナの意識が遠のきかけた頃、身体が奥にあたる感覚を拾った。
「あ、ぜんぶはいった……?」
「ごめん、もう少し」
「うああぁあん!」
ぐちゅっと卑猥な音を立てて、腰を引きよせるようにして最奥を更に穿たれた。
最奥だと思ったところを押しつぶすように突き上げて収まり、隙間なくぴっちりとレティレナの蜜壺を満たすランバルトの剛直は、時折どくりと震え血管やごつごつした感覚を否応なく伝えてくる。
「これで、全部」
「さっき、もう少しって言ったのに。……全然少しじゃなかった」
「ああうん。すまない」
ぐずぐずと泣くレティレナに、ランバルトが羽のような口づけを落とす。あやすように。耳朶を甘く噛んだり、胸や腰を優しく撫でる。
労りながらも、レティレナを解放しない。
レティレナの呼吸が落ち着くと、徐々に抜き差しをはじめ、二人の合わせ目からは密やかな水音が響き始めた。
「んっんっふうっ」
「痛い?」
「へっいき……」
本当はまだちょっと痛い。けれど、意地っ張りのレティレナは少しだけ強がった。それに何より、真剣な眼差しで痛みに耐えるようなランバルトを真下から凝視していると、そんなことどうでも良くなってくるから。
「んっ。意地っ張りめ」
けれどやっぱりランバルトにはお見通しのようで。
右手を互いの身体の間に滑り込ませ、愛液で濡れそぼりぷくりと主張するレティレナの花芽が強く擦られる。
「ふえ、あぁあんっ……」
先ほど散々覚え込まされた花芽への刺激に、レティレナの身体がはねる。潤いが溢れ、二人の結合部からシーツへと雫がぱたぱたと落ちた。
最奥を雄芯で押しつぶすように貫く度、いつしかレティレナの口から、途切れ途切れの嬌声が漏れるようになった。信じられないことに、レティレナは一番奥で快感を拾い始めているらしい。
「レティ、まだ痛い? ここで止めた方がいいかな」
「あ、んんっわかんなっい。でも止めちゃだめえ!」
まるで離さないとでも言うように、レティレナの蜜壺がランバルトを締め付ける。ランバルトはそんなレティレナに応えるように、先ほどから特に一段高い嬌声の上がる腹側の手前と、最奥を特に強く先端で擦る。
上気した顔は緩み、瞳は潤んでいる。
レティレナの片足を左肩に担ぎ、さらに結合を深めた。
「あっあっあっそれ、だめえええええ!」
上がったのは、明らかな絶頂の嬌声。
膣内の襞が痙攣し、最奥へと引き込むように絞り上げられる。
飲まされた酒のせいにしてしまいたいが、どう考えてもレティレナの痴態に引っ張られて、ランバルトも終わりが近づいていた。
「レティレナ、次は一緒にイくんだ。いいね?」
「あ……まって、だってもう……イってるのに……んんっ!」
「二人でならもっと先にいける」
「だめ……いま、奥はだめえっ!!」
ランバルトが勢いよく屹立を突き入れると、最奥で先端が子宮口に口づけた。ちゅうちゅうと無意識のレティレナの肉体に子種をねだられ、いよいよランバルトの腰も震える。
「またくるっ。ランバルトッ、ひゃんっ! ……うあっ」
先ほどよりも更に大きな波が、ひたひたと近づいてくる。ひとりでやり過ごすのが怖くなるほどの快感の高まりに、恐怖すら覚えた。
レティレナが必死で訴えるのに、ランバルトの抽挿はさらに激しさを増すばかり。
最奥に叩きつけるように、素早く抜き挿しをされ、レティレナの尻とランバルトの腰がぶつかり音を立てる。
「ひゃああぁぁあああああん!」
「レティレナ……くぅっ……」
レティレナが真っ白な世界に飲み込まれるのと同時に、ランバルトも射精感に襲われる。最奥での吐精の誘惑に負けそうになりながら、震える手で雄を引き抜いた。追いすがる秘肉から先端が抜け出すとき、ちゅぽっと惜しむような音がして、ランバルトは胴震いする。
白濁した飛沫は、まだ絶頂の痙攣にうねるレティレナの薄い腹の上にどくどくと吐き出された。
吐き出してもまだ熱の治まらないランバルトの雄芯には、レティレナの破瓜の証が筋を残していた。
レティレナの身体を拭き清め、自らも寝支度を調え、その上で寝台の中で彼女を抱き込んだランバルトは、気遣いながらも満面の笑みだ。
とろんと下がった目蓋は眠そうで、最高に機嫌が好さそうに見える。
レティレナも、きっと同じような顔をしているのかもしれない。身体の違和感は消えないのに、満ち足りていて、心地よくて幸せだから。
だから、ちょっと素直にお願いをしてみることにした。
「ねえランバルト」
「んん?」
「今夜はいなくならないで……目を覚ましたら傍に居てくれる?」
今朝目覚めて一番に目にしたのはランバルトではなかった。
仕方のないことなのに。そのあとすぐに顔を見せてくれたのに。
それでも、あったはずの温もりが抜け落ちていたことに、レティレナの乙女らしい部分が少しだけしょんぼりとしたのだ。
目蓋を開けて一番に目にするのは、愛する人の無防備な姿がいい。
「もちろん。その代わり、俺が城裏の森に埋められないよう、祈っていて欲しいな」
面白そうに、けれどちょっとだけ困ったように言うランバルトに、レティレナは目を細める。
「一体誰がランバルトを埋めるっていうの? モスのお宝じゃあるまいし。そんな人がいるなら、私がとっちめてあげる」
枕に顔を押しつけたランバルトの笑い声が聞こえた。
そうして、顔を上げたランバルトの胸元に抱きしめられる。
「まあ、明日の朝のお楽しみということで」
そんな風に抱きしめられながら眠りについたレティレナは、翌朝剣を持ち出しランバルトを連れ出そうとする末の兄や、「いや、埋めるのは結婚式を終わらせてからにしよう。新郎がいなくなる」などと笑顔で青筋を立てる上の兄達を宥めるのに苦労する羽目になった。
ちなみに全員二日酔いだったので、ランバルトは何とか無傷で生還した。
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