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御縁があらんことを
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~巫姫神社~
「ようこそ、私の社へ」
そう言った彼女、巫姫殿は隣をポンポン叩いて3人に座るよう勧めてきた。
しかし3人の前で笑っているのは多くの人に信仰され、明らかに人より格上である存在。自然と躊躇ってしまう。
「さあさ、どうぞどうぞ」
そう巫姫殿に急かされ、足踏みしていた3人もようやく隣に並んで座った。
それを見て彼女が口を開く。
「私に話しかけてくる人間なんて久しぶりですねぇ」
言いながら目を細めて耳と尻尾をフリフリ振っている彼女。3人の訪れを本当に喜んでいるようだ。
「久しぶり……?」
「ええ。ええ!あれは少し前、いや、貴方からすれば随分前でしょうか……。」
3人はこの時思い出していた。
これは老人が長話をし始める前兆だと。
ところがその予想は良い方向に外れた。
「いえ、まあ……、止めておきますかね。その人に話が長いと言われたので。」
と、少しウズウズしながらも話を止める。
御狐様の御言葉に向かって、長いと文句を垂れる。
そういうことを平気で出来る人に3人は心当たりがあった。
「あの、因みにその人とはどなたですか?」
「おお、聞いてくれますか。」
「忘れもしない。あの場で一番、命を燃やしていたのは彼女だった。」
「いや、もう何人かこの巫姫殿の目に映った者もいたかな?」
コホンっ
「まあとにかく。その人間はネイルアという名でした。」
ダメ元で訪ねた神社は大当たりのようだ。
巫姫殿は3人の表情が変わったのを見て不思議そうな顔をする。
「もしや…ご存知でした?」
「…はい!私達はネイルアを知る人を探してここに来たんです。」
「…!なるほど…これも縁というものですかねぇ。」
「狐は鼻が利くんです。懐かしい匂いがすると思ったらそういうことでしたか。ネイルアは健在ですか?」
それに3人は顔を見合わせて、これまでの経緯を話し始める。
その間巫姫殿は穏やかな表情でそれを聞いていた。
そして話が終わると、目をつぶって「そうですか」とだけ零す。
「……巫姫殿様……?」
心配そうにエアが声を掛けると、巫姫殿は目を開いて力強く応えた。
「分かりました。私も貴方方にお力添えしましょう。」
「なら、一緒に……」
「ですが私はここから離れられません。私を信じ、畏れ、仕える人間達を見捨てる訳には参りませんから。」
「ですから……あら?」
彼女突然話すのを止め、鳥居よりもっと遠くの方に視線を向けた。
「これも……縁……ですかねぇ……。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Side ネイルア
エリオとの話はついた。人魚の中で実力者ともなれば相当な戦力になるだろう。
次に会いに行くのは……。
ここからだと……巫姫の神社が一番近いな。
彼女はあれでも3大妖狐の一角を担っている。共闘してくれれば心強いが、彼女が神社を離れるだろうか。
いや、説得しなければいけない。
しかし奴らも、もう私の位置を特定したか。
浜辺に上がる直前に襲ってくるとは。
もっとももう全て片付けたが。
剣を払って異空間に戻す。
「さて、神社に向かうか……。」
「ようこそ、私の社へ」
そう言った彼女、巫姫殿は隣をポンポン叩いて3人に座るよう勧めてきた。
しかし3人の前で笑っているのは多くの人に信仰され、明らかに人より格上である存在。自然と躊躇ってしまう。
「さあさ、どうぞどうぞ」
そう巫姫殿に急かされ、足踏みしていた3人もようやく隣に並んで座った。
それを見て彼女が口を開く。
「私に話しかけてくる人間なんて久しぶりですねぇ」
言いながら目を細めて耳と尻尾をフリフリ振っている彼女。3人の訪れを本当に喜んでいるようだ。
「久しぶり……?」
「ええ。ええ!あれは少し前、いや、貴方からすれば随分前でしょうか……。」
3人はこの時思い出していた。
これは老人が長話をし始める前兆だと。
ところがその予想は良い方向に外れた。
「いえ、まあ……、止めておきますかね。その人に話が長いと言われたので。」
と、少しウズウズしながらも話を止める。
御狐様の御言葉に向かって、長いと文句を垂れる。
そういうことを平気で出来る人に3人は心当たりがあった。
「あの、因みにその人とはどなたですか?」
「おお、聞いてくれますか。」
「忘れもしない。あの場で一番、命を燃やしていたのは彼女だった。」
「いや、もう何人かこの巫姫殿の目に映った者もいたかな?」
コホンっ
「まあとにかく。その人間はネイルアという名でした。」
ダメ元で訪ねた神社は大当たりのようだ。
巫姫殿は3人の表情が変わったのを見て不思議そうな顔をする。
「もしや…ご存知でした?」
「…はい!私達はネイルアを知る人を探してここに来たんです。」
「…!なるほど…これも縁というものですかねぇ。」
「狐は鼻が利くんです。懐かしい匂いがすると思ったらそういうことでしたか。ネイルアは健在ですか?」
それに3人は顔を見合わせて、これまでの経緯を話し始める。
その間巫姫殿は穏やかな表情でそれを聞いていた。
そして話が終わると、目をつぶって「そうですか」とだけ零す。
「……巫姫殿様……?」
心配そうにエアが声を掛けると、巫姫殿は目を開いて力強く応えた。
「分かりました。私も貴方方にお力添えしましょう。」
「なら、一緒に……」
「ですが私はここから離れられません。私を信じ、畏れ、仕える人間達を見捨てる訳には参りませんから。」
「ですから……あら?」
彼女突然話すのを止め、鳥居よりもっと遠くの方に視線を向けた。
「これも……縁……ですかねぇ……。」
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Side ネイルア
エリオとの話はついた。人魚の中で実力者ともなれば相当な戦力になるだろう。
次に会いに行くのは……。
ここからだと……巫姫の神社が一番近いな。
彼女はあれでも3大妖狐の一角を担っている。共闘してくれれば心強いが、彼女が神社を離れるだろうか。
いや、説得しなければいけない。
しかし奴らも、もう私の位置を特定したか。
浜辺に上がる直前に襲ってくるとは。
もっとももう全て片付けたが。
剣を払って異空間に戻す。
「さて、神社に向かうか……。」
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