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魔獣使い
しおりを挟む「フレイミィが発生源見つけたって」
「流石フレイミィだな。で、どうする。合流した方がいいよな」
「発生源に着いたら魔法弾を打ち上げるように言ったから、様子を見ましょう」
ヴェティヴィアがしばらくして再度入った通信を切って、エアと背中合わせに戦闘を再開する。
しばらく肉を切り裂く男、唸り声、掛け声だけが続いた後、
ヒューーーー
と、遠くから音が聞こえて、
直後、空に花火よりやや小さな星の花が咲いた。
ガラスが割れるように、それがキラキラと散るのは早かったが、それで充分だ。
「あそこだ!行くぞ!」
「了解!」
二人は接近している敵をある程度蹴散らすと、その場を速やかに離脱して、一点を目指して駆け出した。
道中を塞ぐ木や魔物を、出来うる限り無視して、只只駆ける。
当然の如く身体能力を強化している二人が、フレイミィの後ろ姿を見つけるのには、そう時間がかからなかった。
「フレイミィ!」
ヴェティヴィアが呼びかけ近づくが、フレイミィがそれを片手で制す。
それに反応して二人は立ち止まる。
見れば、フレイミィの表情は険しい。
すぐさまフレイミィの目線を追った、その先には……
「パラディンの猟犬?」
姿は似ているが、元の世界で遭遇したものより二回り以上大きい。
しかし、そこにいるのはそれだけではない。
三つ首全ての牙を剥いて3人に唸ってくる黒い犬。
禍禍しい刻印の入ったそのケルベロスは、黒い霧を纏っていた。
しかもそれが2頭いる。
更にはその周りを、先程から大量に居た魔物も囲んでいる。
そして、その奥には、黒いフードで顔を隠した人間と思わしきものが立っていた。
「あいつが操っているのか」
エアがつぶやく。
「それだけじゃない。多分、あいつが魔物を生み出してる……」
それにヴェティヴィアが答える。
「エア」
敵を見つめていたフレイミィが振り返らずに言う。
「ネイルアを探しに行って。多分この森のどこかにいる」
「……根拠は?」
「街で聞いたの。この森のどこかに古城がある」
「……なるほど。分かった」
一連の会話を聞いていたヴェティヴィアが言う。
「何故エアに?それに、こんな森じゃ迷子になるわ」
「大丈夫だよヴェティヴィア。俺は、絶対に森で迷わない」
エアのそう言い切る様子に、ヴェティヴィアは糸とメスを構える。
「分かったわ。ネイルアをお願い」
「二人も、無理はするな」
「わかってる」「了解」
二人の返事に頷いて、すぐに森にまぎれたエアを確認したフレイミィとヴェティヴィアは戦闘態勢に入る。
と、同時に、重い、男の声が前方から聞こえた。
「……ネイルア」
二人とも警戒して耳を澄ませる。
「ネイルアと言ったな……。やはりこの近くにいるんだな?」
二人は答えない。だがその男の口調は独りでに変化していった。
「ああ!ネイルア!やっと見つけた!私の女神!」
「私の!私の!!ここで手に入れる!ようやく私の願いは叶いたり!!」
二人はその気味の悪い狂気にあてられて、顔をしかめた。
「あいつやばい……」
「フレイミィ……」
「分かってる。ネイルアには1歩も近づけさせない」
「今ここで始末するわよ」
「うん」
二人は得物を手に目の前の男に、その周りの魔獣に駆け出す。
同時にケルベロスや猟犬達が咆哮をあげた。
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