「LGBT」というレッテルを貼られて。

千石杏香

文字の大きさ
100 / 106
STOP!! LGBT法案!!

3.与党案も危険性に変わりはない。

しおりを挟む
(著者註:このエピソードの内容は、執筆時――2022年のものです。2023年に成立したLGBT理解増進法についての解説は、次章の「LGBT法案可決。我々は何をすべきか?」をご覧ください。)

野党案に批判的な性的少数者でも、与党案には無警戒な傾向にある。

だが、与党案も危険な内容であることに変わりない。これは、越境性差トランスジェンダーと活動家のための法律であり、女性や子供を危険に晒すという点では野党案と同じだ。

野党案とは違い、与党案は「理解を促進させる法律」だと言われる。しかし、「性的指向および性自認による差別は許されない」という一文は、与党案の第一条・第三条にもある。

第一条は法案の「目的」を定める。すなわち、「差別は許されない」という認識の下、理解促進に関する施策・基本理念・基本的な事項を定め、多様性に寛容な社会を作ることだ。

第三条は「基本理念」を定める――「性的指向・性自認に関わらず個人として尊重される」という理念と「差別は許されない」という認識のもと、「人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを旨としなければならない」こと。

しかし、「差別とは何か」「どのような施策が必要か」については明確にされていない。どうとも解釈できる内容となっている。

特に問題となるのは、「性自認の定義とは何か」「それに基づく差別とは何か」だ。

与党案では、「性自認」の定義は「性同一性の有無又は程度に係る意識」となっている(第二条二項)。

「性自認」ではなく、「性同一性」という言葉を遣っているから与党案は素晴らしいと言う人がいる。「性同一性」の「同一性」とは、「身体との同一性のこと」と解釈できるというのだ。

しかし、「性同一性」も「性自認」も Gender Identity の訳語だ。そうではないなら、「性同一性障碍」は Gender Identity Disorder の翻訳ではなくなる。加えて言えば、性同一性のと言ってしまえば野党案と変わりない。

重要なのは、第四条から七条だ。

第四条・第五条では、国と自治体が行なうべきことが記されている――すなわち、性的指向・性自認の多様性に関する理解を促進させる施策を実施すること。

第六条・第七条は、事業主との役割について定める――「多様性の普及啓発、環境の整備、の確保」と、国と地方の施策に協力することなど。

「多様性の理解を増進する施策」とは何か?

要するに、活動家を遣うことだ。

のである。

当初、松岡宗嗣などのLGBT活動家は、野党の差別撤廃法を推し、与党の理解促進法を批判していた。だが野党案の雲行きが怪しくなると、与党案を急に推し始める――この法案によって得られる恩恵を理解しているからだ。

しかし、一般的な同性愛者や両性愛者に、この法案の恩恵はあるだろうか。

恐らくは、ほとんどない。事実、大多数の「L・G・B」は、自分の性的指向について職場や学校で話す必要を感じていないだろう。様々な問題があるのは圧倒的に越境性差トランスジェンダーのはずだ。

特に、教育機関に置かれる「相談の機会」が何なのか気になる。

越境性差トランスジェンダーにされたり、越境性差トランスジェンダーを名乗りだしたりする思春期の子供が増えていることは既に述べた。思春期ともなれば、様々な「ゆらぎ」が訪れる。もし法案が通されたら、LGBT活動家が彼らの相談相手となるだろう。

特に女の子の場合、変わり者であることの悩みが性別の悩みに直結し易いようだ。イギリスのタビストック医院では、未成年の患者の大多数が少女であり、35%がASDであった。

加えて言えば、女性ホルモンや男性ホルモンは通信販売で簡単に手に入る。中高生のお小遣いで買うことも可能だ。性別に悩みを抱え、LGBT活動家の助言によって越境性差トランスジェンダーであることを確信した子供が、ホルモン剤に手を伸ばしてしまう可能性も大きい。

そのくせして、野党案にも与党案にもが一切ない。越境性差トランスジェンダーに対して行なわれる医療(ホルモン治療など)や医療従事者への教育については何も書かれていないのだ。

これではやりたい放題になってしまう。

第九条――これらの杜撰な条文に基づき、政府は「基本計画」を立てなければらない(第一項)。「基本計画」の案は内閣総理大臣が作成し、閣議で決定される(第三・第四項)。必要があると認められるときは、各行政機関の長に対して、資料の提出・「その他の協力」を求めることができる(第五項)。

加えて、社会情勢の変化にともない、おおむね三年ごとに「基本計画」は検討される。必要があるときはこれを変更しなければならない(第六項)。

つまり、今はまだ反対意見が大きいものも、三年ごとに検討されるということだ。

第十条では、性的指向・性自認の多様性・および国民の理解について政府が調査するとある。第十一条では、その調査結果に基づき、教育・学習の振興・広報活動などを通じた知識の普及活動を国および地方公共団体は行なわなければならないと定める。

具体的に「どのような」施策を進めるべきかは政府の匙加減による。

女性スペースの開放や子供の医療について批判の声が上がれば、危険な施策は停止される可能性はある。だが、そうではない可能性も高い。

実際、海外で性別を変更した「ペニスのある女性」は既に入国している。そんな彼らが、女性スペースを使えないのは差別だと言った時どうなるのか。また、国際連合などの外圧によってこの法案は作られたことを忘れてはならない。駐日アメリカ大使も、LGBT法を作るよう積極的に勧めている。

最後に――付則第一条では、「この法律は、公布の日から施行する」とある。普通、法律は公布から施行まで一定期間が置かれるはずだ。なぜそこまで急いだのだろう?

この法案が検討されていたのは、東京オリンピックの直前だった。恐らくは、「多様性に理解のある日本」を国際的にアピールしたかったと思われる。加えて、どうも急いで利権を得たい人がいたのだろう。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
 漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。  漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。  陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。  漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。  漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。  養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。  陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。  漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。  仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。  沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。  日本の漁師の多くがこの形態なのだ。  沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。  遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。  内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。  漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。  出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。  休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。  個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。  漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。  専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。  資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。  漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。  食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。  地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。  この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。  もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。  翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。  この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...