触れて、喘いで

向日葵

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先ほどまで快楽を逃しまいとキツく締め付けていたナカは、持主が意識を飛ばすと同時にゆるく締めつける動きに変わった。
まだ敏感に動きに合わせてゆるく痙攣する中を少しだけ味ってから陰茎を引き抜く。

満足とは程遠いものの、久々に感じた愛する人の体温に安らぎを覚える。

付き合いを始めてからこんなに長く離れて過ごす日々は初めてで、卒業に必要な研究報告会で無ければ確実に行かなかったであろう2週間という時間はいつもと違うスパイスをもって結果的には良い時間だったと言えなくもない。

始まる前までは同じゼミにさえ、所属できれば…といくら悔やんでも自分のくじ運のなさを再確認するだけに終わっていたこの期間。

高校1年から続いている、ヒナとの関係はもう今年で4年目になる。
自分ではこの現状に何も不満はないが、感情をあまり出さないヒナの方は何を思っているのか推測しきれない時もあって

惰性で一緒に居てくれるのではないかと疑心暗鬼にもなったりした。

けれど

(今日のヒナは、感情ダダ漏れだったな…)

ついさっきまで広げられていた光景を思い出すだけで笑みが浮かぶ。

3日と明けず、身体を重ねてきていたヒナの身体が2週間の禁欲という日々に耐えられることは少ないと思っていた。
でも想像した以上にヒナの身体は熱を燻って、自分では触れたことすらない後孔に指を沈めるほどの極限状態のなか俺の洋服に埋もれて涙を流すヒナの姿はその絵面だけで射精してもおかしくない衝撃を与えた。

(さて、と…)

脳裏に浮かぶ追想もそこそこに、深く眠るヒナへと視線を戻す。

この日々で少し痩せたように、より骨が目立つようになった頬を手の甲でそっと触れる
泣き過ぎて重くなった瞼も多くの汗によって張り付いた前髪もすべて自分のために向けられた感情の痕跡だと思うと光惚とした感情が胸に広がる。

下着だけを履き直し、ぐちゃぐちゃに乱れたシーツに眠る身体を抱きあげる。
限界を超えてもなお、弄り抜かれたヒナの身体は多少の振動では起きる気配もなく、お風呂場へと歩を進める。

中に置かれた椅子へと一緒に腰掛け、片手を伸ばして蛇口を捻る。
風呂の空気の冷たさのせいか、ふるりと身体をを震わせて
さらに身を寄せるヒナを見つめて肩を抱き直す。

「明日からまた、一緒にご飯食べようね」

後処理を丁寧に済ませて、ずいぶんと薄くなってしまった身体を厚手のバスタオルで抱き留めると素肌のままもう1室ー普段は使うことのないヒナの部屋のベットへと横たわる。

その瞳が開いて、おはようと声を紡ぐまで
ただ傍にいようと心に決めた。
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