前世の記憶そのままのオッサンが転生したら

ぬっこさん。

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町デート続き(白目)

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マサキは店の外に出て、先程買ったタバコを手に見つめている。

「これが二千五百円……だと……」

 この世界では嗜好品は高価である。
逆に、生活に必要な物や旅や冒険、魔物退治に使われる物は比較的安価だった。

「高いよねぇ~……それ一箱で殆ど例の魔虫一匹分だよぉ~……」
ジト目で見ながらティナが言った。

「マジか!」
(これ一箱があのキモい幼虫と同等となっ!!これじゃ喫煙者が少ないのも納得だな……)

「まぁ、今回は収入も有ったし特別だよぉ~!もし次に吸いたくなったら、自分で稼いで買ってね!(はぁと)」

「ハイ……(白目)」

 今は後の事を考えずに吸おうと、箱を逆さまにして掌で軽き、叩き封を開けた。
(お、両切りじゃ無くて良かった……)
 ポンポンと箱の天辺を叩いて1本出し、口にくわえて魔法で火をつける。
(ライター要らないのは便利だな!)

 久しぶりの喫煙なので最初は軽く吸ってみた。
パチパチと葉の燃える音と共にオレンジ色の火種が大きくなる。

白い煙を吐きながらマサキは言った。
「ふぅ~……うまい!」
(普通のマル○ロ位のキツさかな?)

「そんな煙何処が良いんだか?」

 ティナはそんな否定的な意見を言いながらも笑顔で見ていた。

火種を踏んで消し吸殻をポケットにしまうと
「何でそんな物、ポケットにしまってんの?」
とティナが聞いてきた。

「いや、普通ポイ捨てやっちゃ駄目だろ?」

「え?」
ポカーン顔のティナ。

「いやいや!その辺に捨てちゃ駄目だろ。」

凄く意外そうな顔をして
「へぇ~!そんな所はちゃんとしてるのね!」と背伸びをしながらマサキの頭を撫でようとするが、手が届かずおでこ辺りをポンポンした。

「なにしてんの?」
(ティナさんや、俺をどんな風に今まで見てたんだ?)

ティナが不可思議な動きをしたのでマサキは聞いた。

「え?偉いからヨシヨシってしようと思ったけど、手が届かなかったよぉ~!」

「なるほど! こうしたかったんだな!」と言い、逆にティナの頭を撫でた。

「子供扱いしないでよぉ~!」
上目遣いでわざと怒った顔をしてティナは言った。

(その上目遣い頂きましたぁ~!)


 ティナが、ハーブと薬草のお店に行きたいと言うのでそのままついて行くことにする。
 そこは「ハーヴィー」と云う名前のアロマハーブとハーブティーのお店であった。
 内職でティナが作ったお香やハーブエッセンス等を卸しているとの事で、町に来たら必ず顔を出すと言っていた。

(所謂営業って感じだよなぁ……)

 今回は町に来たついでに、材料の仕入れと売れ行き等を聞くらしい。

「おばちゃん!こんにちは~!」
ドアを開けると、掛けられていた鈴がチリンチリンと鳴りハーブの香りに出迎えを受けた。

「いらっしゃいま、あっらぁ~!ティナちゃん!今日は一体どうしたのよ~!お客かと思ったじゃないの~!」

 この、声の大きくて恰幅の良い、いや、マシュマロ系おばちゃんはこの店の店主ポーラさんと言って、ティナがハーブに興味が出てきた頃から知っている人だ。

「役所に用事があって町に来たので寄ってみました!」
楽しげにティナは言った。

「そ~なのぉ~!大変だったわねぇ~!それに役所は待つから嫌よねぇ~!」
ウンウンと頷きながらポーラさんは話をする。
(いちいちリアクションがデカイな!この人www)

ティナは「や~……そうですねぇ~……」等と相槌を打っている。

「あ、そうだ!」
パン!と手を叩きポーラさんは店の奥に入って行く。

「ん?」二人顔を見合わせて暫く待つと、「コレでも飲んで行ってよねぇ~!」とポーラさんはティーセットを持って来た。

「そちらの方もお話を伺いたいですしねぇ~!(ニヤリ)」

(あ~……面倒な事にならなきゃ良いんだけど…とは言えティナの手前もあるからなぁ……)

 チラッとティナを見ると「諦めて!」の顔をしていた。
(なんか、以前より大分考えてる事が読めるようになって来た気がする……とうとう俺もニュータイプの力に目覚めたのか?)

「あはははははははは!」
一同、それぞれの思惑で笑いがシンクロする。

(こえーよ!こえーよ!)



「改めて、私はこの店の店主をやっているポーラよ!貴方が蔵棚さんね?(ドヤ顔)」

「えっ!?何で自分の名前を?」
と焦りながらポーラに問うマサキ。

「いやぁねぇ~!ティナちゃんったら来る度に最近貴方の事ばかり話してねぇ~!」

ポーラはティナに向き同意を求めるように話を進める。

するとティナは「おばちゃん!もぅ止めてったらぁ~!」
と俯きながら懇願した。

(うはっ!なに?この攻略ルート入った様な展開シチュは!)

「ま、冗談はさて置き、貴方の話は聞いてたもんだから、一度はウチに連れてきて頂戴!って頼んでたのよねぇ!」

 ポーラはいちいち確認を取るようにティナに向き直る。

(まさか……ハメ……られ……た……だと……?)

ドッと吹き出る冷や汗を堪えながら
「え~……旅人をやっております蔵棚と言います。ご存知の通り今はウェールズさんのお宅でご厄介になっています…(白目)」
と辛うじてマサキは自己紹介をした。

「あっらぁ~!何かしこまっちゃってぇ~!聞いてたのとは随分違うじゃない!ねぇ?」
(いや、ねぇ?じゃねーわ!いちいちティナに振るなよ!)

思惑がバレたのが不味いと思ったのか、ティナは完全に沈黙である。

「いやぁ……何とも恐縮です……(愛想笑い)」
(取り敢えず笑って誤魔化せ!)

「それでどうなのよ?貴方達!(キラキラ)」

「え?どう?とは?」
(なにいきなり初対面の相手に聞いてんだ?このオバハンは……)

「やだやぁ~……私の口からは言えないわよ!ねぇ?」

「………………………………(駄目だこの人……)」

「あらヤダ、二人して黙っちゃって!(笑)もぅ!」

二人の思惑等、何処吹く風の如くポーラの質問は続く。

(何この人……どう対応すれば良いのか解らんぞ!)

 チラッとティナを見ると横目で(ごめんなさい)の合図をしていた。

そんなティナの顔を見て「はぁ~……」とため息を吐いた後、気分を切り替え目の前のポーラへの対応策を計算し始めた。
(こうなったもんは仕方が無いか……さて、どう対応すっかなぁ……)

 出された手前、飲まない訳には行かないハーブティーを一口啜ると、言い様の無い開放感と落ち着きを取り戻した。

「あ……このお茶美味しいですねぇ……!上手く言えませんが、懐かしい感じで凄く落ち着きますね!」

 そんなマサキの評価が嬉しかったのか
「でしょ?貴方、特に初対面の人と話すのが苦手って聞いてたからねぇ~!(ドヤ顔)」

(え?ここでも俺ハメられた?……のか?)

 図星を突かれてアタフタしているマサキに
「でも良かったわ。苦手な状況に置かれても正しい判断ができる人で!」とマサキの眼を見てポーラは笑顔で言った。



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