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煙草
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マサキの右腕には先程ギルドから借りたブーストスクリーマーが装備されている。装着して直ぐに効果が現れる訳では無いらしく、前日からの貸与となった。
「今日はもうストバ開いてないな……」
本当なら明日の帰りに寄る筈だったストバの前を通り過ぎる。
「そう云うマサキだって鍛冶屋行けなかったでしょ?」
チラリとマサキを横目で見て言う。
「まぁ、そうなんだが……」
(ま、鍛冶屋の方は何時でも良いかな。)
「そう言えばハーヴィー寄るんだっけ?」
「そうそう!何か渡したい物が有るってポーラさんが言ってた。」
(どっちに宛てた言葉かは解らん。)
「何だろうね?何か旅に必要な物かな?」
「いやぁ~解らんなぁ…」
ハーヴィー迄はまだ少しあるのでポケットから煙草を取り出して魔法で火を点ける。
「あっ!!」
横に居たティナが、突然叫んだ為ビクッ!となり距離を取る。
「なによっ!急にぃ!びっくりしたじゃないの!」
立ち止まって真面目に怒っている。
「い、いやごめん!明日から旅だよな。」
「うん。それがどうしたの?」
「クロスビーさんに頼むの忘れた!」
(コレはやばい!禁断症状出るかも……)
「何を?」
「煙草。」
「え?」
言ってる意味が解らないと言う顔を見している。
「だから煙草だってば。」
「別にいいじゃんそんな物。」
「良くない!あれ無いとダメだ!」
(通算三日も禁煙なんて考えたく無い……)
「いや、大丈夫でしょ、今までも我慢出来てたんだし。」
「一回吸っちゃうと駄目なんだよ!」
(なんでわざわざ異世界に来てまで禁煙せんといかんのよ。)
「だったら、ついでにこの旅で辞めたら?」
ティナが容赦無い言葉を吐く。
「無理無理無理ぃ~!」
と言いながらスパスパ吸い、ギルドへ戻ろうとするマサキ。
そんなマサキの手を掴んで引き戻そうとするが、逆に引き摺られるティナ。
「もぅ~!遅いんだから駄目だってば!」
「いやいやいやいや!明日、荷物届けに来てくれる時に一緒に買ってきて貰えば問題ない!」
マサキはこの世界で得た久しぶりの嗜好品の為に必死である。
「そんなに大事な物ぉ?こないだ迄は、全然吸ってなくても大丈夫だったのにぃ!」
「前は前!今は今だ!」
「そんなに欲しいなら魔法で出せば良いじゃん!」
「え?」と思い力を抜く。
「あっ、馬鹿!」
踏ん張って居た所に、急に力を抜かれて盛大に尻持ちをつくティナ。
「痛たたた……急に力抜かないでよねっ!」
振り返り「ごめん。」と謝りながら手を差し出すと、スカートが派手に捲れM字開脚状態のティナであった。
(おほほほほほほほほぉ~!コレこそラッキースケベ展開!)
眼がぐるぐるになったマサキの気配を察してか、反射的に脚を閉じ、埃をはたいて自力で立ち上がった。
「馬鹿マサキ!」
「わ、わざとじゃ無いけどごめん。」
「もういいよ!馬鹿!」
(馬鹿言われるのエキサイティン!もっと言ってくれぇ~!)
「ごめん、だけど……ありがとう。」
(また脳内保存するイベントスチルが増えたぞぃ!)
「はぁ?何言ってんの?ったく馬鹿マサキぃ!」
腕を腰に当てて怒のポーズ。
「あいすみません。」
「……で、出してみれば良いじゃない。」
(怒っては居たけど、そこまで怒ってたんじゃ無いんだな。)
「やってみる。」
(煙草を思い描いて……紙と、葉っぱ、フィルターっと……)
右手を握り(イマジナリー)と意識する。
手を開くと一本の煙草が出来ていた。
「ほら、出来たじゃん!」
出来て当然のように言われる。
(え?なんでティナが威張ってんの?(笑)でも可愛いから許す!)
「ちょっと吸ってみる。」と魔法で火を点け、出来たソレを吸う。
スパー……パチパチ……
「ゴホッゲホッ!ゴホッ!なんじゃこれぇ~!」
突然のマサキの変化に躊躇いながら聞いてくるティナ。
「だめだ!こんなん煙草じゃねぇ!うわっ!まっずぅ!ゴホッ!」
余りの不味さに涙目になりながら火を消す。
「んふふ……な、なんで?見た目全然変わらないのに。」
「俺、煙草の葉っぱも知らないし、作り方とかも全く知らん!今のはただの焚き火の煙だわ!」
「ぷぷぷ……や、やっぱ馬鹿マサキだ(笑)ぶふぉ!」
笑いを堪えきれなくなり爆笑するティナ。
「だ・ま・れ。」
(くっそー……タダで煙草入手できるかと思ったのに、ぬか喜びかよ!)
「もういい!ギルド戻る。」
踵を返しギルドへの道に戻ろうとする。
「ちょ、ちょっと待ってってば!」
「待てと言われて待つ輩は居ない!」
そう言ってズンズン歩いて行くマサキ。
「いや、だから待ってってば!」
「待たぬ!」
歩みを止めないマサキ。
「ハーヴィーに行けばあるんだってばぁ~!!」
姿が小さくなっていた為、大きな声で叫ぶ。
すると、ものの二秒程で元の位置に戻りティナの肩を叩いてマサキはこう言った。
「なんだよぅ~!早くいえよぅ~!ティナさんったらお茶目なんだからァ~!(キラッ)」
ティナはその時思った。
「あ~……やっぱこの人馬鹿だわぁ~……」
そんな思いも知らず、マサキはウキウキでハーヴィーを目指したのだった。
「今日はもうストバ開いてないな……」
本当なら明日の帰りに寄る筈だったストバの前を通り過ぎる。
「そう云うマサキだって鍛冶屋行けなかったでしょ?」
チラリとマサキを横目で見て言う。
「まぁ、そうなんだが……」
(ま、鍛冶屋の方は何時でも良いかな。)
「そう言えばハーヴィー寄るんだっけ?」
「そうそう!何か渡したい物が有るってポーラさんが言ってた。」
(どっちに宛てた言葉かは解らん。)
「何だろうね?何か旅に必要な物かな?」
「いやぁ~解らんなぁ…」
ハーヴィー迄はまだ少しあるのでポケットから煙草を取り出して魔法で火を点ける。
「あっ!!」
横に居たティナが、突然叫んだ為ビクッ!となり距離を取る。
「なによっ!急にぃ!びっくりしたじゃないの!」
立ち止まって真面目に怒っている。
「い、いやごめん!明日から旅だよな。」
「うん。それがどうしたの?」
「クロスビーさんに頼むの忘れた!」
(コレはやばい!禁断症状出るかも……)
「何を?」
「煙草。」
「え?」
言ってる意味が解らないと言う顔を見している。
「だから煙草だってば。」
「別にいいじゃんそんな物。」
「良くない!あれ無いとダメだ!」
(通算三日も禁煙なんて考えたく無い……)
「いや、大丈夫でしょ、今までも我慢出来てたんだし。」
「一回吸っちゃうと駄目なんだよ!」
(なんでわざわざ異世界に来てまで禁煙せんといかんのよ。)
「だったら、ついでにこの旅で辞めたら?」
ティナが容赦無い言葉を吐く。
「無理無理無理ぃ~!」
と言いながらスパスパ吸い、ギルドへ戻ろうとするマサキ。
そんなマサキの手を掴んで引き戻そうとするが、逆に引き摺られるティナ。
「もぅ~!遅いんだから駄目だってば!」
「いやいやいやいや!明日、荷物届けに来てくれる時に一緒に買ってきて貰えば問題ない!」
マサキはこの世界で得た久しぶりの嗜好品の為に必死である。
「そんなに大事な物ぉ?こないだ迄は、全然吸ってなくても大丈夫だったのにぃ!」
「前は前!今は今だ!」
「そんなに欲しいなら魔法で出せば良いじゃん!」
「え?」と思い力を抜く。
「あっ、馬鹿!」
踏ん張って居た所に、急に力を抜かれて盛大に尻持ちをつくティナ。
「痛たたた……急に力抜かないでよねっ!」
振り返り「ごめん。」と謝りながら手を差し出すと、スカートが派手に捲れM字開脚状態のティナであった。
(おほほほほほほほほぉ~!コレこそラッキースケベ展開!)
眼がぐるぐるになったマサキの気配を察してか、反射的に脚を閉じ、埃をはたいて自力で立ち上がった。
「馬鹿マサキ!」
「わ、わざとじゃ無いけどごめん。」
「もういいよ!馬鹿!」
(馬鹿言われるのエキサイティン!もっと言ってくれぇ~!)
「ごめん、だけど……ありがとう。」
(また脳内保存するイベントスチルが増えたぞぃ!)
「はぁ?何言ってんの?ったく馬鹿マサキぃ!」
腕を腰に当てて怒のポーズ。
「あいすみません。」
「……で、出してみれば良いじゃない。」
(怒っては居たけど、そこまで怒ってたんじゃ無いんだな。)
「やってみる。」
(煙草を思い描いて……紙と、葉っぱ、フィルターっと……)
右手を握り(イマジナリー)と意識する。
手を開くと一本の煙草が出来ていた。
「ほら、出来たじゃん!」
出来て当然のように言われる。
(え?なんでティナが威張ってんの?(笑)でも可愛いから許す!)
「ちょっと吸ってみる。」と魔法で火を点け、出来たソレを吸う。
スパー……パチパチ……
「ゴホッゲホッ!ゴホッ!なんじゃこれぇ~!」
突然のマサキの変化に躊躇いながら聞いてくるティナ。
「だめだ!こんなん煙草じゃねぇ!うわっ!まっずぅ!ゴホッ!」
余りの不味さに涙目になりながら火を消す。
「んふふ……な、なんで?見た目全然変わらないのに。」
「俺、煙草の葉っぱも知らないし、作り方とかも全く知らん!今のはただの焚き火の煙だわ!」
「ぷぷぷ……や、やっぱ馬鹿マサキだ(笑)ぶふぉ!」
笑いを堪えきれなくなり爆笑するティナ。
「だ・ま・れ。」
(くっそー……タダで煙草入手できるかと思ったのに、ぬか喜びかよ!)
「もういい!ギルド戻る。」
踵を返しギルドへの道に戻ろうとする。
「ちょ、ちょっと待ってってば!」
「待てと言われて待つ輩は居ない!」
そう言ってズンズン歩いて行くマサキ。
「いや、だから待ってってば!」
「待たぬ!」
歩みを止めないマサキ。
「ハーヴィーに行けばあるんだってばぁ~!!」
姿が小さくなっていた為、大きな声で叫ぶ。
すると、ものの二秒程で元の位置に戻りティナの肩を叩いてマサキはこう言った。
「なんだよぅ~!早くいえよぅ~!ティナさんったらお茶目なんだからァ~!(キラッ)」
ティナはその時思った。
「あ~……やっぱこの人馬鹿だわぁ~……」
そんな思いも知らず、マサキはウキウキでハーヴィーを目指したのだった。
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