教室の魔法使い

中富虹輔

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第二部 運喰らい

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 それから、何がどうなったのか、はっきりとはおぼえていない。ただ一つだけはっきりしているのは、光の塊の直撃をくらってはね飛ばされ、屋上の床に、したたかに頭を打ち付けたのは、宮島ではなく、ぼくだったこと。

 いやに強い光が、ぼくを照らしている。目を閉じていても容赦なく目の中に差し込んでくる光にたまらなくなって、ぼくは顔を動かして、少しでもその光源から、距離を取ろうとした。
 ……え? 光?
 自分の身体を動かそう、という意志を持って初めて、ようやくぼくは、その光が、不自然に強いことに気づいた。普段の生活の中には、こんな、まぶたの向こう側にまで無理矢理に割り込んでくるほど強い光など、そうざらにあるものではない。
 それと気づいてぼくは目をあけ、そして、自分で思っていたほど、その光が強いものではないこと、そこがぼくの見知らぬ場所であることを知った。
 上半身を起こして、ぐるりとあたりを見回す。
 ここは……?
 よくよく見れば、この部屋には見覚えがあった。
 そうだ。大山さんの、「秘密の地下室」。部屋の四隅に描かれていた魔法陣が消えてしまっているけども、宮島にとりついていたヤーナスを追いつめるときに使った部屋に間違いないはずだ。
 ええと……。
 あれから、何が起きたのだろう? とにかく、宮島の代わりにぼくが、ものすごい勢いで迫ってくる光の塊の体当たりをくらい、はね飛ばされてしまったことは、おぼえている。その後で、気を失うかどうかしてしまったのだろうけれども、それなら、どうしてぼくはここに?

 いくら考えても、答えが出てくるわけでもなく、特別やることも見つからなかったぼくは、立ち上がった。
 したたかに打ち付けた後頭部の痛みはすでに引いているし、他には特別な外傷はなさそうだ。
 とりあえず、自分の身体に異常がないことを確認すると、ぼくは部屋の出入口に歩み寄り、扉に手をかけた。と、
「そろそろ、目がさめるんじゃないかな? 見てみるね」
 宮島の声が扉の向こうか聞こえたかと思うと、次の瞬間には扉は大きく開け放たれていた。ちょうど、ドアを挟むような格好で向かい合う形になったぼくと宮島。
 一瞬、何かにためらうような沈黙があって、けれどもすぐに、彼女はぼくの目をじっと見つめた。そして彼女は満面の笑みを浮かべ、「ありがとう」たまっていた何かを吐き出すかのように、ゆっくりといった。
 ありがとう?
 言葉の意味が理解できなかったのは、数瞬だった。
「けがは、なかった?」ぼくは問い、「峰岸くんのおかげでね」宮島は、また小さく微笑んだ。
「あれから、大騒ぎになったんだぞ」
 宮島の後ろから聞こえてきたのは、ヤーナスの声。宮島の背中越しに、事務机の上にヤーナスが、そしてそのそばに大山さんがいることを確認した。
「大騒ぎ?」
 ヤーナスに目を向けると、彼女はきまじめな顔で「ああ」とうなずき、そしてにやりと、いたずらな笑みを宮島に向け、口を開きかけたけれども、
「ヤーナス、それ以上何かをいったら、晩御飯のおかずにしちゃうからね」
 宮島ににらまれ、「私を食べても、うまくはないと思うがな」苦笑しながらも口を閉ざした。
 それでも、あの後どうなったのか、ぼくも興味がないわけではなかったので、そのことを問うと、ヤーナスの代わりに、宮島が口を開いた。

 宮島に迫る光の塊。ぼくは何かを叫ぶなり、彼女に向かって走っていった。そして、ぼくが彼女を突き飛ばすのと、ぼくが光の塊にはね飛ばされるのとは、同時だった。
 突然ぼくに突き飛ばされた宮島は、一瞬、何がおこったのか理解できなかったらしい。けれども、その数瞬の後、ひっくり返ったぼくと、そしてぼくに激突してしまったせいで、安定を欠いてしまい、ふらふらと不安定に宙を飛ぶ光の塊を見て、ようやく、自分の身に何がおころうとしていたのか、そしてそれがどのようにして回避されたのかに気づいた、ということだった。
 そして宮島がぼくのところに駆け寄り、ぼくのわきにしゃがみ込むのとほぼ同時に、その光の塊を追ってやってきた大山さんが、何かの魔法を使ってその光の塊を捕獲した。
 それから、宮島は言葉を濁してしまったのでよくはわからないのだけれども、とにかくぼくは「階段から転げ落ちた」ことにされ、大山さんが保健の先生を呼びにいき、そのままぼくは保健室に運び込まれてしまった、ということだった。
 大山さんは、「学校が終わった頃に、もう一度来る」といい残して、学校を一旦去り、ちょうど学校が終わったころに、言葉通りにもう一度やってきた大山さんは、ヤーナスを「運喰らい」でなくする方法を発見した、という報告を携えていた。
 そして、まだ気を失ったままのぼくを、大山さんと宮島とで、ここまで運んできたという次第だったらしい。

「午後じゅうずっと、順子はお前に付き添っていたんだぞ」
 ヤーナスがちゃかすようにいい、「余計なことはいわなくていいの」宮島が頬をふくらます。
 いままでずっとだんまりを決め込んでいた大山さんも、その宮島の反応をおもしろがっているかのように、「特別外傷はないから、授業に戻ってもいい、っていわれたのを無視してそばについてたんだってな?」
 ますますふくれっ面になる宮島。
「あたしが何をしたって、あたしの勝手でしょ?」強く大山さんに詰め寄ったけれども、大山さんはにやにや笑うばかり。
「もうっ!」もう一度、大きく頬をふくらます宮島。そして彼女は、ぼくの方に目をむけた。
「かっ、勘違いしないでよね。あたしの代わりに峰岸くんがどうかなっちゃった、なんてことになったら寝覚めが悪いから、峰岸くんがおかしくならないかどうか、見てただけなんだから」
 いいわけがましくいった宮島に、ぼくは意地悪く問うた。
「あれ? 『カレシ』のことが心配で、ついててくれたんじゃなかったの?」
「峰岸くんまでぇ」
 また頬をふくらませた彼女に、「こないだ、『あたしがカノジョじゃ、不満なの?』なんていってたのは、どこの誰だっけ?」わざとらしくそらっとぼけてみせると、
「あっ、あれは、その……」
 へどもどする宮島。けれども、どうやら彼女の中で何かの踏ん切りがついたようで、やがて彼女は、挑戦的な目つきで、ぼくの方を見た。
「じゃあ、峰岸くんは、あたしが峰岸くんのカノジョだ、って認めるわけね?」
 うっ。そうか。ぼくが宮島のカレシなら、宮島はぼくのカノジョ、ということになるのか。……けど。
 素直にそれを認めるのもなんだかしゃくだったので、ぼくは彼女を見つめ返した。
「じゃあ、宮島は、ぼくが宮島のカレシだ、って認めるんだね?」
「寝言は寝てからいいなさいよ。あたしが峰岸くんのカノジョなら、峰岸くんはあたしのカレシに決まってんじゃない」受け応えを続けるぼくらの口調は、あくまでも軽口をたたいているようだったけれども、それでもなんだか、「カレシ」、「カノジョ」という言葉を口にするたびに、耳にするたびに、不思議と、それがぼくらのごく自然なスタンスであるかのような気がしてくる。
 この、しごく当たり前の事実の確認は、なんだか、ひどく楽しかったけれども、
「二人とも、じゃれあうんなら、どこか別のとこでやってくれ」
 大山さんに一喝され、ぼくらはあわてて口を閉ざした。
「だいたい、宮島。どさくさにまぎれて、おれ一人にめんどう事を全部押しつけるつもりなのか?」
 不機嫌そうな大山さんの声に、「あ、ごめん」宮島は素直に応え、大山さんの方へ歩み寄った。その宮島と入れ替わるように、ヤーナスがぼくの方へやってくる。ヤーナスを肩の上に座らせ、ぼくは「大山さんたち、何やってるの?」ヤーナスに問うた。
 ヤーナスはぼくの方を見て、「ん? ああ。さっきも順子がいっていただろう? 私を『運喰らい』でなくする方法が見つかったらしい」
 ああ、そうか。それで、大山さんが学校に来た、とかいっていたっけ。と、いうことは、今宮島たちがやっているのは、ヤーナスを「運喰らい」でなくするための魔法の儀式か何かの準備、ということなのだろう。
 だとすると、忙しく動いている二人を見ていながら、何もしないでいるというのもなんだか気分が悪い。
「宮島、何か、手伝えること、ない?」
 ぼくは問うたけれども、返ってきたのは、「ごめーん、気持ちはありがたいけど、峰岸くんにできること、なんにもないの」という、つれない返事だった。しかたなしに、ぼくは肩にヤーナスを乗せたまま、宮島と大山さんのじゃまにならないように、部屋の隅の壁に背をもたれた。
 ああでもない、こうでもない、と何やら二人でしきりに考え込んでは、えたいの知れない染料を使って、部屋の床にあやしげな紋様を描いていく。まるで試行錯誤を繰り返しているようなその光景は、決して、ヤーナスを「運喰らい」でなくする方法が「見つかった」とはいいがたいもののように見えた。
「きみを『運喰らい』じゃなくする方法が見つかったんじゃなかったの?」
 ぼくはヤーナスに問うた。
「見つかったには見つかったらしいのだが、順子がな、間違ってその手順をメモした紙を、水浸しにしてしまったのだ。だからああして、大山が記憶を掘り返しながら作業をすすめている」
 おおかた、自分の運が下がりっぱなしだ、ということなんか気にしないで、その紙を見せてくれ、なんてふうに大山さんに頼んだのだろう。
「まったく、考えなしなんだから」
 いつのまにか、声に出してつぶやいてしまったらしい。「聞こえたよ、峰岸くん」ふと気づけば、宮島が本気半分、冗談半分でこちらをにらみつけている。
「本当のことをいわれたからって、そんなに怒るなよ」
 ぼくは軽口で応酬した。「ほら、口を動かしてる暇があった手を動かしなよ。いつまでも、悪運にとりつかれていたくないんだろ?」
 宮島は頬をふくらませ、けれどもやはり、いつまでもいまのような状態にいたくない、という思いの方が強いらしく、素直にぼくの言葉にしたがった。
 宮島と大山さんの作業を眺めながら、ぼくは肩のヤーナスに目を向けた。
「そういえば、あの光の塊って、なんだったの?」
「ああ、あれか? あれは、私の母だ」
「はぁ?」ぼくは思わず間の抜けた声を返していた。ヤーナスの母親? ……それって、魔法の暴走で「運喰らい」になった、っていう、いってみれば初代のヤーナス、ってこと、だよな。
「何でも、母を捕らえて、その記憶から、『運』を扱う魔法の情報を掘り出してきて、私から『運喰らい』の属性を取り去る方法を見つけたらしい」
 うわぁ。またなんて乱暴な。……それじゃあ、もしかして今日までの何日かは、大山さんは初代「ヤーナス」の居場所の報告を待っていただけ、なのだろうか。
 ぼくのその考えを見透かしたかのように、
「まあ、大山は大山で、自分なりに研究はしていたようだがな」ヤーナスのフォローが入る。「なんにしても、こういう場合には手っ取り早くやるのが一番だろう」
「そうだね」ヤーナスの言葉に、ぼくは相づちを打った。「ところで、きみのお母さんは、どうなったの?」
「さすがに『運喰らい』なんてものはたちが悪すぎるからな。『運喰らい』の力を奪う魔法の実験台にされて、その魔法が成功したら、消滅してしまったそうだ」
「消滅……って」
 自分の母親のことを、なんの感情も交えずに淡々と話すヤーナスに、ぼくは思わず絶句してしまったけれども、
「私を、冷たいと思うか?」静かに問うてきた彼女に、ぼくは、ゆっくりと首を横にふった。「いろいろ、複雑な思いはあるんだろ?」
「それはそうだ。一応は、あれでも母親だし。……どうも、こういう特殊な育ち方をしてしまったせいかもしれないのだが、うまく感情というやつを表現できないのでな」
「ひとそれぞれだよね」ヤーナスの言葉には、ぼくはそれだけを返すにとどめた。「ところでさ、これから、どうするの?」
「私か?」ヤーナスは確認のために問い返してきて、ぼくがうなずくのを確認すると、
「もうしばらくは、順子のところに世話になるつもりだ。大山のすすめで、もう一度、正式に魔法使いとしての教育を受けることにした」
「あたしの師匠が、ヤーナスにも魔法を教えてくれるんだって。大山が、そうなるように、働きかけてくれたらしいよ」
 ぼくらの会話を、聞くとはなしに聞いていたのだろう。横から宮島が口をはさんできた。
 誰がヤーナスに師匠としてつく、なんてところにまで干渉できる、というのは、やはり大山さんがそれだけ「上層部」の人に認められているから、なのだろう。
「へぇ、大山さんって、すごいんだね」
ぼくが驚きの声をもらすと、
「いっつもこき使われてるんだ。この程度の便宜ははかってもらわなけりゃ、割にあわねえよ」
 大山さんが応えながら立ち上がる。ふと気づくと、いつのまにか、部屋の床を埋め尽くす巨大な魔法陣が完成していた。「終わったの?」
「まだまだ。これからが本番なんだから」
 笑いながら宮島が応える。「でも、あたしができるのはここまでなんだけどね」少しつまらなそうに、彼女は付け足した。
 ああ、そうか。宮島は、まだ見習いだものな。ぼくは、できあがった魔法陣から離れ、その細部の点検をしているらしい大山さんをじっと見つめる宮島を、目で追っていた。
 ややあってから、大山さんは満足そうにうなずきながら立ち上がった。「なかなかいいセンスをしてるじゃないか。うまく描けてる」
「当たり前でしょ。魔法陣の描き方だけなら、一人前の魔法使い並みだ、っていわれたことだってあるんだから」
 自慢げにいう宮島に、「でも、それだけなんだろ?」ぼくはにやにやしながら問うた。
「峰岸くんは黙ってなさい」宮島は唇をとがらせたけれども、「図星なんだろ?」ぼくはたたみかけ、彼女はしぶしぶながらもそれを認めた。
「峰岸、あんまり順子をいじめるな。まだこいつは見習いなんだから」
 腐ってしまった宮島を見て気の毒に思ったのか、ヤーナスがやんわりとぼくをたしなめる。
「わかってるよ。ちょっとからかっただけだって」ぼくが応えるのと、
「よーし、じゃあ、ヤーナス、来てくれ。さっさと、儀式を始めよう」
 大山さんがいうのとは同時だった。

 ヤーナスが、魔法陣の中央に立つ。大山さんがゆっくりと呪文を唱えはじめると、魔法陣の四隅に描かれている、特に複雑な紋様から、細かな光の粒が、徐々にわき出してくる。その光の粒がヤーナスを徐々に包んでいくのを見ながら、ふとぼくは、ある可能性に気づいていた。
「ヤーナスのお母さんは、この魔法の儀式で、消滅しちゃったんだろ?」
「そういう話ね」うなずく宮島。
「なら、この儀式で、ヤーナスが消えちゃう、なんて可能性は……」
「あ、それはないみたい」いたって平静に、宮島は応えた。
「ヤーナスのお母さんは、身体が完全に『運を吸い取る』魔法に取り込まれちゃったから、魔法の消滅と一緒に、身体も消滅しちゃった、ってことらしいの。ヤーナスの方は、身体のあちこちに、悪性の腫瘍みたいにこびりついているだけだから、そこの部分を消滅させても、ヤーナス本人は、生きていられるみたいなの」
「悪性の腫瘍? ……なら、それが心臓とか、そういう生きるために必要な器官にできちゃっていたらどうするのさ?」
「その辺も考えてあるわよ。ヤーナスのお母さんは、もう手の施しようがないから消滅させちゃったみたいなんだけど、ヤーナスの方は、儀式の魔法の方向をちょっと変えてやって、その腫瘍を無害なものにするだけなんだって。……あ、そろそろ本格的に始まるみたいよ」
 宮島の言葉に、ぼくは魔法陣の中央、光の粒に取り囲まれてしまって、すでに姿の見えなくなっているヤーナスに目を向けた。
 光の粒が、ゆっくりと、ヤーナスの全身を覆っていく。やがてその粒の一つ一つが、ヤーナスの身体の中へと吸い込まれていき、それとともに、その小さな身体が内側から発光をはじめる。
 長い長い時間をかけてすべての光の粒がヤーナスの身体の中に取り込まれたときには、ヤーナスは輝く人形のようになってしまっていた。
 宮島がため息をもらす。
「やっぱり、あいつ、化け物だわ」あいつ、というのが大山さんを指しているというのはすぐにわかった。「あたしなんか、魔法の薬をつくるのに同じくらいの時間がかかるってのに。……あたしがやったら、この儀式、一ヶ月かかっても終わらせることなんてできないわ」
 多分それは、いかに大山さんが「化け物」であるかを、ぼくに説明してくれているのだろう。「宮島は、まだ見習いだしね」ぼくはとりあえずそうとだけ言葉を返した。
 やがて、ヤーナスの身体の光が、ゆっくりと明滅をはじめた。宮島の「翼」の魔法で何度も見たことのある、魔法の効果が消えるサイン。
 その明滅も、明らかに宮島のそれよりも長い時間持続し続けていたけれども、やがて、その光を、完全に失った。
 この儀式の始まりから終わりまで、およそ一時間。
 どうやら大山さんの魔法でも、彼女をぼくらと同じサイズ、同じ髪の色にすることはできなかったようで、儀式が終わった後のヤーナスの外見は、その前とは特別違っては見えなかった。
 けれどもやはり、本人には、その身体のどこかに違和感があるのだろうか。まるで身体の案配を確認するかのように、首を回したり、身体をひねったり、軽く飛び跳ねたりしていた。しばらくそうして身体を動かしたヤーナスは、大山さんに目を向け、
「驚いたな。身体が前よりも軽い」
「そりゃそうだ。『運喰らい』の属性ってのは、悪性の腫瘍みたいなもんだからな。そいつがなくなれば、かなり楽になるはずだ」
 そんなもんをくっつけたまま、お前は二十年近くも生きていたんだから、大したもんだよ。そういった大山さんの方が、どちらかといえばその表情に驚きがこもっていた。
 そして大山さんは、宮島に目を向けた。
「『運喰らい』がいなくなったから、お前の運も、ちょっとずつ上向きになってくるはずだ。まあ、長くても二週間だ。それまでは……」
 ぼくに目を向ける大山さん。にやりと笑って、大山さんは言葉をついだ。
「お前のカレシに、守ってもらうんだな」
 冷やかしともやっかみともとれる言葉に、ぼくは頬がわずかに熱くなるのを感じた。宮島はと見れば、こちらは不敵な笑みを大山さんに向けている。
 ふと宮島の顔がぼくの方向いた。宮島はぼくににこり、と笑いかけると、
「そうね。そうさせてもらうわ」
 大山さんに向かって、うなずいた。
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