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聖なる夜に
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その日は、夕飯前より先に進むことはなかった。初めてはクリスマスの夜にしようと二人で話し合った結果だ。
同じベッドの上で、お互いに背中を向け合って眠った。
二十四日。世間ではクリスマスイヴと呼ばれるその日は、恋人である俺たち二人にとっても、特別な日だ。
終業式の後一度家に帰ってから、駅前の商業ビルでの待ち合わせ。俺は制服から私服へと着替えると、急いで家を出た。
結構急いだつもりだったのだが、俺よりも一足先に、玲が待ち合わせ場所に来ていた。
「……早くない?」
「早く会いたくて……えへへ」
彼女は純くんも早いねと言って笑う。しばらく見つめあって、恥ずかしくなって目を逸らした。
「私の恰好、変じゃないかな……?」
玲もそうなのか、指先で自分の髪をいじっている。
「か、可愛いよ。俺には勿体ないくらいだ」
「っ……またまた、そんなことないよぉ」
玲は恥ずかしさに耐えきれなくなったのか、早く行こうと言って足早にビルの中へと歩いて行った。
「あ、待ってよ」
慌てて追いかけると、彼女は俺に追いつかれまいと早歩きで逃げていく。
「純くんのせいだからね。絶対待たないもんっ」
いたずらに笑って見せた玲は、その勢いで宝石店へと入っていった。
同じ店に入ってようやく彼女に追いつくと、玲はある商品の前で足を止めていた。
玲は追いつかれたことに気付くと、いつもと同じ笑顔で俺の手を握る。
そして、彼女は意を決すると、精いっぱいの作り笑顔を俺に向けて、わがままを言った。
「お詫びに、私と一緒にこれを身に着けてくれたら許してあげようかな……?」
彼女が指さしたのは、小さな宝石があしらわれたペアリングだった。
「……指輪?」
聞き返すと、玲は申し訳なさそうに笑う。
「こんな高価なもの、急に一緒に買おうなんて言っても困るよね……ごめん」
玲の顔には、諦めと憧れの、両方の色が見える。
普段は自分の欲に控えめな玲が、彼女なりに勇気を出した結果なのだろう。俺がここで彼女の勇気に応えなかったら、玲の心に深い傷を負わせてしまうかもしれない。
大好きな人にそんなことは、したくない。
俺は玲の手を強く握り、彼女の気持ちに応える。
「謝らなくて良いよ。買おうか、この指輪」
「え……良いの?」
玲は目を丸くして、まさかといった様子で俺と指輪を交互に見ている。
「せっかくの玲の気持ちに、応えない訳にはいかないでしょ?それに、俺もこの指輪が欲しい。それじゃあ……だめかな?」
「だ、だめじゃない!むしろ嬉しい……かも」
「じゃあ、決まりだね。店員さん呼んでくるよ」
俺は玲を置いてその場を離れ、店員を探しに行く。
玲は誰にも気づかれないように、ひっそりと泣いていた。
同じベッドの上で、お互いに背中を向け合って眠った。
二十四日。世間ではクリスマスイヴと呼ばれるその日は、恋人である俺たち二人にとっても、特別な日だ。
終業式の後一度家に帰ってから、駅前の商業ビルでの待ち合わせ。俺は制服から私服へと着替えると、急いで家を出た。
結構急いだつもりだったのだが、俺よりも一足先に、玲が待ち合わせ場所に来ていた。
「……早くない?」
「早く会いたくて……えへへ」
彼女は純くんも早いねと言って笑う。しばらく見つめあって、恥ずかしくなって目を逸らした。
「私の恰好、変じゃないかな……?」
玲もそうなのか、指先で自分の髪をいじっている。
「か、可愛いよ。俺には勿体ないくらいだ」
「っ……またまた、そんなことないよぉ」
玲は恥ずかしさに耐えきれなくなったのか、早く行こうと言って足早にビルの中へと歩いて行った。
「あ、待ってよ」
慌てて追いかけると、彼女は俺に追いつかれまいと早歩きで逃げていく。
「純くんのせいだからね。絶対待たないもんっ」
いたずらに笑って見せた玲は、その勢いで宝石店へと入っていった。
同じ店に入ってようやく彼女に追いつくと、玲はある商品の前で足を止めていた。
玲は追いつかれたことに気付くと、いつもと同じ笑顔で俺の手を握る。
そして、彼女は意を決すると、精いっぱいの作り笑顔を俺に向けて、わがままを言った。
「お詫びに、私と一緒にこれを身に着けてくれたら許してあげようかな……?」
彼女が指さしたのは、小さな宝石があしらわれたペアリングだった。
「……指輪?」
聞き返すと、玲は申し訳なさそうに笑う。
「こんな高価なもの、急に一緒に買おうなんて言っても困るよね……ごめん」
玲の顔には、諦めと憧れの、両方の色が見える。
普段は自分の欲に控えめな玲が、彼女なりに勇気を出した結果なのだろう。俺がここで彼女の勇気に応えなかったら、玲の心に深い傷を負わせてしまうかもしれない。
大好きな人にそんなことは、したくない。
俺は玲の手を強く握り、彼女の気持ちに応える。
「謝らなくて良いよ。買おうか、この指輪」
「え……良いの?」
玲は目を丸くして、まさかといった様子で俺と指輪を交互に見ている。
「せっかくの玲の気持ちに、応えない訳にはいかないでしょ?それに、俺もこの指輪が欲しい。それじゃあ……だめかな?」
「だ、だめじゃない!むしろ嬉しい……かも」
「じゃあ、決まりだね。店員さん呼んでくるよ」
俺は玲を置いてその場を離れ、店員を探しに行く。
玲は誰にも気づかれないように、ひっそりと泣いていた。
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