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闇の住人
困戦
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シーフとロクが寝静まった暗闇の中、シーフに迫る男の影。男の手には魔法陣が浮かんでいた。魔法陣には、致死の魔法が込められており、当たればどんな者も死に導く。
「じゃあな、シーフ。お前が弟で本当に……目障りだったぜ!!」
「残念ながら死ぬのはお前だぜ、リル」
「なっ!?お前、寝ているはずじゃっ!!」
リルは驚き、魔法を外してしまう。
「おかしいと思ったんだ。ずっと連絡がなかったのに、急に家に現れて……。そうしたら案の定これだぜ……勘弁してくれよ。こっちは疲れてんだよ」
「くそっ!今度こそ当ててやる!」
そういうとリルは手に魔法陣を浮かべる。
「くらえ!致死の矢!!」
シーフは手を目の前にかざし、矢の時間を止める。
「そうだよ……その力なんだよ!!お前は気づいていなかったが、俺は早くに気づいていた。お前が4歳の時に魔法が使えないと知ってからずっとなぁ!」
リルは次の矢を生成する。
「シーフ!!俺は能力に気付いたお前を、抹殺する!!!!致死の矢!!」
「ぐっ!!」
怒りで動きが速くなったリルの矢に対応出来なかったシーフ。矢が当たり、死を覚悟したシーフの目の前で矢が止まる。
「……まったく、世話が焼けるわね」
「ロク!?」
「邪魔が入ったか……。まぁいい、手はまだ打ってあるさ。くらえ!致死の空間!!」
リルの目の前に暗黒の空間が生成された。それはやがて、大きくなっていく。
「まずいわ!この空間に入ったら死ぬ!!シーフ!逃げるわよ!」
「お、おう!」
「ぐははははは!!逃げろ逃げろ!苦しむがいい!この俺の、闇魔法を打ち砕いてみろ!」
リルはシーフたちの後を追う。
「ロク!どうする!?あいつの魔力は膨大な量だぞ!このままじゃ俺らの魔力がもたない!」
「分かっているわ!早くに決着をつけたいのだけれど……!!」
「はははははは!!やはり時詠みとフローリア様の能力は敵対し、打ち消させるのだな!」
「「っ!?」」
聞いた事のある名に二人は驚愕する。
「フローリアだと!?なぜ魔族の……!?」
「俺はフローリア様の能力を授かっている!お前も知っている通り、その能力のおかげで、俺の魔力は底なしだ!!」
「まずいわね……シーフ!リル自体の時を止めて、永久に戻れなくしてやりましょう!!」
「おう!いくぞ、ロク!」
「えぇ!」
ロクとシーフは時を止める魔法をリルに向かって放つ。
「「時留め!!!!」」
「っ…………!!!!」
リルの時が止まった。これでリルは、二人が任意で戻さない限り、何もする事が出来なくなった。
「ふぅ……苦戦したわね。危なかったわ」
「それよりロク、フローリアの名をリルはなんで知っていたんだ?」
「それは私にも分からないわ。ただ、フローリアは主に闇魔法を得意とするから……本当に能力を授かっていると考えた方がいいわ。それに、フローリアには譲渡能力もあると……」
「おう……」
「それが分かったなら、訓練をしてもっと力を付けるわよ!」
「だろうと思ったよ……」
この時二人は、フローリアと、その下僕たちの恐ろしさに気付いていなかった……。
「じゃあな、シーフ。お前が弟で本当に……目障りだったぜ!!」
「残念ながら死ぬのはお前だぜ、リル」
「なっ!?お前、寝ているはずじゃっ!!」
リルは驚き、魔法を外してしまう。
「おかしいと思ったんだ。ずっと連絡がなかったのに、急に家に現れて……。そうしたら案の定これだぜ……勘弁してくれよ。こっちは疲れてんだよ」
「くそっ!今度こそ当ててやる!」
そういうとリルは手に魔法陣を浮かべる。
「くらえ!致死の矢!!」
シーフは手を目の前にかざし、矢の時間を止める。
「そうだよ……その力なんだよ!!お前は気づいていなかったが、俺は早くに気づいていた。お前が4歳の時に魔法が使えないと知ってからずっとなぁ!」
リルは次の矢を生成する。
「シーフ!!俺は能力に気付いたお前を、抹殺する!!!!致死の矢!!」
「ぐっ!!」
怒りで動きが速くなったリルの矢に対応出来なかったシーフ。矢が当たり、死を覚悟したシーフの目の前で矢が止まる。
「……まったく、世話が焼けるわね」
「ロク!?」
「邪魔が入ったか……。まぁいい、手はまだ打ってあるさ。くらえ!致死の空間!!」
リルの目の前に暗黒の空間が生成された。それはやがて、大きくなっていく。
「まずいわ!この空間に入ったら死ぬ!!シーフ!逃げるわよ!」
「お、おう!」
「ぐははははは!!逃げろ逃げろ!苦しむがいい!この俺の、闇魔法を打ち砕いてみろ!」
リルはシーフたちの後を追う。
「ロク!どうする!?あいつの魔力は膨大な量だぞ!このままじゃ俺らの魔力がもたない!」
「分かっているわ!早くに決着をつけたいのだけれど……!!」
「はははははは!!やはり時詠みとフローリア様の能力は敵対し、打ち消させるのだな!」
「「っ!?」」
聞いた事のある名に二人は驚愕する。
「フローリアだと!?なぜ魔族の……!?」
「俺はフローリア様の能力を授かっている!お前も知っている通り、その能力のおかげで、俺の魔力は底なしだ!!」
「まずいわね……シーフ!リル自体の時を止めて、永久に戻れなくしてやりましょう!!」
「おう!いくぞ、ロク!」
「えぇ!」
ロクとシーフは時を止める魔法をリルに向かって放つ。
「「時留め!!!!」」
「っ…………!!!!」
リルの時が止まった。これでリルは、二人が任意で戻さない限り、何もする事が出来なくなった。
「ふぅ……苦戦したわね。危なかったわ」
「それよりロク、フローリアの名をリルはなんで知っていたんだ?」
「それは私にも分からないわ。ただ、フローリアは主に闇魔法を得意とするから……本当に能力を授かっていると考えた方がいいわ。それに、フローリアには譲渡能力もあると……」
「おう……」
「それが分かったなら、訓練をしてもっと力を付けるわよ!」
「だろうと思ったよ……」
この時二人は、フローリアと、その下僕たちの恐ろしさに気付いていなかった……。
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