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第15杯 ②
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「で、賛成の方は挙手でお願いします」
話し合いが終わると馬鹿丁寧な口調で弥生が表決を取るのだった。
そう、今あたし達はフリマで何をするかを決める途中だ。目の前には女子大生たちがいる。そして、彼女たちは腕を天高く上げた。
「という事で、過半数を占めたので、カフェに決定したいと思います。では代表してわたくしこと、藤江弥生と、宮野董子でカフェ研修をして、皆様においしいコーヒーを伝授したいと思います」
話を進めている藤江弥生(ふじえやよい)を、思わずあたしは二度みする。
「ちょっそんな話、あたし聞いてないけどっ!」
「うん」
不思議な表情をしてあたしを見る弥生。彼女の冷静な返答にあたしは戸惑いを隠せない。
「うんって……」
あたしは呆れ気味に弥生へ視線を向ける。すると、そのまま彼女は平然と言ってみせた。
「そりゃそうでしょ。今、決めたとこだし」
「い、今って――――――」
それ以上あたしは弥生に呆れて言葉が出なかった。そして、話が進んで、いつの間にか弥生があたしの住んでいるハイツにあるカフェへ研修する事が、決定してしまっているのだった。
「じゃあさ、トウコ早速だけど、今、電話して大家さんに交渉して」
「交渉って、嫌だからね」
「なんで?」
「当たり前じゃん、んな事お願いできる訳ない。この前話したけど、向こうはお店してるの、女子大生のお遊びに付き合ってくれる程、暇じゃないよ」
「あたし達だって、遊びじゃないじゃん。ちゃんとした経済学部の課題なんだから」
弥生の熱い言葉に賛同してか座っている女子大生達も、口々にあたしへ頼み込んでくる。自分じゃ皆を説得する事ができず、この状況を持て余すのだった。
そして、あたしは皆にどうにか落ち着いてもらう為、また口を開いた。
「――――じゃあ、弥生が電話したら? あたしは……さすがに迷惑だと思うから、それはできない」
「わかった。これ以上は時間も使えないし、あたしが交渉する」
「それじゃあ、名前は使っていいから。その代り、迷惑にならないようにしてよ?」
「大丈夫、トウコの名を汚してまで、無理な交渉はしないから。心配しないで任して」
「なんか、逆にそれが心配なんだけど……」
「いいから、いいから。さっさと電話番号教えて」
弥生にそう催促されて、あたしは仕方なく携帯を出す。それから、大家さんの電話番号を携帯のディスプレイに表示させる。それを見ながら、彼女が携帯に番号を打つとあたし達の傍から、少しだけ距離を取った。その余計な演出で、あたし達には全く弥生の受け答えがわからない。かえって、それが妙な緊張感に繋がる。
話し合いが終わると馬鹿丁寧な口調で弥生が表決を取るのだった。
そう、今あたし達はフリマで何をするかを決める途中だ。目の前には女子大生たちがいる。そして、彼女たちは腕を天高く上げた。
「という事で、過半数を占めたので、カフェに決定したいと思います。では代表してわたくしこと、藤江弥生と、宮野董子でカフェ研修をして、皆様においしいコーヒーを伝授したいと思います」
話を進めている藤江弥生(ふじえやよい)を、思わずあたしは二度みする。
「ちょっそんな話、あたし聞いてないけどっ!」
「うん」
不思議な表情をしてあたしを見る弥生。彼女の冷静な返答にあたしは戸惑いを隠せない。
「うんって……」
あたしは呆れ気味に弥生へ視線を向ける。すると、そのまま彼女は平然と言ってみせた。
「そりゃそうでしょ。今、決めたとこだし」
「い、今って――――――」
それ以上あたしは弥生に呆れて言葉が出なかった。そして、話が進んで、いつの間にか弥生があたしの住んでいるハイツにあるカフェへ研修する事が、決定してしまっているのだった。
「じゃあさ、トウコ早速だけど、今、電話して大家さんに交渉して」
「交渉って、嫌だからね」
「なんで?」
「当たり前じゃん、んな事お願いできる訳ない。この前話したけど、向こうはお店してるの、女子大生のお遊びに付き合ってくれる程、暇じゃないよ」
「あたし達だって、遊びじゃないじゃん。ちゃんとした経済学部の課題なんだから」
弥生の熱い言葉に賛同してか座っている女子大生達も、口々にあたしへ頼み込んでくる。自分じゃ皆を説得する事ができず、この状況を持て余すのだった。
そして、あたしは皆にどうにか落ち着いてもらう為、また口を開いた。
「――――じゃあ、弥生が電話したら? あたしは……さすがに迷惑だと思うから、それはできない」
「わかった。これ以上は時間も使えないし、あたしが交渉する」
「それじゃあ、名前は使っていいから。その代り、迷惑にならないようにしてよ?」
「大丈夫、トウコの名を汚してまで、無理な交渉はしないから。心配しないで任して」
「なんか、逆にそれが心配なんだけど……」
「いいから、いいから。さっさと電話番号教えて」
弥生にそう催促されて、あたしは仕方なく携帯を出す。それから、大家さんの電話番号を携帯のディスプレイに表示させる。それを見ながら、彼女が携帯に番号を打つとあたし達の傍から、少しだけ距離を取った。その余計な演出で、あたし達には全く弥生の受け答えがわからない。かえって、それが妙な緊張感に繋がる。
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