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四章 一幕:管理者と筥の秘密
四章 一幕 4話-2 ※※
しおりを挟む足首からふくらはぎを撫で、腿へと手を滑らせる。ワンピースタイプの寝衣は脱がせやすい。しかも、ルヴィウスは就寝時に下着を付けない。寝衣の裾はレオンハルトの手の愛撫に沿って、捲りあがっていく。
「んっ」
まだ芯を持っていない柔らかなそこに、レオンハルトの指が触れた。彼の指は少し迷ったあと、腰から胸へと体の線をなぞるように寝衣をたくし上げ、そのままルヴィウスにバンザイの格好をさせ、あっという間に脱がしてしまった。
シミ一つないルヴィウスの裸体が、月に照らされている。レオンハルトは息を飲んでその姿を見つめた。
「は、恥ずかしいからそんなに見ないでっ。初めて見るわけでもないんだからっ」
顔を赤らめてそう訴えるルヴィウスは、無意識に脚を自分のほうへ引き寄せ、体を隠そうとする。
レオンハルトは「ダメだよ」と呟き、ルヴィウスをベッドの端に座らせると、自分はその前に跪き、彼の細い腰を抱き寄せた。
当然、ルヴィウスの脚は割り開かれ、その間にレオンハルトの体が入る形になる。しかも、腿を肩に担いでいるような恰好で、彼が少し頭を下げれば、口に触れてしまうほど際どいところにルヴィウスの性器がある。
「レオっ、ちょっと待っ―――」
「待たない。我慢して」
そう言い、レオンハルトはルヴィウスの臍の下に顔を寄せ、古代語を囁く。
ルヴィウスはその様子を見下ろしながら、鼓動が早くなるのを感じた。くすぐったいような、ぞわぞわするような、喩えようのない甘く弱い刺激に、もどかしさを覚える。
詠唱を終えたレオンハルトは、紋を刻む場所に息を吹きかけ、そのあと唇を寄せた。
じんわりと温かさが広がったかと思うと、そこに舌を這わされ、ルヴィウスは体を震わせる。
「できた」
レオンハルトは満足そうに微笑み、そのままルヴィウスの太ももを撫でる。
ルヴィウスがそっと下腹部に目を向けると、百合のような紋様が刻まれていた。
なぜだか、ものすごく卑猥なものに見えるのはどうしてだろう。
「ひゃっ」
紋に意識を向けていた不意を突かれ、レオンハルトが太ももの内側に舌を這わせてきた。彼の両手はそれぞれルヴィウスの太もも裏に置かれ、ぐっと脚を割り開いてくる。
勢いそのままに、ルヴィウスはベッドに背中から倒れ込み、レオンハルトの肩に脚を担がれてしまう。
あられもない体勢を取らされ、ルヴィウスは慌てた。
「レオっ、レオっ、待ってっ、恥ずかしいっ」
「これからもっと恥ずかしいことするのに?」
「そういうことじゃ―――ァっ」
レオンハルトは、ぱくん、とルヴィウスのモノを躊躇いもなく口に含んだ。やわやわと口内で弄んでいるうちに、徐々にそれは芯を持ち始める。
「あっ、ァ……っ、ンっ、んぅ…っ」
じゅっ、じゅっ、と濡れた音をわざと立てて吸いつき、根元は手で上下に擦り上げる。熱くなり始めたそれは、だんだんと硬くなり、そのうち先端から蜜を溢れさせ始めた。
「ゃっ、だめっ、れ、ぉ……ぁ、んっ」
なんとか口を離させようと、ルヴィウスはレオンハルトの頭を掴むが、力の入らない手ではびくともしない。
口内のルヴィウスの熱がしっかり立ち上がっても、レオンハルトは口淫を執拗に続けた。
強く吸着しながら喉のほうへ誘い込み、吐き出す時は舌を使って筋を刺激し、鈴口を舌先で押す。
何度も、何度もそれを繰り返され、絡みつくような愛撫の連続に理性の鎖を引きちぎられそうになったルヴィウスの声は、甘く、大きくなっていく。
「ぃ、や…っ、れ、お…っ、だめぇ……っ、ィっ、ぁ……―――んっ、ァっ、アッ」
今までさんざん気持ちいいことを教え込まされてきた体は、いとも簡単に絶頂を捉え、レオンハルトの口の中で果てる。その味を確かめるように飲み下したレオンハルトは、やっとルヴィウスを解放した。
ルヴィウスは、くたり、とベッドに体を横たえる。
衣擦れの音がし、ベッドがきしむ。
ルヴィウスがそちらを向こうとしたのだが、くるり、と、うつ伏せにされ、背中から抱きしめられてしまった。
背中や腰に当たる感触から、レオンハルトが何も身につけていなことが分かる。
「ルゥ」
耳元で、レオンハルトの声がする。ぞくり、と背中に甘い痺れが走った。
圧し掛かられているのに、体ぜんぶを覆われているような感触。何も纏っていないレオンハルトの重みが心地よくて、彼の匂いに全身を包み込まれていることが嬉しくて、ルヴィウスは胸の奥が、きゅうっ、と締め付けられる感覚を覚えた。
「レオ……―――ぁっ、んっ」
脇の下から入り込んできた手が、胸の尖りを弄りはじめる。
爪の先で引っ掻かれ、抓まれ、弾かれる。その行為が気持ちいいのだと教え込まされているルヴィウスの体は、すぐに尖りを赤く膨らませた。
「ンっ、ァっ、あっ、んっ」
達したばかりで敏感になっている体が、強い刺激を拾う。そのたびにルヴィウスの喉から漏れる声に、甘さが深まっていく。
耳元に、レオンハルトの吐息がかかる。
声、かわいい。そう囁かれて、悦んでしまう自分がいる。
好き。大好き。気持ちいい。思っていること、感じていること、ぜんぶ伝えたい。
熱に潤む蒼い瞳に捉えられながら、名前を呼んで、すべてを声に出してしまいたい。
「れぉっ、うしろむきっ、ゃっ」
顔が見たい。ルヴィウスはきちんと言葉に出来ないまま訴えた。
舌足らずで一生懸命なルヴィウスのお強請りに気を良くしたレオンハルトは、口の端を舐め、情欲に満ちた蒼い瞳を細める。
すぐにルヴィウスの体勢を仰向けに変えて、口づけをした。
そして、するり、と脚の付け根へと手を滑り込ませ、刻んだばかりの紋が機能しているかを確かめるため、何も纏わせていない指を後口へ、くぷり、と挿れる。
「ぁあ、ァッ、アっ」
第二関節まで入れた指を何度か前後させると、内部に溢れていた潤滑液が指に纏わりついてくる。
じゅぷ、と濡れた音がし始めた。とろとろと溢れてくる先走りが、ルヴィウスの股の間を伝う。
それも相まって、レオンハルトの指はすんなりと後口に飲み込まれていく。
ルヴィウスの胎に刻んだ紋が上手く機能していると分かり、レオンハルトは満足して笑みを浮かべる。そして中を弄っていた指を、一本、また一本と増やしていった。
三本入れたところで、中のしこりを強く刺激すると同時に、胸の尖りを口に含み、きつく吸い上げる。
「やぁっ、アァッ、あっ、んっ」
しこりを、すりすり、と擦ると同時に、口に含んだ胸の尖りを舌で弄る。体を蹂躙していく快楽の強さに、ルヴィウスは腰を撥ねさせた。
レオンハルトは胸の尖りを解放すると、ルヴィウスに口づけ、彼の頭を抱えるように顔の横に右肘をつく。するとルヴィウスは、レオンハルトの腕に左腕を絡め、甘えるように頬を擦り寄らせた。
「ルゥ、気持ちいいね?」
耳元で囁くと、ルヴィウスはレオンハルトの腕をぎゅっと握りしめ、こくこく、と頷く。
「んっ、ぁ……、きもち、ぃ、イ……っ」
快楽に身を委ねるルヴィウスが、レオンハルトの二の腕に甘く噛みつく。その瞬間、レオンハルトの背筋を、甘い悦びがビリビリと駆け上っていった。
―――俺だけを求めればいい。これからも、ずっと、ずっと、永遠に、俺だけを欲しがればいい。
「ルゥ、もう一回イこうか」
言うのとほぼ同時に、後口に入れていた指をばらばらに動かしては、しこりを強く刺激する。
快楽に従順になったルヴィウスの体は、レオンハルトから与えられる刺激を素直に拾い、腰を揺らし、体の感覚すべてを絶頂へと集中させていく。
「ぁ…っ、アァッ、んっ、んっ、ンッ、んん―――ゃっ、ィ……ッ」
ルヴィウスの体が、ビクンッ、と硬直する。ルヴィウスは無意識に、縋り付いていたレオンハルトの腕に、爪を立てた。レオンハルトにとっては、その痛みすら愛おしい。
ルヴィウスの熱の先端から、力なく白濁が溢れ、腹を汚す。
レオンハルトの指を咥えこんでいた後口は、ぎゅうっ、と収縮したのち、内壁が波打つようにうねる。まるで、何かを搾り取るかのように。
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