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四章 一幕:管理者と筥の秘密
四章 一幕 5話-3 ※※
しおりを挟む「それから、管理者と筥には監視が付いているんだって」
「監視?」
「うん。管理者と筥を守るために、エルグランデルのイルヴァーシエル家が、王国に人を派遣してるはずだって」
「エルグランデル? 魔の森の向こうのエルグランデル皇国のこと?」
「そう。僕はアレン兄さまがそうじゃないかって思ってる」
そうか、と呟いたレオンハルトは黙り込む。
何かを考え込んでいるようだ。あまり驚いていないところをみると、レオンハルトもルヴィウスと同じく、アレンが何かしら知っている立場にあると、考えていたのかもしれない。
「ねぇ、レオは管理者や筥のこと、どうやって知ったの? 誰かに教えてもらった? 知っていることと知らないことがあるのはどうして?」
レオンハルトはルヴィウスの髪を撫でながら、彼の疑問に答えていく。
「俺が昔から禁書庫に通ってること、教えただろう?」
「あ、そうか。魔力過多も魔力吸収も、そこで知ったんだったね」
ルヴィウスは、なるほど、と納得したようだ。そして、「あ」と声を発した。
「そっか、僕以外には話せないはずなのに、君が話してくれる前に僕が管理者と筥って言ったからびっくりしてたんだね」
「びっくりしたからって、怒るのは違うよな。ごめん、ほんとに。反省してる」
しゅん、と眉尻を下げるレオンハルトに、ルヴィウスは「もう一回甘やかそうか?」と小さく笑った。レオンハルトは「いや、俺がルゥを甘やかしたいからいい」と笑い返してくる。
二人は、くすくす、と笑い合い、どちらからともなく近づいて触れるだけのキスをした。
唇を離したあと、ルヴィウスは甘えるようにレオンハルトにすり寄る。レオンハルトが髪に頬を寄せ「ルゥ、大好き」と囁いてくれる。「僕も大好き」と答えながら、ルヴィウスはレオンハルトの心音に耳を傾けた。
とく、とく、とく……と規則的に脈打つ心地よい音。その穏やかさに身を委ねていたルヴィウスだったが、ふと疑問がわき、笑みを消した。
こうしていろいろな情報をレオンハルトと擦り合わせることができたけれど、核心に触れられていない気がした。
自分たちがいったい、何のためにこの世界に生まれてきたのか。レオンハルトが背負わされるものが、一体何なのか。
ルヴィウスはその疑問と不安を、そのまま言葉にする。
「管理者って、なんだろう。アルフレド様に聞いたら、分かるかな」
「さぁな。禁書庫で読んだ書物には、世界が歪まないよう見守り、修正し、導くためにいるらしいけど」
ルヴィウスの心配を他所に、レオンハルトは飄々と答えた。
「知らないのに管理しなくちゃいけないの? 曖昧すぎない?」
「まだ俺が正式な管理者になる時期じゃないから知らしてこないんだろ」
「レオ、簡単に受け入れすぎじゃない? 自分のことなのに無頓着すぎるよ……」
「そうか? ルゥが一緒に居てくれるって言ってくれたから、他はなんとかなるかって思ってるだけだけど」
「いや、僕以外のこともちゃんと考えてよ……」
「ルゥが居てくれたらそれでいいよ。とは言え、こうやって二人で知ってることを共有しても、情報が断片的過ぎて、はっきりしないな」
「レオの話も、管理者と筥のことだった?」
「そう。全部ルゥが話してくれたから、俺が補足することは、ある特定の本を禁書庫で読むと、魔力が増えるってことくらいかな。今更だけど、バングルを通してルゥに流す魔力、時々増やしてたんだ」
「そうなの? ぜんぜん気づかなかった。辛かったらもっと増やしても大丈夫だよ」
「本当に何ともない?」
「うん、ぜんぜん平気。試しにちょっと増やしてみてよ」
少し悩んだレオンハルトは、「じゃあ、少し増やす」とバングルの機能を調整した。
「どう?」
そう聞かれ、ルヴィウスは右手首のバングルをそっと握りしめて目を閉じてみる。そうしてしばらく、自分の中のレオンハルトの魔力に集中した。
「う~ん……、特に変化はないかな。むしろ、レオと抱き合った後のほうが、魔力が増えた気がする」
なんとも、あっけらかんとした答えだ。それくらい、筥としての能力が凄まじいということの表れかもしれない。
しかし、今朝も同じことを言っていたが、抱き合った後に魔力が増えた気がした、とはいったいどういうことなのだろうか。
「もしかして、ルゥが魔法使いになったのって、きっかけは聖下がルゥに返したとかいう欠片の所為かもしれないけど、俺の魔力が大きくなりすぎていくことを見越してのことだったのかも」
「僕が魔法を使えるようになることで、増え続けていく君の魔力を相殺し続けられるように、ってこと?」
「そう。もしかしたら、クレア王女もそうだったのかもしれないな。彼女が魔法使いだった記録はないけど。聖下はそのあたりのこと、何か言ってなかった?」
「ううん、何も……。ただ、呪われることで理の外へ弾き出されたあと、力と記憶が目覚めるって言われた」
「記憶か……」レオンハルトは禁書の文面がちらついた。「もしかしてルゥも、何か夢を見てたりする? 目が覚めたら忘れちゃうようなやつ」
「えっ、じゃあ、レオも夢を見てるの?」
「ほとんど覚えてないけどな」
「僕も覚えてない……」
二人は互いの体を抱き締め合いながら「う~ん……」としばらく考えてみたものの、思い出せるものは何一つなく、答えは出なかった。
これ以上は今すぐどうこうできそうもない。そう結論付けたレオンハルトは、ため息をつき、考えることを放棄する。
「とりあえず、俺とルゥは情報共有できたから、次は父上たちが持ってる情報がほしいな。もう子どもじゃないんだし、勝手にあれこれ動かれても困る。帰ったらみんなまとめて話せるように予定を調整するか」
言い終えるやいなや、レオンハルトはルヴィウスを組み敷いて上から覆いかぶさった。
「え、レオ……―――ひゃぁっ」
するり、とチュニックの裾から手が入り込んだ。体をビクつかせて驚いた拍子に、レオンハルトはルヴィウスからチュニックを剥がすように脱がしてしまう。
「俺が知ってる他の細かいことは、あとで教えるよ。今は難しい話は忘れて、ルゥのことだけ考えたいな」
「だからっていきなり脱がさないでよっ」
「いきなりじゃなきゃいいの?」
「場所を考えてって言ってるの」
「ふふっ、こういう大きめの服、いいな。騎士たちが勧めてくるわけだ」
「話きいてたっ? ―――えっ、ちょっ、まっ」
反論する間もなく、ワイドパンツも下着ごと、すぽん、と脱がされる。
太陽はまだ高く、誰もいないとは言え全方向どこにも目隠しのない屋外。こんなシチュエーションで全裸になることなど、これっぽっちも想定していなかったルヴィウスは、ひたすらパニックになるばかりだ。
「陽の下だと、ルゥの体があっちこっちすごくよく見えてイイ」
「いいわけないでしょっ! ここ外だよ! なに考え―――ぁっ!」
ぬるっ、とレオンハルトの舌がルヴィウスの右の胸の頂を舐め上げる。腹の上に圧し掛かり、器用にルヴィウスの両手首を片手で拘束したレオンハルトは、もう片方の手で左の胸の尖りを弄りだした。
「れ、ぉっ、ここっ、そと……ぁんっ」
抗議の言葉も、抵抗する力も愛撫にねじ伏せられて、蕩けるような気持ちよさが体を支配していく。
ルヴィウスの体から力が抜けていくのを察したレオンハルトは、胸元から顔を上げる。
ルヴィウスが責めるように涙目で睨んできたことに対し、ぞくり、と背中が情欲で逆立った。
「ルゥ」
欲に溺れた蒼い瞳で見下ろし、見せつけるように自分の下履きを下ろすと、膨張し始めた熱を腹の上に擦り付けた。
「ゃ、ぁ……っ」
ルヴィウスが期待で体を震わせる。知らずしらずのうちに、下腹部に刻まれた紋の影響で、内側に潤滑液が滲みだした。
「ねぇ、ルゥ、知ってた?」
「んむ……っ」
レオンハルトの親指がルヴィウスの唇をこじあけ、上あごを擦り上げる。
「ぁ、ん…っ、ぅ、……ふぅ……っ」
「ルゥはね、口の中にも性感帯があるんだよ? ここ」
「ぅぅっ、ふ…っ、んぅ……っ」
レオンハルトの指が上あごを擦るのと動きを合わせるように、ルヴィウスの腹の上に擦りつけられている熱が動く。それは徐々に硬度を増し、いつしかルヴィウスの熱も硬く膨れ、先端を先走りが濡らしていた。
ルヴィウスが快楽の波に飲まれていく様を見下ろしていたレオンハルトは、満足げに笑みを浮かべ、唾液に塗れた指を口内から引き抜く。
そして、ルヴィウスの体をうつ伏せにひっくり返したかと思うと、腰を引き上げ、柔らかく丸い双丘に自分の滾る熱を擦りつけた。
「やっ、まっ、まって……っ」
なんとか肘で体を支えていたルヴィウスは、顔だけ後ろを振り返る。
快楽に反応した紋の影響で、後口からは蜜がじわりと滲んで、受け入れることを覚えこまされた場所が、ヒクついていた。
「待たない」
レオンハルトはルヴィウスに覆いかぶさり、自身の熱の先端で入口をこじ開ける。左手は胸の尖りを弄り、右手はルヴィウスの熱を、やわやわと握っては擦り上げる。
「あっ、ぁっ、んっ、やっ、あぁっ」
「朝方までしてたから、まだ柔らかいね」
ゆっくり、ゆっくりとこじ開けられていくルヴィウスの秘部は、吸い付くようにレオンハルトの熱に纏わりつく。
抓まれ、引っ掻かれ、捏ねられる胸の尖り。熱の先端を遠慮なく、ぬるぬると撫でまわす大きな手のひら。昨夜から何度も胎を犯す太くて熱い塊。濡れた吐息がうなじに触れ、時折そこに吸い付いていく。
「ァっ、アァ…ッ、だめっ、だ、めぇ…っ」
「なにがダメなの?」
「ぜ、んぶっ、ぃ……っしょっ、あぁっ、アッ、ァっ、ぁっ、ンん……―――ひっ!」
ごちゅっ、と胎の奥にレオンハルトの熱の先端が届く。
ルヴィウスは、痺れるように体を突き抜けていく快楽と、点滅する視界の中、胎の最奥を穿つ熱杭に我を忘れて嬌声を上げた。
「あっ、ぅそっ、まっ…てっ、なん、か…っ、へ、んっ……ァっ、あぁっ、やっ、やっ! ィっ、やっ、ァっ、アァっ!」
ルヴィウスの体が、びくんっ、と大きく跳ね、熱の先端からは白濁の体液が吐き出される。
胎の中が収縮し、レオンハルトの熱を強く締め付けた。一瞬もって行かれそうになったレオンハルトは息を詰めたが、達するのを堪え、ルヴィウスの腰を持ち上げなおした。
「やっ、まっ…てっ、イった、からぁっ、ィッ……っ、ぁっ、ァっ、あぁっ!」
レオンハルトは逃がさないとでも言うようにルヴィウスの腰を掴み、大きく腰を打ち付ける。
もはや自分では自分の体を支えきれなくなったルヴィウスは、うつ伏せでクッションに身を預け、ただひたすらレオンハルトの与えてくる衝撃を受け止めた。
体が揺さぶられるたびに、胸の尖りがクッションの生地に擦れ、快楽を上塗りする。
「んっ、ん…っ、はっ、ァっ、ん―――っ!」
「ル、ゥ……っ」
どくんっ、とルヴィウスの胎の奥でレオンハルトの熱が弾ける。吐き出した種を塗り込めるように、何度か腰を前後させたレオンハルトは、はっ、と息をつくと、ルヴィウスの中に熱を入れたまま、彼を抱きしめて体を横たえた。
そのまま息が整うまで、レオンハルトはルヴィウスを背中から抱きしめ、髪や肩、うなじに口づける。
「れ、ぉ……、も、抜い、て……」
「ん~…、もうちょっとだけ」
そう言いながら、少しだけ腰を揺らす。
「んんっ、じゃぁ、う、ごかな、ぃで……っ」
「だって、ルゥの中あったかいし」
「だからって、腰っ、ゆらさな―――あっ」
「ふふっ」
「ばかぁっ、なんでっ、おっ、きくなるの…っ!」
「きもちいからだよ、ルゥ」
「もぉっ、だめっ、こわれちゃ、ぅ、から、ぁっ、んっ」
その後もしばらく、晴れ渡る爽やかな青い空の下、ルヴィウスの喘ぐ声が湖の畔に響いた。
もちろん、このあとルヴィウスがレオンハルトに「回数を決めよう」と提案したことは、言うまでもない。
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