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第13話 本の王
しおりを挟む新たに検索してヒットした本、「あなたを導くガイドを生む魔法の書」と「秘密の諜報魔法」の2冊を手に取りまじまじと考えていた。
(こうやって、何冊同時に読んでいけるだろうか・・・)
そして、検索した新しい本2冊の管理者とX、Y、Zに会うために本を開いた。
新しい本のガイドは、「あなたを導くガイドを生む魔法の書」がA、「秘密の諜報魔法」がBと名乗った。
本の管理者5人に言う。
「ここに入った時には、新たな本を開いてレクチャーを受けようと考えたんだけど、いっそ、この図書館の本、全部を知識として持っている大賢者なみのガイドが欲しいの。常に対話できる、人からは見えない私だけのガイド。そうね、メンターのような」
すると、Xが言った。
「ルセル・バーティ、お前は頭がいいな。こんなに早い段階で、求めるものの難易度が急にグレードアップした」
「アップした」
「アップし過ぎだ」
とYとZ。
「俺のレクチャーを聞かないのか?」とA
「俺のレクチャーはどうなるんだ?」とB
「ごめんね、検索して出てきてもらったんだけど、ふと、こんな風に知りたいことができる度本を開いていったら、いつか、同時には読み切れない量の本を開いてしまうのかしら?そして、すべてが中途半端に開いただけで、ちゃんと知識の吸収もできずに終わってしまうのかしら?って考えたら悲しいことだなと思って」
「もしかして、すべての本の知識を持った管理者ってつくれないとか?」
急に心配になる。いなくても、つくれるものだと思い込んでいたから。
「つくれる」とX。そしてXは続けて、
「ルセル・バーティ、魔力の流れの修練は毎日やっていたか?」
と聞いてきた。もちろん、私は、毎日相当の時間をこの魔力を身体に巡らす修練に使っていた。
「もちろんよ」
私の返事を聞くと、テーブルの上で本の管理者5人がぎゃいぎゃいと話し合い始めた。
「できるかよ?」とY
「できるだろ」とX
「僕のレクチャーも聞いていないのに」とA。
Aは、どこか悲しげな表情だ。
「僕だってまだレクチャーしてないんだから、一緒だよ」とB
Bは、慰め上手だ。
「この図書室だけで、2万4千冊くらいあるぞ」とZ
「うんうん。2万4千冊の管理者を起こして、それぞれにエッセンスを分けてもらおう。そして、そのエッセンスをまとめ上げて、新たな管理者を産んで、僕らの王様にすればいい。」とX
「王様か!」とA
「でも、Aのレクチャーを受ければガイドが生まれるんじゃないの?だったら、ルセル・バーティにAのレクチャーを受けさせれば済むぞ」とB
「それに、そのガイドが生まれたら、ルセル・バーティは、もう僕らを開いてくれないよ」とZ。
「どちらにしろ、いつかレクチャーは終わる。だったら、エッセンスを通じでずっと一緒の方が良いじゃないか?」とY
「そうか!そうだな」とB
「そうだ、そうだ」とA
「じゃ、やろう!」とX
話し合いが終わった5人が、私を見上げた。
「ルセル・バーティ、俺たちが新しい管理者を産む。すべての本の知識を持つ管理者の王様だ」とX
「ありがとう。すごくうれしい」
私は素直に礼を言った。
「うれしいか?ルセル・バーティ」とB
「うれしいか?ルセル・バーティ」と他の4人も威張って言った。
私は、本当にうれしかった。
「ありがとう5人とも」
それを聞くと、5人が手をつないで輪になった。
Xが言う。
「この部屋の本の管理者全員に言う。起きて我に協力してほしい。ルセル・バーティの為にこの部屋の本すべての知識を持った管理者を産む。だから、皆のエッセンスが必要なんだ」
すると図書室の本すべてが光り本棚から飛び出てきた。そして、宙に浮いたまま、バサバサと音を立てて本を開いていく。
ある本の管理者が言った。
「我はエッセンスとして、我の帽子を渡そう。我の本は厚く立派な本だからな」
次は、別の本の管理者が言った。
「私は小指の爪をあげるわ」
また別の本の管理者が言った。
「わては、ずっと首にかけていたネックレスをあげるよ」
どれだけの時間がかかったかわからないが、そんな声が2万4千集まった時、5人の輪の真ん中がビカーっと光り、小さな小人が現れた。
「王だ」とX
「王だ、王だ」とB
すると、輪の真ん中に立っている王が言った。
「我、皆の知識をすべてもらい受け生まれた者なり。名をアルファとする。今後、我と会った本は、すべて自ら本を開け。そして、我にその本の知識を捧げよ!我は永遠に知識を吸収し成長するがゆえに本の王である」
すると、X、Y、Z、A、Bが片膝をついてアルファに忠誠を誓った。
「我らが産みし王よ。我らは今後いかなる時も王を愛する。愛するがゆえに、どの国の、ど部屋の本であろうと、本である限り、自ら開いて王に知識のエッセンスを渡す」
そして、輪の中心から出てきて、アルファは私に向かい言った。
「ルセル・バーティ、我はお前と共にある。お前の側に常にいられるよう、お前の魔力を我に渡せ」
それを聞いた途端、身体から何かを強引に引き出されるような感覚がして、目の前が真っ白になった。
マズイ、と思った時にはもう遅く、私はテーブルにうっぷしていた。
「ルセル・バーティ、精進が足りんな」
あー、アルファにダメ出しされてしまった。
そう思った途端、意識が途切れた。
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