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天才?天災?科学魔法師現る
4.零の過去
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零は、息切れをしていた。
「はぁ、はぁ、馬鹿じゃねーのか」
「いや、うおぇぇぇぇ」
「おい、もどすな。耐えるんだ。耐えろ」
「もう……。ダメ……」
零と共に走っていた清水が、リバースをする。
信じられるか、持久力が大事だと言って、4時間ぶっ通しで走っているんだぜ。
「もういい。君は、こっちで休め」
「わ、わりぃ。俺はここまでみたいだ」
零は、清水を置いて走り出す。すると後ろから声がかけられる。
「ねぇ。あんたはまだ大丈夫なの」
「橋爪か……。まあ、俺は体力がある方だからな」
橋爪 葵。このDクラスの中ではかなり上位に位置することのできる女。正直、あんまり関わりたくないタイプだった。
「城ケ崎、城ケ崎」
「なんだ、名前をそうやって呼ぶな。走るのに、イライラしているのが見えないのか」
「見えているわ」
零はイラっとする。それを、深いため息で落ち着かせる。
「でっ、なんか用でもあるのか」
「ええ。一つ聞きたいことなんだけど、あなた体力やばくない」
「……」
零は、橋爪を見て理解する。こいつは負けず嫌いなのだろう。だから、零の体力の限界が気になったのだろう。
「そうか。僕は普通だと思うけど」
「普通?正気かしら。あなたの体力は、普通の体力じゃないわよ」
「……」
零は空を見上げる。それと同時に午前授業の終わりのチャイムが鳴り響く。
「そこまでだああ。集合」
学年全員による、持久走は西郷先生の声で終わりを迎えた。ここまで走り抜けたのは10名いるかどうかだろう。
零は、家での訓練を思い出していた。零がここまで科学武装師に拘らないのは、一つ理由があった。
昔の零は、科学武装師になることが夢だった。父である城ケ崎喜一は、レベル7に到達していて、七星教会の頂点に立っていた姿を見続けいたからだ。
その姿を、零や零の姉、兄は追い続けていた。だが、それが壊れたのは、零が10歳になった時だった。
その時から、零の口から科学武装師になるということは無くなった。
だから今この学園に来ていることは、零自身にとっても想定外だった。ただ、他の人たちと少し違うことがあるというのであれば、零は科学武装師の中でも異端者であることだろう。
零が、本気で科学武装師になろうとすれば、この学園を卒業するころにはレベル6に到達することができるだろう。いや、もう、到達していたのかもしれない。
零の過去を、知っているものはこの学園では、中野彩乃と三上彩花の二人だけだ。
僕は、この学園でも監視をされているということだ。
「僕は、城ケ崎家の中でも、扱いにくい人間なのかな」
零のつぶやきは、誰にも聞こえず、消えていった。
「はぁ、はぁ、馬鹿じゃねーのか」
「いや、うおぇぇぇぇ」
「おい、もどすな。耐えるんだ。耐えろ」
「もう……。ダメ……」
零と共に走っていた清水が、リバースをする。
信じられるか、持久力が大事だと言って、4時間ぶっ通しで走っているんだぜ。
「もういい。君は、こっちで休め」
「わ、わりぃ。俺はここまでみたいだ」
零は、清水を置いて走り出す。すると後ろから声がかけられる。
「ねぇ。あんたはまだ大丈夫なの」
「橋爪か……。まあ、俺は体力がある方だからな」
橋爪 葵。このDクラスの中ではかなり上位に位置することのできる女。正直、あんまり関わりたくないタイプだった。
「城ケ崎、城ケ崎」
「なんだ、名前をそうやって呼ぶな。走るのに、イライラしているのが見えないのか」
「見えているわ」
零はイラっとする。それを、深いため息で落ち着かせる。
「でっ、なんか用でもあるのか」
「ええ。一つ聞きたいことなんだけど、あなた体力やばくない」
「……」
零は、橋爪を見て理解する。こいつは負けず嫌いなのだろう。だから、零の体力の限界が気になったのだろう。
「そうか。僕は普通だと思うけど」
「普通?正気かしら。あなたの体力は、普通の体力じゃないわよ」
「……」
零は空を見上げる。それと同時に午前授業の終わりのチャイムが鳴り響く。
「そこまでだああ。集合」
学年全員による、持久走は西郷先生の声で終わりを迎えた。ここまで走り抜けたのは10名いるかどうかだろう。
零は、家での訓練を思い出していた。零がここまで科学武装師に拘らないのは、一つ理由があった。
昔の零は、科学武装師になることが夢だった。父である城ケ崎喜一は、レベル7に到達していて、七星教会の頂点に立っていた姿を見続けいたからだ。
その姿を、零や零の姉、兄は追い続けていた。だが、それが壊れたのは、零が10歳になった時だった。
その時から、零の口から科学武装師になるということは無くなった。
だから今この学園に来ていることは、零自身にとっても想定外だった。ただ、他の人たちと少し違うことがあるというのであれば、零は科学武装師の中でも異端者であることだろう。
零が、本気で科学武装師になろうとすれば、この学園を卒業するころにはレベル6に到達することができるだろう。いや、もう、到達していたのかもしれない。
零の過去を、知っているものはこの学園では、中野彩乃と三上彩花の二人だけだ。
僕は、この学園でも監視をされているということだ。
「僕は、城ケ崎家の中でも、扱いにくい人間なのかな」
零のつぶやきは、誰にも聞こえず、消えていった。
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