元世界最強の人間と行く地獄のワールドツアー

ユウ

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ルークの真実

バルファ・アルファライド

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 僕たちアーティは、ルークの実家である。アルファライド家に来ていた。

「すごい豪邸みたいですね」
「そうだな」
「これでもお金はないってことですか」
「逆に考えろ。見栄を張っているだけで、お金がないのかもしれない」
「そんなことってありますか」
「あり得るだろ」

 ミアとアーティで話をしていると、ルークが手を振ってきてくださいと言っていた。

「じゃあ。行こうか」
「そうですね」

 アーティは、足を進める。だがその足はとても重かった。この先にいるのは、ヴィクトリア家を憎む人間たちだから。それ以外でも理由はあるかもしれないが……。

「いらっしゃい。アーティ先生に、そちらは……」
「ミアです」

 アーティがミアの紹介をした。

「ミアさんね覚えたわ。あまりおもてなしが、出来なくてごめんなさいね」
「いえいえ。お気遣いなく。私は突然ついてきただけですので」
「ふふ。いい子ね」

 目の前にいる女性はシーン・アルファライド。ルークの母親になる。

「今、私たちの子供は学校に行っているので、ゆっくりしていってください」

 そう言い残し、その場を後にする。

 アーティは、あたりを見て情報を集めようとする。

 でもあまりいい情報は、見えるところにはないので、部屋に上がった。

「初めまして、君が、アーティ先生かい。息子がお世話になっているな」

 そう声をかけてきたのは、ルークの父親であるバルファ・アルファライド。

「初めまして、アーティと言います。こちらにいるのは、ミアと言います」
「ミアさんかい。よろしく」
「ねえお父さん。今回この町に来たのはね」

 ルークがお父さんに聞こうとしたとき、アーティは遮るように口を開いた。

「バルファさん。今回この町に来たのは、”ルース”という組織についてです」

 その言葉にほんの一瞬だけ硬直の様子を見せる。

 アーティは知っていた。このすべての依頼は、僕を殺すための計画だということに。

 だから僕は、いらない建前を全て取っ払い本題に、入る。

「そうか”ルース”か。それを知ったらどうするつもりだい」
「”ルース”が何かを私は詳しくは知りません。ただ一つ言えるのは、僕の、いえ。僕に託された最後の仕事だと考えています」
「アーティ先生。そんなこと思ってたんですか」

 何も知らないルークは、疑問の表情をしている。それでも僕は話を止めなかった。

「知っているんですよね。”ルース”その組織の名と、その組織全体を……」
「……。”ルース”については、噂程度でしか聞いていない」
「本当ですか」
「逆に聞く。なぜ私が知っていると考える」
「失礼しまーす」

 シーンが、お茶を持ってくる。お茶を置き、バルファの隣に座る。

「すみません話が少しそれましたね。あなたが知っているだろうって話についてですね。それは、僕が、あの家にいたってことを知っていると思うからです」
「あの家?」
「ええ。知っていて、ルークさんを近づけた違いませんか?」
「もしその話が本当だとすれば、私は息子を使い何かしらの、目的に向かっているとなるが……」
「ええ。その通りです。だって、この町にも学校があるのに、なぜ、わざわざ、私の居る学校まで来させたんですか。ここの学校の7倍以上のお金をかける必要性が分かりません。息子の意向だとも思いませんが」

 ルークとミア、シーンは黙ってみている。その視線はアーティからバルファの方へ視線が向く。

「金がないというわけではない。ルークの意思を私は尊重した。そしてルークには、世界を見てほしいと思った」
「世界ですか」
「ああ。私たちは昔、破れ、失い。この地まで落ちた。さらに世界大戦は領土一部を奪われ、何も残らないほどのダメージを受けた」
「そうなんですね」
「そうさ、私たちにできることそれは、息子に託すしかないだろう」
「そうですね。親はそういうものでしょう。自分の生きていたという証を、自分の子供に託すしかないですからね」

 子供とは、親の言いなりになるかもしれない。自由はある。でも、本当の自由はないのかもしれない。本当の自由は、親の顔を忘れた時かもしれない。親の顔が見える時は、親の奴隷かもしれない。

 だって、今の僕は、親の残した問題を、僕が解決しなければいけない状況になっているから。解決できなければ、僕は自由になれない。

 でも、それは、それは親が教えてくれたレールだと考えている。親がいたから、僕は今生きている。

「そうだ。息子に残せるのは、今しかないからな。だから私たちは今無理をする」
「無理しすぎて、死なないでください」
「過労死はしたくはないがな」

 そう言いながら、僕たちはお茶を飲む。そっからは、他愛のない会話になった。
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