元世界最強の人間と行く地獄のワールドツアー

ユウ

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ルークの真実

奇襲

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 その日アーティとミアは、近くの宿に泊まっていた。ルークは実家にいる。

「本当にあの人たちで間違いないの?」
「間違いはない。ただ、本当の親心というものがあるのかもしれない」
「親心ねええ。ねえ。アーちゃんは、子供何人ほしい?」
「何なんだ。急に、ちょっ。あああ」


 数十分後

「スー。スー」
「ようやく寝た……。ふうー」

 アーティは、また考え事を始める。今回の依頼”ルース”の殲滅。この依頼自体は、ラミールフェール家の直属の騎士団からの依頼でもあった。

「まて、ラミールフェール家がこんな回りくどいことをするのか?」

 何かおかしいことに今気づく。”ルース”という組織を殲滅するにあたり、わざわざ僕に依頼を流すのか?

 第一僕がここに来た理由は、決着をつけるためだったはず。そうなれば、この依頼を出したのはいったい誰になるのか。

 その答えは、もう出ている。ただ、信じたくはないと考えている。

「そうか。そうだったのか」

 アーティはこの依頼の目的を理解し、部屋の電気を消した。


ーーーーーー

 これは、依頼が来る少し前になる。

 アーティを監視している人物が、学校内にいた。その人のもとに、一枚の手紙が届く。

『エリール元気ですか。
 例の計画を実行に移すだけの準備が、整った。実行日、内容は以下の通りだ。
 1.実行日 ”ルース”殲滅の依頼を受け取り、バルーンシティに来ている夜
 2.アーティ・ヴァン・ヴィクトリアが一人、もしくは付添人が部屋で寝ているタイミング
 3.エリール君には、ヴィクトリア家の目的について調べてもらいたい。よって外出中に調べ上げるように
 いい情報があることを祈る』

「ついに、動き出すのかあああ」

 エリール、それはラミールフェール家の中で実力派閥である”ラフル”の人間である。

 ここでは、”ラフル”について説明をしておこう。

 時は、世界大戦までさかのぼる。世界大戦の勝利国は、ラミールフェール王国その中でも、ディアル・ラミールフェールが総指揮をとり世界大戦を終結させた。そのサポートに入ったのは、フィン・ラミールフェールとエイル・ラミールフェールその2人が現場の指揮を取っていた。基本的に軍を動かすには、そのような指導者は必要だが、それだけでは戦争を自分のものにできない。そこで、ラミールフェール家は裏の部隊。俗に言うスパイの部隊”ラフル”を作った。

 戦争は情報戦だ。情報を制することができなければ勝つことはできない。逆に言えば情報だけでも手にしてみれば、勝利に導くことができる。そのための教育を受け、結果を残したものがたどり着く場所が、”ラフル”私、エリールは、情報部隊に参加することになり、勝利に導いた。そして今も、戦争は続いている。

「ヴィクトリア家。あなたたちがいなくなれば、この戦いは終わる」

 エリールはそれを信じている。だから、外国に行った今、私はアーティ先生の研究室に潜り込んでいる。

「無い。無い。無い。なんで、何も無いの?」

 エリールは慌てる。情報が探しても探しても、出てこなかった。

 それは、ラミールフェール家に情報を渡すことができないということになる。

「まずい。まずい。まずい」

 ”ルース”とアーティをぶつける計画の準備は、かなり前からしていた。どちらかの戦力が無くなることはとても大切なことでもあった。

 そして今回求める情報は、古代兵器の情報だった。だがその情報がない。アーティが研究していることは有名であった。だからこそ、その情報を盗む計画だった。

「やられた」

 エリールは、ここに情報がないことを悟り、急いで手紙を書く。これが届くころには、この計画は失敗だ。それでも、書かなければいけないと教育を受けた。

「はあああ。初めて失敗した気がする」

 エリールが初めて任務を、遂行できなかった日となった。


ーーーーーー

 場所は戻り、独立地域

 カタン

 そんな小さな音がする。その音で、ミアは目を覚ます。アーティはぐっすりと寝ている。

 ミアは眠たい目を、音を立てずこすり、ゆっくりと見る。その先に見えたのは、ナイフを振り上げた人間だった。その先にはアーティがいた。

「だめえええええ」

 次の瞬間、ミアは、”龍のブレス”を使用した。ナイフを振り上げた人間は吹き飛び、息が途絶える。

 アーティはその声を聴いた瞬間に目を覚ます。

「ミア。何があった」
「侵入者です」
「侵…入者……。ミア。助けてくれてありがとう。悪いがすぐに着替えて、戦闘の準備に入るぞ」
「はい」

 アーティはすぐに着替えを始める。ミアにも着替える。

「思ったよりも面倒なことになったな」

 それは、アーティの最悪なケースの始まりに過ぎなかった。
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