-Transient-

仆瑠川 真雪己

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建国際

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 「待ってよ!速いってば!」
 「もたもたすんな!急げって!」

 僕は、カルム・マーズ18才。この春、学校を卒業したばかりだ。 僕の前を走っているのが、幼馴染みで、くされ縁のユージン・ウィヴィーラ18才。今、僕達は大広場へと向かっている途中なんだ。

 今日は、僕達の住んでいる国の建国際。
 朝から街の至るところで、お祝いムード一色となっている。街の中心地に限らずあちらこちらで、露店や大道芸などの珍しい物や人々で溢れかえり賑わいをみせている。 
 他国からの来賓者や祝辞
 、祝いの品などが次々と馬車で城の方へ向かっていった。
   
 「早くしろって!カルム!」
 「ユージン、そんなに急ぐなってば!」
 「早く行っていい場所とんなきゃ意味ねーんだよ!」
 「別に、どの場所で観たってかわんないだろ!」
 「かわるんだよ!絶対、いい場所で観ないと意味がねーんだよ!」
 (なんで、コイツはそんなに観たがるんだ?よくわからん。)
 「なんたって、今日は、あの王直属の騎士団長アゼル・バイン総督も今日は演説するんだよ!普段余り、人前に姿をあらわさない人が!だ・か・ら・絶対、いい場所を取って観るんだよ!」
 (なるほど、それでこんなに朝から張り切って、いい場所を取ろうとしていたのか。)


 僕達の住む街は東の都市、オルトュス・カーピナルとよばれている。他国と比べると建国してから数百年しか建っていない、まだまだ若い国なんだそうだ。
 四季折々に巡り、植物や動物なども多く自然豊かで、資源なども豊富な国でもあるんだ。
  だから、他国との国交や貿易で、沢山の来賓者や商人達で、賑わいを見せている。
 
 なんでも、先代の国王であったレーニス1世が全ての者が平和であり、平等で、豊かに住める国を、街を、作りたいというおもいで、荒れ地を開拓しイチから仲間達と築き上げた国なんだそうだ。

 その意思を継ぎ、現国王であるルーチェス・アラン・ヴィスタ・レーニス9世も国民が平和で平等で豊かな国になるようにと、国民と様々な意見を出し、話し合いをおこなっている。
とても慕われている国王であり、争いを好まない国王としても有名で、他国とは不可侵条約協定なるものを結んでいるらしいんだ。
  
 
  そして騎士団という部隊があり。
 騎士団には、3つの部隊に分かれて、竜騎士団。獸騎士団。騎兵騎士団の3部隊にわかれている。         
 この3つの部隊を取りまとめているのが、アゼル・ゲルディア・バイン総督である。
国民からとても人気のある人物なんだ。
 (僕の友人も崇拝している人物なのだが。)

 王直属の騎士団ではあるものの、戦闘を目的とした部署ではなく、他国との交流や交易そして国交。皇族来賓者や他国からの高官達の警護や護衛などが主な仕事となっている。彼らがいるおかげで、街の細部にまで目が行き届き国の治安が保たれている。
  だからなのかこの幼馴染みも何かって言うと、このアゼル・バイン総督の事になるとウザくなる。 
 (僕にとっては、迷惑な話しなんだけどね。)

 「カルム!なにボケッとしてやがる!さっさとしろよ!」 
 「ユージン!そんに急がないでって!まっててっば!」
 「いい場所が取れなかったらオマエのせいだからな!」 
 
 ユージンは、人混みをかき分け、どんどん先に行ってしまう。 追いつくのがやっとだ。
 
 「なんで、僕のせいになるんだよ!ユージンが悪いんだろ!寝坊なんかしたりするから!」
 「いいや!カルム!オマエが悪い!俺を起こしに来なかったオマエが悪い!」
 「なッ!ひどい言い掛かりはやめてよね!僕は、きちんと待ち合わせの場所にいたんだからね!来ないユージンが悪いんじゃないか!」
 「来るのが遅かったら迎えに来い!俺を起こしに来い!」
  (理不尽すぎるんだけど。僕が何をしたっていうんだ。)
 「絶対、遅くまで起きてたんだろ!だから、起きれなかったんだよね!」
 「しょうがねぇだろ!今日が楽しみすぎて寝れなかったんだから!」
 「小さな子の遠足気分みたいだね。楽しみ過ぎて寝れなかったなんて。」
 「まぁな。とにかく、急ぐぞ!」
   そんな彼の背中を見ながら僕は、小さくため息をついた。



 「カッコよかったなーぁ。アゼル・バイン総督!」
 「そっか~?」
 「なんでお前はいつもそうなんだよ!」
 (そんな事言われても、僕はまったく興味がないんだから仕方がないだろ。)

   先程の大広場での演説を思いだしユージンは、すっかり陶酔しきっていた。
 沢山の人達も国王陛下やアゼル・バイン総督たちの演説を聞き入っていた。
 (オマエは、夢見る乙女なんですか?キモすぎるんですけど!)
 
 「なぁ、カルム。」
 「んぁ?な~ぁ~に~ぃ?。」
 「俺さぁ。騎士団に入ろうと思うんだ!入隊してアゼル・バイン総督の部下になるんだ!」
 「そっか~ぁ。はいれば~ぁ?すごいや~ぁ。たいしたもんだね~ぇ。えらいな~ぁ。」
 「今の完全に俺のことバカにしただろ?カルム!」
 「バカになんてするわけないじゃんか!ユージン!呆れてるだけなんだからさぁ。」
 「なんか、ムカついたからお前も一緒だからな!」
 「やだよ!僕は、興味ないもん。」
 「けっていです!」
 「絶対、イヤだね!」 
  
 僕達の国では19才になれば、1人前の大人として認めて貰えるんだ。(ただし、お酒などは20才に成らないと飲めないんだけどね。)
 19才に成れば、騎士団になるための試験を受けることが可能になる。あと2ヶ月で僕たちは、19才になるため受けることが可能になる。

 「入隊するなら一人で勝手に入ってよ。僕まで巻き込まないでよ。お願いだから。」
 「うふふふッ♡俺とお前は、一心同体!運命共同体です♡」
 「キモチワルッ!興味ないからイヤだね。」
 「キモチワルッ!とか言うなよ。俺は、こんなにもア・イ・シ・テ・ルのに♡」
 (マジでぶん殴ってやろうかな。コイツ。)
 「ふざけんのはいい加減にしろよな!ユージン!」
 「ふざけてなんかないんだけどなぁ。」
 「はぁ~ぁ。そんな事よりユージン。オマエ試験どうすんのさぁ。受けるのか?」
 「受けるし、受かる自信もある。気合いで乗り切るから大丈夫だ!」
 「気合いで乗り切るって…。」

(無理だ!絶対に無理だ!気合いなんかで合格なんか出来るはずなんかない!気合いで乗り切って試験が受かるなら誰でもやっているだろうよ。誰かこのバカに教えてやってくれ!世の中そんなに甘くないということを。)


 騎士団になるには、いくつかの試験があるんだけど、剣術、武術、体術、魔法、馬術、獸術と色々あるんだけど、その中から自分の得意分野を活かしつつ試験が行われている。 
 (能力検定の様なものもあるらしいんだけど。)
 試験を受ける者は、何回受けてもかまわないのだけれど、受講は1年に1回のみで、年2回設けられている。
 この試験で、不適合者だと判断をされた者は、もう試験を受けることは不可能になってしまう。かなり厳しい試験らしいのだが。
(簡単にコイツが受かるようならば、毎年何百人と不合格者は出てはいないはずなんだけどなぁ。それに、合格したその後の訓練なんかがかなり厳しいらしく、半数以上がついていけずに辞めてしまうって、父さんから聞いたことがあるんだけど、わかってんのかなぁ。ユージンは?絶対わかってないよなぁ…。)


 「そんな事よりも、い・ま・は!祭りを楽しもうぜ!カルム!」
「そうだね。向こうに美味そうな屋台があったよ! あれ絶対、ユージンが好きそうなヤツだったよ!」
 「マジか!さっき来る時チラッと見えたんだが、面白そうな大道芸もやっていたぞ!どっから見ていく?」
 「う~ん。そうだなぁ。取り敢えず順番に見て回って、美味そうなところや面白そうなところは覗いてみようかなって思うんだけど、どうかな?」
 「そうするか!」
 「色んな場所から来ているからなのか、初めて見るものなんかも多いよね!あれなんて言うやつなんだろう?初めて見るやつだよね!」
 「初めて見るやつだな。楽しいよな!いろんな場所の色んなものが集まるのって!やっぱいいな!」
 「「これ!うまい!!」」
 
   「「アハハハハッ!」」

  



  珍しいものが多く、僕達ははしゃぎながらみてまわった。
 普段は、あまり目にすることのない珍しい物も店先に並んだりしていた。沢山の人達が色々な店先に集まり、思い思いに買い物をしたり、見物したりしていた。
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