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松川航の劣情
梨奈との再会
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そこから俺は決心の通り、この数か月の逢瀬が嘘のように梨奈さんの部屋に行かなくなった。マトリョーシカの人形は相変わらず置かれていない時がある。それを見るとあの逢瀬の日々を思い出し、気持ちがぐらついてしまいそうになる。しかし、すぐに邪念を振り払い、なるべく気にしないように過ごしていた。
それから暫くは、紗希との子作りに励んだ。休みが一緒になった日はもちろん、被らない日の夜も、仕事終わりに勤しむこともあった。
そうやって過ごすうち、3ヶ月程で紗希が妊娠したことが分かった。紗希との間に子供が出来たことが純粋に嬉しかったし、紗希も不安もありながら嬉しそうだった。
梨奈さんとの事も、自然に忘れていくだろう……そう信じて、紗希との幸せを噛み締めていた。
そんなある日。俺だけが休みの休日に買い物に出かけようと玄関の外に出た。
季節は少し肌寒くなり始めたころ。コンビニに行くのに、上着を羽織った方がいいか迷いながら、扉を閉め歩き出した時、ガチャリと隣の家のドアが開いた。そう、望田家のドアだ。
「あ……どうも」
「……こんにちは。」
そこには、梨奈さんが立っていた。厚めで少しゆったりした白いニットにタイトスカート、黒いタイツを履いた梨奈さんは、俺がいることに少し驚いているようだった。
黙っているのも気まずいので、当たり障りない言葉をかける。
「あ……お出掛けですか?」
「……航さん、あの……少し話したいことがあって。今日は、おひとりですか?」
「ま、まあ、はい……一人ですけど……」
返事を聞くなり梨奈さんは俺の方に歩み寄り、手を引く。そして、望田家の玄関の中に引き込まれた。
扉が閉まる。室内は薄暗く、少し冷たい。
一体なんの話をされるのだろうか。突然来なくなったことに怒っているのだろうか。
まさか、俺達の間にあったことをバラそうというのか。なにか取引を持ちかけられるのか。
と悪い妄想が浮かんでくる。
梨奈さんは、すこし悲しそうな表情で佇んでいた。
「どうしたんですか、梨奈さん」
「紗希さん、妊娠したらしいですね。」
「どうやってそれを……」
「まぁお隣さんだし、紗希さんと会えば立ち話くらいはしますよ。」
切ない表情で、悲しげに笑う。
「おめでとうございます。それが原因で、会いに来てくれなくなったんですよね……?」
「はい……何も言わず急に、一方的に終わりにしたのは、申し訳ないと思ってます。」
気まずさから視線を床に彷徨わせたまま、謝罪する。
「いいんです。元々、紗希さんを大切に想い続けていることは、分かってましたから……そういうところも、いいなと思ってたから、お誘いしたんです。」
「………。」
何と答えたらいいかわからず、沈黙が流れる。
「私も、無理に関係を続けるつもりはありません。ただ、最後に一つだけ、お願いを聞いてほしいんです。本当に、最後ですから。」
そういって、梨奈さんは俺の首元に背伸びしてて腕を回す。俺は思わず少し後ずさりし、壁を背にもたれかかった。梨奈さんはそのまま俺の瞳を見つめながら、こう囁いた。
「私のことも、孕ませてください……」
それから暫くは、紗希との子作りに励んだ。休みが一緒になった日はもちろん、被らない日の夜も、仕事終わりに勤しむこともあった。
そうやって過ごすうち、3ヶ月程で紗希が妊娠したことが分かった。紗希との間に子供が出来たことが純粋に嬉しかったし、紗希も不安もありながら嬉しそうだった。
梨奈さんとの事も、自然に忘れていくだろう……そう信じて、紗希との幸せを噛み締めていた。
そんなある日。俺だけが休みの休日に買い物に出かけようと玄関の外に出た。
季節は少し肌寒くなり始めたころ。コンビニに行くのに、上着を羽織った方がいいか迷いながら、扉を閉め歩き出した時、ガチャリと隣の家のドアが開いた。そう、望田家のドアだ。
「あ……どうも」
「……こんにちは。」
そこには、梨奈さんが立っていた。厚めで少しゆったりした白いニットにタイトスカート、黒いタイツを履いた梨奈さんは、俺がいることに少し驚いているようだった。
黙っているのも気まずいので、当たり障りない言葉をかける。
「あ……お出掛けですか?」
「……航さん、あの……少し話したいことがあって。今日は、おひとりですか?」
「ま、まあ、はい……一人ですけど……」
返事を聞くなり梨奈さんは俺の方に歩み寄り、手を引く。そして、望田家の玄関の中に引き込まれた。
扉が閉まる。室内は薄暗く、少し冷たい。
一体なんの話をされるのだろうか。突然来なくなったことに怒っているのだろうか。
まさか、俺達の間にあったことをバラそうというのか。なにか取引を持ちかけられるのか。
と悪い妄想が浮かんでくる。
梨奈さんは、すこし悲しそうな表情で佇んでいた。
「どうしたんですか、梨奈さん」
「紗希さん、妊娠したらしいですね。」
「どうやってそれを……」
「まぁお隣さんだし、紗希さんと会えば立ち話くらいはしますよ。」
切ない表情で、悲しげに笑う。
「おめでとうございます。それが原因で、会いに来てくれなくなったんですよね……?」
「はい……何も言わず急に、一方的に終わりにしたのは、申し訳ないと思ってます。」
気まずさから視線を床に彷徨わせたまま、謝罪する。
「いいんです。元々、紗希さんを大切に想い続けていることは、分かってましたから……そういうところも、いいなと思ってたから、お誘いしたんです。」
「………。」
何と答えたらいいかわからず、沈黙が流れる。
「私も、無理に関係を続けるつもりはありません。ただ、最後に一つだけ、お願いを聞いてほしいんです。本当に、最後ですから。」
そういって、梨奈さんは俺の首元に背伸びしてて腕を回す。俺は思わず少し後ずさりし、壁を背にもたれかかった。梨奈さんはそのまま俺の瞳を見つめながら、こう囁いた。
「私のことも、孕ませてください……」
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