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デート⑦

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「どれも美味しそうですわっ!」

「好きなのを頼んでいい。全部でもいいよ。」

「さすがにそれはっ、食べれないですし、太ってしまいますわ。」

「フィアは、もっと太ってもいい。むしろ、太りなよ」

「淑女たるもの、太ってはなりません。と教えられていますのよ?」

「いーや、それにしてもフィアは痩せている。王太子妃として忙しくなるのに、本当に心配しているんだよ?食べた分以上に、動くことになるだろう。どんどん痩せてしまうよ...」

「そうですかね...ドレスだと、コルセットもしていますし、実際そんなに食べれないのです。痩せてしまったら、考えますね!」

「痩せたと思ったら、僕が食べさせるからね?」

「えっ、それはちょっと・・・あ、これにします。でもこっちも...」

「じゃあ、両方頼んで。食べれなかったら、僕が食べるからね。」

「ありがとうございますっ」

__チリンチリン__

「はい、お決まりですか?」

「うん、これとこれと、コレくれる?全部2つずつ。あと、オススメのコーヒー3つ、紅茶が1つお願い。」

「かしこまりました。お待ちいただく間、こちらをご覧ください。こちらは、市井で人気の短編小説が書かれた新聞です。本当は小さくてカラフルな砂糖菓子をお召し上がりいただくのですが...たぶん難しいかと思いますので。」

「お気遣いありがとう。そうだね、フィアが気に入ったら、今度は呼ぶかもしれないから、そのときにお願いできるかな?」

「ありがとうございます。お待ちしています。失礼します。」
食べたかったな~私なら、食べても大丈夫そうだけどなぁ~

「フィア、食べたかったよね。ごめんね。」

「いえいえ、殿下に何かあってからではいけませんもの。」

「フィア?君は何かを勘違いしてないかい?」

「え?何をですか?」

「王族は小さい頃から毒を摂取して、耐性をつけているし、特徴も知っているから、大体は大丈夫だ。だけど、フィアは違うだろう?フィアは王妃になる方だ。その身に何かあっては、いけない。なにしろ、そんなのは俺が耐えられないんだ!」

「殿下、俺になっております。こちらには素性を知る方がいらっしゃいますから...」

「ぁあ、すまない。って、そうじゃないよ。フィア!」
あ、まずいですわ。殿下が少し怒っていらっしゃる。

「申し訳ありません。王太子妃としての仕事に穴を空けるのはいけませんものね。代わりの方は、すぐ見つかると、思いますがそれでも殿下が大変な思いをされてしまいますわ。」

「フィア!!」
あまりに冷たく呼ばれ、ビクッ!!と飛び跳ねてしまった。
隣でリクが額に手をあてている。

「殿下、少し落ち着いてください。リフィア様の言動は、殿下のせいでもあるんですから。」

「うっ...そうだな。わかった。」

「とにかく、フィアに何かあるのは嫌なんだ。気に入ったらなら、王宮に呼ぼう。だから、今日はごめんね?」
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