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別視点【門番】

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門番視点

王宮の門番に登用されて1ヶ月。
日々沢山の馬車が通る中、不審な者がいないか目を光らせている。

まあ、だいたいいつも平和なんだが。
なんせ、我が国は王家が素晴らしい。
忠誠心が高い人種だからな。

不届きものもほとんどいない。
これもこれも、陛下や王妃様をはじめ、王太子・王太子妃の努力の賜物だろう。
どちらの夫妻、カップルも、努力家で、お似合いの美男美女。

そんな王宮で働くことは、国民の皆の憧れだ。
かくいう私も王宮に勤めだしてから、見合い話しが、すごい量でくるようになった。

しかしそこは、慎重に選ばなければ。
婚約者に犯罪歴があれば、私は辞めさせられる。

むしろ、忠誠を誓って働き始めたのだ。
王家に同じような気持ちを持っている人でないと、私が受け入れられない。



そんなことを考えていると、一台の馬車がやってきた。
紋章も入っておらず、不審に思い、もう一人の門番と一緒に止めた。

馭者は、王太子様カップルが乗っているというが、ならなぜ紋章がないのか?
不審にも思い、中の方の面通しをとお願いした。

顔を出してくれたのは、まぎれもなく王太子様。陰に隠れているが、後ろに見えるのはきっと王太子妃様だろう。
自分のような下っ端にも、丁寧に対応してくれた王太子様。
それに感動していると、後ろからチョコっとのぞいて、謝ってくれた王太子妃。

下っ端にも謝られる姿に驚き、しかもあまりに可愛らしい方で、ついつい見とれてしまった。

そしたら、王太子様にクギをさされてしまった。
「フィアが可愛いのは、分かるよ。でも、渡さないからね。」

と・・・
恐れ多すぎて、私がそんな気持ちを伝えることもないのだが、私のような下っ端も王太子様はライバル認定してくださるようだ。


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