運命の番は後天性Ω

yun.

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ヒート編

最初にすることは

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慧くんの実家を出て、10分ほど車を走らせれば、俺の住んでいるマンションが見えた。
実はこの家は、慧くんと付き合えるようことになってから、引っ越したのだ。


それまでは、タワマンに住んでいて、間取りも2LDKで2人で住んでも十分な広さだったし、立地も駅から近く、人気のエリアだったのだが、ここに引っ越しを決めたのには理由がある。


ここは、α×Ωの番専用のマンションで、低層階建て。5階までしかないのだ。
タワマンより、地に足ついているほうが、安心感がある。
大事なオメガがいる場合、余計そう思う。

そのうえ各フロアに1つの住戸しかない。
廊下で誰かに鉢合わせすることもない。


管理人も24時間いて、それがオーナーのα×Ωの男性カップル。

セキュリティもオートロックで万全のうえに、地下駐車場もそれぞれ部屋のようになっていて、オートロックで駐車場への入口を開ける。中に入れば、駐車場が2台分ある。
その横にあるエレベーターは自分の部屋の階にしか止まらないで、直で部屋の玄関前へ着く。

駐車場の入口もそれぞれ別になっていて、2台分の駐車場は、ここ1階の住人の俺たち専用の駐車場だ。
だからヒートのときでも、だれにも見られずに、家まで行けるのだ。


次に慧くんの実家から、車で10分圏内。徒歩でも20分くらいだ。
やっぱり、なにかと実家に近い方が慧くんも、慧くん家族も精神的にもいいだろう。


もろもろを考慮して、ここに決めた。
空きがあって、ラッキーだった。


その住処に発情期の慧くんを連れてくることをどれだけ、待ちわびただろうか。

地下駐車場へ車を停めて、助手席側へ回り込み、慧くんをお姫様抱っこで抱き上げ、エレベーターへ乗り込み、2階の自分の家へ向かった。



自宅に入り、意識がもうろうとしている慧くんをベットへ下す。


「慧くん、軽食と飲み物をもってくるね。」


ふうふうと荒い息を吐く慧くんに声をかける。
すると、つぶっていた目を開け、小さく頷いてくれた。
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