美少女は俺

縄文人

文字の大きさ
13 / 14

俺、復習

しおりを挟む
1限が始まる前の30分間さえ市川美咲という人間は忙しい。
女子同士で話したり、課題の見せ合いをしたり、たまに男子との軽い絡みがある。

普段なら軽くこなしていることなのだろうが、今の市川美咲にはできない。

中身が違うからだ。

(………どうすれば…)

一通り女子との会話を済ませ、次の時間の準備をして席についていた。

(昨日練習したし大丈夫だったよな………?、話し方とか不自然じゃなかったよな……?)

疑心暗鬼になり周りを見る。
不審に思ってそうな人はいない。

(良かった………)

(………………………………)

(………やっぱり今日もチラチラと男子からの視線を感じる)

(た、確かに美咲ちゃんは可愛いから仕方ないとは思うけど…………確かに俺でも見ちゃうけど…)

いつもの癖で腕を前に置き顔を伏せた。周りからは寝ているように見える。

ガララと前方のドアから誰かが入ってくる音がして顔を上げる。

(あれはこの学校の古文のマドンナ高天原!)

(………そうか!ここのクラスの古文の先生は高天原か!)

高天原佳代(たかまがはらかよ),。36歳。独身。
前述通りこのJ高校の古文を担当する女教師。見た目はかなりぽっちゃりとしている。

「え~じゃあ前回最後に解いててって言ったところから始めるから~」

教壇の椅子に座るなり教室全体に伝わるように言った。

教室がざわざわとしだす。
やってきていない者が数名いるようだ。

奏もノートを見回すがもちろんやってきていない。
ノートや筆箱は美咲のものを使っている。

横の席の女子、花村千秋(はなむらちあき)に話しかけた。

「前回古文の授業があったのっていつだっけ……?」

花村はボブより少し長い髪を指で、クルクルとしながら、二日前と答えた。

(二日前……ということは俺と美咲ちゃんが入れ替わった日!)

(課題をできてなくてもしょうがないけど………)

「あ、ありがと……」

奏はできるだけ目を合わせるように言った。

「あ……うん。…………もしかして美咲、課題やってきてない?」

図星を突かれ、手をパタパタとさせながら答えた。

「きょ、今日はたまたま!たまたまだから!」

「そう………良かったら私のノート見せるよ?」

花村は書き込まれたノートを見せた。綺麗にまとめられている。

「本当に!?」

「うん。いつも美咲には世話になってるし!………でも授業始まるみたいだし席くっつけなきゃだね」

そう言って花村は自分の席をこちらに近づけ出した。

「あ、先生!私課題やってなかったんで美咲と席くっつけまーす!」

「はーい」


花村は奏自身が課題をしてこなかったにもかかわらず、容疑自分に被せた。

「いやっ、私が……」

「いいって!いいって!」

ガシッと席をつける。
いくら女子の肩幅が狭いといっても約数センチ横に女子がいる。

それだけで奏はパニックになりそうだった。

(花村千秋。昨日美咲ちゃんから来たLINEの写真のイメージとは違う…….)

(見た目はギャルっぽくて、愛想がなさそうだと思ったけど、実際話してみると気づかいが出来て良い人だ………)

(話してみると結構簡単に印象変わる……….)

後ろの席の方で、忘れたー!、と言っていた冬原も隣の席の女子に課題を見せてもらっていた。

「じゃあ授業はじめるよー」

……………
……………

(それにしても緊張する……)

(花村の息遣いが鮮明に聞こえる………)

奏があまりに花村を見すぎたため、花村が気づいた。

「美咲どうした?わかんないとこあった?」

「い、いや………別に……」

意外にも花村がよく気遣ってくれるので照れて顔を下げる。

「ふーん。ならいいけど」

それから席が近い緊張感のおかげで授業に集中できた。

2限3限も楽々とこなしていった。

(ふぅ………昼飯前の最後の授業は…………?)

「美咲!なにせきにすわってんの~?、ほれ更衣室いくよ!」

冬原が廊下から声をかけてきた。後ろに数名の女子たち。

「え、なんで……」

訳が分からず後ろの黒板をみる。

そこには体育の二文字。

「なんでって……そりゃ体育だから着替えないと!」

確かに気づけば教室にはほとんど男子しかいなかった。
着替え始めているものもいる。


「ほらいくよ!」

冬原は奏の手を取り更衣室へ連れて行った。








以下作者の一言

コメントの方で、こうしたほがいいよ、という意見を頂きました。主は初心者なので大変ありがたいです。《縄文人》


しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

幼馴染の許嫁

山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。 彼は、私の許嫁だ。 ___あの日までは その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった 連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった 連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった 女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース 誰が見ても、愛らしいと思う子だった。 それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡 どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服 どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう 「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」 可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる 「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」 例のってことは、前から私のことを話していたのか。 それだけでも、ショックだった。 その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした 「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」 頭を殴られた感覚だった。 いや、それ以上だったかもしれない。 「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」 受け入れたくない。 けど、これが連の本心なんだ。 受け入れるしかない 一つだけ、わかったことがある 私は、連に 「許嫁、やめますっ」 選ばれなかったんだ… 八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

帰ってきた兄の結婚、そして私、の話

鳴哉
恋愛
侯爵家の養女である妹 と 侯爵家の跡継ぎの兄 の話 短いのでサクッと読んでいただけると思います。 読みやすいように、5話に分けました。 毎日2回、予約投稿します。 2025.12.24 誤字修正いたしました。 ご指摘いただき、ありがとうございました。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)その後

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合つまた。 その後、大学を卒業した祐輔(ユウスケ)の新たなストーリーが始まった。 全15話を予定

離婚すると夫に告げる

tartan321
恋愛
タイトル通りです

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...