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想磨

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2-15 収納空間での暇つぶし

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 シュリの登場で気を使わなければならなくなった僕達は、少しこの町で時間を潰すこととなった。

 一応、人込みが嫌だから、という理由で急げば逃げられるかも知れないけど、それでもシュリに見つかった途端に逃げるように動くのは危ないらしい。
 もう一つ言うなら、ゲイルが彼女を苦手にしていて、やり過ごした方がいい、とごねたという事情もあった。

 と言う訳で、表向きは色々と補充するためにダラダラと何泊かすることになった。

 けど、それは少し困った問題を引き起こすこととなる。
 竜の里に行けないのは当然だけど、それよりもずっと問題となる物だ。

 簡単に言ってしまえば、シュリが居る街に滞在するという事は、うかうか『収納区間』を抜け出してダンジョンに行けないのだ。

 つまり、レベルが上ゲられない。リンはこれ以上強くならないし、僕はアイテムを作ることが出来ない。
 リンはともかく、僕にとっては致命的だ。アイテムがない僕なんて、おしゃぶりをした赤子同然じゃないか。

 このままでは何かあった時に色々と大変な事になってしまう。

 そうして、悩んだ末に考え出されたのが、レベルに頼らない強さの追求。即ち

「とりゃ」

「っとと」

 試合によって僕達の技術を向上させようと言う訳だ。


 『収納空間』の中で僕とリンは武器を手に、怪我をしないギリギリを見極めながら戦う。

 僕はそこらにあった剣を、リンは氷の洞窟で入手した大剣を使っているため、かなりの戦力差はあるものの、そこは体に染みついたシュリ式エリート教育で何とかする。

 特に攻撃を逸らし、受け流す技術はもう世界一と言い張ってもいいくらいだろう。
 常に体格差を何とかする戦い方をしてきた甲斐があった。

「まあ、そもそもこのファンタジー世界でこういうことをする人自体が少ないのだけど」

 束ねた髪をなびかせ、真上から斬りかかるリンの攻撃を受け流して、リンの首元に剣先を突き付ける。
 これをすれば普通なら終わるのだけど、ここはファンタジーの世界。

 リンは後ろに飛びながら火を吐いた。逃げざるを得なくて、僕は剣を引く。
 これだ。これこそが受け流しという技術を腐らせる要因だ。

 そもそも、剣術を使う機会があまりないのがこの世界なんだ。

 魔物退治も戦争も、剣という制約の多い武器よりも魔法を使った方が速い。
 せいぜい魔力を節約したい時のつなぎ程度にしか思われていないような気がする。

「私の一撃を受け流すとか化け物だな」

 そしてそんなものを使う時は、大抵リンみたいな大質量で戦うことになる。
 つまりこの世界の主流は魔法と剣を棍棒みたいに振るような攻撃なのだ。

「そもそもシュリの戦い方が異端なんだよね」

 飛んでくる炎を全部切り飛ばして、ため息を吐く。
 僕ももう少しかっこいい戦い方をしてみたかった。

 こういった小手先でなく、大剣を振り回したり、魔法を使ったり。

「いいなあリンは。炎も大剣も使えて」

 斜め上から来た大剣をいなして、言ってみる。

「それを易々と受けながら言う台詞かよ」

「受けたいんじゃない。使いたいの」

 と、リンが空いている腕で僕を掴んで、投げ飛ばした。
 受け身を取ると突き出された剣先が迫っている。

「っとと。駄目か」

 手を付いた状態では避けようがなくて、寸前で止まった剣を前に手を挙げた。
 これで五勝七敗。

 魔石で能力を底上げしても勝率は芳しくないのは、僕が弱いからではなくて、リンが異様に強いからに違いない。

 身体能力に加えて、口から火を吐くし、その上武器を扱う技術もある。そして不服だけど体格差が何より厳しい。
 ゲイルは小さい相手と戦うのは苦手だと言っているけど、僕の方は体格差による戦いの優位性というのは常々感じている。 

「はあ、そんな相手に五勝できるということを喜ぶべきかなあ」

「そうだな。私に勝てる子供が居るなんて里の人が聞いたら驚くと思うぜ。」

 剣を地面に置いて、リンが腕で汗を拭う。

「一応これでも一人で生きていける程度には強いんだ。なのに互角に戦えてる。多分レイはそこらの奴らよりもずっと強いぜ」 

「でもなあ」

 僕の周りの人が強すぎるのか、全然そんな気になれない。
 どちらかというと中の下という感じだ。

「ゲイルは土台がしっかりしている感じで、リンは一騎当千だし、シュリは底が見えない強さだし……全然実感が湧かないんだよなあ」

 序に言うとあの雷撃使いのクラリスも怖い位に強い。この分だと冒険者達の強さもそれはそれは凄いことになって居そうだ。

「この世界は化け物だらけだね」

「いやいや、お前の方が化け物じみているからな」

「じゃあ君達は何なの? 化け物よりもずっと強いじゃん」

「そりゃ踏んできた場数が違うからな。私は旅して二年だぜ。あのゲイルとやらも冒険者生活が長いだろう。シュリとやらは知らんけど」

「シュリはゲイルの馴染みだって言ってたから、同じくらいその場数とやらを踏んでいるのかもね」

 シュリとゲイルが一体どんな馴染み化は全然知らないけど。
 でも、二人はそんなに仲がいい訳ではないという事は分かっている。

 何せ、出会っただけでこんなに疑うくらいだもの。きっと出会う度に喧嘩をしてきたに違いない。

 一体どれだけシュリは彼を疑い続け、ゲイルは潜伏を続けるのだろうか。

「あー。早く外に出たいなあ」

「何で?」

 そう言いながら白いタオルが飛んできた。その仕業は勿論トマだった。

 僕達の試合を観戦するのが日課になっているトマと木衛門が替えのタオルを持って来てくれるのはもう何時もの事になりつつある。
 そして、トマの足元にじゃれつく木衛門を見るに、二人は僕が与り知らぬ所で友達になったらしい。いいことだ。

 トマは木衛門に乗りながら僕に再度聞いてくる。

「ここは安全で楽しいのに」

「そうだけどねえ。何というか、代り映えしないじゃん」

 ここは昼も夜もない。延々と同じ景色と時間が続くだけだ。
 何時寝ようと昼寝みたいで落ち着かない。ご飯をいつ食べるかも分からない。どうやっても体内時計が狂ってしまう。

 正直言って、皆が居なかったら『精神病』になりそうなくらいここは過酷だった。

「じゃあこれあげる。私はこれでたまに遊ぶの」

 そんな環境の中で生きて来た猛者であるトマが差し出したのは小さな瓶で、どれも無色透明だった。

「薬で遊ぶ? 嫌な響きだね」

「そんなのじゃない。三つは砂糖水。もう一つは髪の毛が異様に伸びる薬」

「髪の毛が異様に伸びるって毛生え」

「髪の毛が異様に伸びる薬。毛が生えるとか禿げ御用達とかは言っちゃダメ」

 薬と言い切る前にトマによって遮られてしまった。それに禿げ御用達とか……あ。
 そう言えば毛根へのダメージとか異様に気にしてたよね。あの人。

「この薬の効果は絶大なの。ゲイ……とある人の最終兵器と言って良い」

「兵器? 死人が出るくらい伸びるのか?」

「ううん。使ったらもう手放せないだろうから最後の最後になるまで使いたくないって」

 そういう意味での最終兵器か。と、ここで意外と常識はあるリンがトマからそれを取り上げて悪戯を叱る様にたしなめる

「そんな大事に取ってあるもんもんなら遊びで駄目だろ?」

「大丈夫。一生分は貯めてるから。少しくらい減ってもバレない」

「使う気満々じゃねえか! ゲイルさん!」

 いつもはボケ気味のリンですら思わず突っ込む状況だった。
 それもう使ったら自分がそうだと認めてしまうとかいうそんな意地で飲んでないだけだって丸分かりだった。

「とにかく買い込むだけ買い込んで使ってないから平気なの。これでクジをするの」

「……そっか」

 つまりロシアンルーレットみたいなものか。
 でも、そのロシアンルーレットをトマは一人でやっていた訳で……。
 うん。それには触れない方が彼女の為なのだろう。

 一先ず休憩がてらそのゲームをやってみる。

 三人と一匹が輪になって地べたに座って、その真ん中に鎮座するのは四つの薬瓶。
 どれもコルクの栓がしてあって、形状も同じで、中身も透明で、違いはない。

「私は訓練したいんだけど。それか飯食うか」

「リンは少し休憩してからの方がいいよ。最近ずっと訓練続きだったし」

「砂糖水には栄養補給の効果もあるの」

「キシャ」

 皆が皆口々に言いながら薬瓶を取る。木衛門は咥えている。

「で、これに負けた人には何があるの? 罰ゲームとかは?」

「負け自体がもう罰ゲームなの」

「何だそりゃ」

「飲めば分かる」

 トマに言われるまま一気飲みしてみる。

「あ、甘い」

「私のも甘い」

「……」

「……何か頭が重い」

 リンが言ったので隣を見ると、確かにとても重そうだった。

 こういう表現が正しいのか分からないけど、直線距離にして大体五メートルほど中心から毛が伸びている。
 灰色の髪が異様なまでに伸びている様は、ある意味壮観だった。

 というか僕達は髪の中に埋もれて居た。

 リンが首を横に傾けると、僕の周りの髪が引きずられうぞうぞと蠢く。
 反対に動かせばトマの周りの髪がまたうぞうぞと。
 後ろに傾けると木衛門の頭が微かに見える程度にうぞうぞ。

「おい、これ動けねえんじゃねえか?」

「大丈夫一日したら千切れる」

「そっか。……いや一日潰れるのかよ」

 何とか髪を掻き分けて、リンが立ち上がると、僕達の周りから少し髪の毛が引いていく。

「うわっ。動き辛い。これどうすんだよ……。てかなんかお腹減ってきた。めちゃくちゃ減ってきた……」

 そう言うと立ったリンが直ぐにうずくまって髪の中に埋もれてしまう。
 その中で異様に大きいお腹の虫だけが鳴り響いている。

「ねえあれって」

「うん。栄養が全部髪の毛に行ったからだね」

 ……何だか嫌な予感がしてきた。

「腹減って、腹減って」

「……さて、僕は少し遠出しようかな」

「私も行ってくる」

「シャ」

「飯……どこだああああ!!」

 僕達は一斉に逃げ出した。

 後ろを見れば髪の毛の塊が追っていて、その中にギラリと輝く目が二つ。
 空腹に理性が飛んで完全な化物になっている。

 僕の知っているリンじゃない。というか、あれは本当にリンなのか?

「トマ! 兵糧は!?」

「もうない。全部リンが食べちゃった。ここにあるタンパク質は私達だけ」

「物騒なこと言わないで! というかリンでもそこら辺の分別きちんとついてるから!」

「本当? あれに分別があるの?」

 トマが指差す灰色の塊は、毛を絡ませた手足でこちら目掛けてずんずんと迫ってきている。
 正直言って今の彼女を信じろと言われて、素直にうなずけない。

「多分、あるけど、万が一を考えて逃げよう!」

「賛成」

 という結論に至った瞬間、トマが僕の背中に飛びつく。

「うわっと。いきなり何!?」

「もう走れない。足が痙攣してる」

「体力なさすぎでしょ!?」

「引きこもりに体力面を求めちゃいけない」

「自慢することじゃないよ! てか軽い! 異様に軽い!」

「当たり前。私はスタイルがいい」

 どう見てもスタイルを語る年齢には見えないし、むしろこの年齢ならもっと食事して太るべきな気がする。

「グラララアアアア!」

「ひいい! リンはもう少し節制して!」

 『収納空間』の中にある大量に積まれた椅子の山に身を隠す。何であるかは分からないけど助かった。
 今のあれは目に映る全ての生き物が食べ物に見えている可能性がある。すっごい荒唐無稽な話だけどそれも有り得るくらい今のリンは怖い。

 今は視界に入らないようにしないと。

「メエエエシイイイイ!」

 けど、あの化け物は中々に厄介で、背中の椅子の山が吹っ飛んだ。
 更にその飛び散る椅子の隙間から僕達を見つけたらしい。

「飯イイイイ!」

 椅子を跳ね除けてながら一気に飛び掛かってきた。
 まるで雨粒を弾くように宙を舞う椅子を破壊して来るそれに、僕達は顔を青ざめさせる。

 もう恐怖に押されるままに伏せていた。
 そしてそれで何とか首の皮一枚繋がった。灰色の毛玉が僕達の真上を通り過ぎたのだ。

 それは狙いが随分と上にあったことを意味していて

「あ、頭を狙ってきた?」

 殺意の証明でもあった。

「あれはもうリンではない。確実に獲物を狩ろうとする一匹の獣だ。諦めろ」

「何か深刻な話に持って行ってるけど、そもそもあれはお腹が減ってるだけだから!」

 今度は甲冑の山の裏に飛び込む。今度は重いから大丈夫。
 という安心ごとそれを吹っ飛ばして、リンが手を伸ばす。

「くそっ!」

 その手を掴んで、手首をひねり、関節を決めてみる。
 どれだけ筋力があろうと関節を決めてしまえば無力化は出来る筈。

 と思ったけど

「飯飯飯イイイイイイ!」

「うわああ!」

「ぐえっ」

 やっぱり力が強いと技も何も関係ない。
 しかも僕が密着したせいで魔石の有効範囲に入ったらしく、凄い力で払われてしまった。

 灰色毛玉が覆いかぶさり、僕はそれに手を突っ張って必死に抵抗する。

 と、いつの間にか鎧の中に隠れていた木衛門と目が合う。

「も、木衛門助けて!」

「シャアア」

 けど、何を思ったか彼は引っ込んでしまった。

「ちょっと待ってよ! 同じ暴食魔人でしょ!」

「シャアア」

 何となく言いたいことが分かった。

 あんな化け物と一緒にするな、だ。

「分かるよ。分かるけどってうわあああ!」

 手が払われて、遂に化け物が僕を捕まえる。
 奴が勢いよく僕の頭を掴んで持ち上げて、吠えた。

「飯、何処だあああ!?」

「ギャアアアアア!」

 絶対食われる。無いって言った途端に食われる。
 思わず目を閉じると、急にリンの手から力が抜けるのを感じだ

「あああああ……」

 そして、唐突に灰色化け物が倒れた。

「……あれ?」

 僕は全然攻撃を加えていないし、トマは押し倒された拍子にノックダウンしたし、木衛門も鎧から動いていない。
 どうしたのだろう。倒れた灰色の髪束を恐る恐るかき分けてみる。

「……」

 リンは白目を剥いて、気絶していた。
 それは多分、エネルギー切れだった。

「……砂糖水でも飲ませておこう」

 髪束を元に戻して、僕は砂糖水を探した。
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