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2-20 変わったものと変わらぬ目標
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ゆらゆらする感覚に思考が呼び覚まされる。
何故か分からないけど、僕は誰かの背中に背負われているみたいだった。
久々の感覚だなあなんて思っていると、その人が僕を背負い直す。
僕を背負う人は背負い慣れていないらしい。その拍子に額を強かに打ってしまった。
とても硬い衝撃と一緒に、一気に思考が覚醒して眠る前の記憶が戻る。
そうだ。僕は一か八かの賭けに出て、気絶したのだった。
なら賭けの結果は、この背中は一体誰の物だろうか。
リンにしては背中が狭いし、敵の騎士にしても小さい。……というか誰だ。
小さい。圧倒的なまでに小さすぎる。十歳の僕が背負われてギリギリ収まるくらいの大きさだ。
つまり同じくらいの子供だ。だとすると、ギルとかミミルとか、まさかのトマか。どちらにせよ、ややこしい団体につかまってしまったことには変わりない。
うっすらと目を開けると、木の壁があった。
ああ、こっちは壁だったか。なら反対に僕を背負っている背中があるはずだ。
そちらに頭を向けようとして、僕がまだ寝ぼけていることに気付いた。
同時にこの人間がとても奇妙な存在だということにも。
だって絶対に背中がある筈の場所に木の壁があるのだ。どう見ても可笑しい。
一体どんな人間が背負っているのか。そもそもこれは人間なんだろうか。目の前に何で背中じゃなくて原木そのままの木があるんだろうか。
想像が出来ない。というかおおよそ人間とは思えない。もう怖くて正面を向けられない。
「お、起きたか」
混乱する状況の中、聞き覚えのある声がして救われた。
縋る様にそちらを見てみる。リンが猪の足にかぶりつきながら歩いている。
お行儀が悪いということは今は捨て置いて、リンが隣に居るということだけに注目しよう。
つまりこの奇天烈な人間っぽい化け物は、リンではない。
「大変だったんだぜ。あの水の塊からお前を引きずり出して、モクちゃんを探し出して。……起きてるよな?」
「う、うん。大丈夫。起きてる。……モクちゃん?」
モクちゃんって誰だ。まさか今僕を背負っている人がモクちゃんなのか。
「あの、モクさんって」
「ん? ああ、木衛門だよ」
何だ。てっきり背負っている人間だと思っていた。
でも木衛門も無事に脱出できたのか。あれには今回も僕の背中を守ってくれたりと色々とお世話になったし、後でご飯をいっぱい上げないと。
それにあれも少し似たような外見をしている。この背負ってくれている人間と、もしかしたら話が合うかも知れない。
「それで、その、そろそろ僕を背負ってくれている人を紹介してくれないかな?」
「何言ってるんだ?」
訊ねた僕に、リンが不思議そうに答える。
「木衛門なら、今お前を背負ってくれてるだろ?」
……は?
「いや、それはないよ。だって木衛門には前足はあっても手はないし、そもそも二足歩行できないし」
言いながら改めて、前を見てみる。
僕が原木の壁だと思っていたものは木製の背中だった。その上にはいくつもの小さな板を重ね合わせたような木製の首と、ツルツルの木の頭がある。
そしてそれが振り返ると、その頭にギザギザの口とそこから覗く舌、二つの穴からは眼が覗いている。
その眼には見覚えがあった。何を隠そう木衛門のそれだ。
結論として、これは木衛門であり、リンの言っていることが正しいということであり
「うええええええええ!?」
驚愕の事実だった。
いやいやいや、何がどうしてこうなった。
木の壁だと思って当然だった。だってある意味木の壁だもの。
お世話になったというか、お世話になっているだったもの。
というか、話が合うというか思想すらぴったり合致するよ。本人だもの。
「何で歩いてるの!? 何で手があるの!? というか何で妙に人間らしくなってるの!?」
「まあ、色々あったんだよ」
木衛門から飛び降りて詰め寄る僕に、リンが回想を始めた。
木の壁が大量の水に包まれた時、リンは直ぐに直感した。
これだけの魔法を使うということはレイがかなり切羽詰まった状態だ、と。
そして木の壁を回って僕を見つけ、直ぐに回収しようとして
「それは止めてもらいたい。折角このやんちゃな子供を捕まえたのだから」
アスロと兵士達に妨害された。彼らは水の壁と化したそこから抜け出して、新たな木の柱を幾つも立て、そこに陣取っていたのだ。
「そんなちっぽけな木で私を妨害できるとでも?」
「妨害出来るし、交渉の時間だって稼げるさ。どうだ? いい加減彼の事は諦めてくれないか? 俺だって竜族とはことを構えたくないし、そもそもお前に奴を助ける義理はないはずだ」
「義理が無ければ助けちゃいけないのか?」
「普通は助けないな。ましてや犯罪者などは」
「そうか。私の常識とは違うらしい。人助けに理由は要らないし、自分が正しいと思ったことをしろと教わっている」
「法律に反しない程度で、と言われなかったか?」
「言われてないな。それに法律に反してるなら法律が間違っているんだろ」
「残念ながら法律は正しい間違っているということは関係ないと、俺は考えている。正義だの悪だのという、不確かなものには左右されてはいけないものなのだよ。お嬢さん」
「そうか。全く考えが合わないな」
「交渉決裂か。全く竜殺しなんて役じゃないんだが」
「私もお前と戦う気はない!」
と言って、リンが奇襲気味に僕目掛けて飛び出した。
動きを予測していたのか、リンに兵士達の剣と、アスロの木槍が迫ってくる。
だが、そこに割り込む影。
「キシャアアア!」
大地を踏みしめ兵士をまとめて殴り飛ばし、木の槍をかみ砕く、モクちゃんだった。
「って、木衛門が人になったシーンが丸々飛んでるよ!」
僕は何で木衛門がモクちゃんになったかと聞いたのに、最後の最後まで引っ張って唐突に人体化してるなんて期待外れだ。
僕はその過程を知りたかったのに。というか、アスロの価値観なんて知りたくもなかったよ。
「いやいや、そもそもモクちゃんはずっと人の形で戦ってたぞ」
「え、それ本当に?」
「うん。確かレイの後ろで戦っている時は、妙な技でポンポンと兵士を投げ飛ばしていたな」
「投げ技とっくに習得済みなんだ!?」
それは僕がシュリの地獄的授業から必死に学んだことなのに。
あっさりと真似られて、何だかもやもやしてくる。
「そう言えば何でモクちゃんなの? 普通もっくんとかでしょ」
「いやいや、女の子だって本人が言ってるもの」
「木衛門は話さないよ」
「じゃあこいつの下見てみろよ」
言われて、下を見てみる。
モクちゃんは、木で出来たスカートを履いていた。
そして見られていることを自覚したのだろう。歩いている最中でくるりと回って見せた。
木製な為、全く揺れないけど、女の子らしい素振りだ。
「雄弁だろ?」
「雄弁だね」
これは認めざるを得ない。女の子だ。たとえギザギザの歯が生えていても女の子だ。
ということは、木衛門はただの一本の木から木製トカゲになって、そこから更に木製の女の子になったということか。
とんでもない進化だ。というかどうしてそんなことになったんだろう。
まあ、そも祖茂トカゲになった時点で可能性の塊になってはいたけれど。
「このまま行ったら、モクちゃん凄いことになりそうだね」
「そうだな。とそろそろいいかな?」
「何が?」
「飛ぶんだよ。今は兵士の目を気にしていたけど、そろそろ急がねえと間に合わねえ。本当に戦争が起きてるっていうなら異常事態だからな」
そうだった。僕達は竜の里に行くところだった。
木衛門の進化は一先ず置いておいて、急がないといけなかった。
僕が目的を思い出して彼女の方を見ると、リンは邪魔になる髪をまとめて、背中から羽根を出している所だった。
「モクちゃんの事は今は置いておいて、急いで行くぜ」
「色々と知りたいことがあるけど、分かった」
リンが差し出した手を握ると、僕の体は浮く。
シュリ、アスロ、その他諸々の問題はあるものの、僕達の目指す場所は変わらない。
リンの故郷を目指して、僕達は今度こそ一直線で向かった。
何故か分からないけど、僕は誰かの背中に背負われているみたいだった。
久々の感覚だなあなんて思っていると、その人が僕を背負い直す。
僕を背負う人は背負い慣れていないらしい。その拍子に額を強かに打ってしまった。
とても硬い衝撃と一緒に、一気に思考が覚醒して眠る前の記憶が戻る。
そうだ。僕は一か八かの賭けに出て、気絶したのだった。
なら賭けの結果は、この背中は一体誰の物だろうか。
リンにしては背中が狭いし、敵の騎士にしても小さい。……というか誰だ。
小さい。圧倒的なまでに小さすぎる。十歳の僕が背負われてギリギリ収まるくらいの大きさだ。
つまり同じくらいの子供だ。だとすると、ギルとかミミルとか、まさかのトマか。どちらにせよ、ややこしい団体につかまってしまったことには変わりない。
うっすらと目を開けると、木の壁があった。
ああ、こっちは壁だったか。なら反対に僕を背負っている背中があるはずだ。
そちらに頭を向けようとして、僕がまだ寝ぼけていることに気付いた。
同時にこの人間がとても奇妙な存在だということにも。
だって絶対に背中がある筈の場所に木の壁があるのだ。どう見ても可笑しい。
一体どんな人間が背負っているのか。そもそもこれは人間なんだろうか。目の前に何で背中じゃなくて原木そのままの木があるんだろうか。
想像が出来ない。というかおおよそ人間とは思えない。もう怖くて正面を向けられない。
「お、起きたか」
混乱する状況の中、聞き覚えのある声がして救われた。
縋る様にそちらを見てみる。リンが猪の足にかぶりつきながら歩いている。
お行儀が悪いということは今は捨て置いて、リンが隣に居るということだけに注目しよう。
つまりこの奇天烈な人間っぽい化け物は、リンではない。
「大変だったんだぜ。あの水の塊からお前を引きずり出して、モクちゃんを探し出して。……起きてるよな?」
「う、うん。大丈夫。起きてる。……モクちゃん?」
モクちゃんって誰だ。まさか今僕を背負っている人がモクちゃんなのか。
「あの、モクさんって」
「ん? ああ、木衛門だよ」
何だ。てっきり背負っている人間だと思っていた。
でも木衛門も無事に脱出できたのか。あれには今回も僕の背中を守ってくれたりと色々とお世話になったし、後でご飯をいっぱい上げないと。
それにあれも少し似たような外見をしている。この背負ってくれている人間と、もしかしたら話が合うかも知れない。
「それで、その、そろそろ僕を背負ってくれている人を紹介してくれないかな?」
「何言ってるんだ?」
訊ねた僕に、リンが不思議そうに答える。
「木衛門なら、今お前を背負ってくれてるだろ?」
……は?
「いや、それはないよ。だって木衛門には前足はあっても手はないし、そもそも二足歩行できないし」
言いながら改めて、前を見てみる。
僕が原木の壁だと思っていたものは木製の背中だった。その上にはいくつもの小さな板を重ね合わせたような木製の首と、ツルツルの木の頭がある。
そしてそれが振り返ると、その頭にギザギザの口とそこから覗く舌、二つの穴からは眼が覗いている。
その眼には見覚えがあった。何を隠そう木衛門のそれだ。
結論として、これは木衛門であり、リンの言っていることが正しいということであり
「うええええええええ!?」
驚愕の事実だった。
いやいやいや、何がどうしてこうなった。
木の壁だと思って当然だった。だってある意味木の壁だもの。
お世話になったというか、お世話になっているだったもの。
というか、話が合うというか思想すらぴったり合致するよ。本人だもの。
「何で歩いてるの!? 何で手があるの!? というか何で妙に人間らしくなってるの!?」
「まあ、色々あったんだよ」
木衛門から飛び降りて詰め寄る僕に、リンが回想を始めた。
木の壁が大量の水に包まれた時、リンは直ぐに直感した。
これだけの魔法を使うということはレイがかなり切羽詰まった状態だ、と。
そして木の壁を回って僕を見つけ、直ぐに回収しようとして
「それは止めてもらいたい。折角このやんちゃな子供を捕まえたのだから」
アスロと兵士達に妨害された。彼らは水の壁と化したそこから抜け出して、新たな木の柱を幾つも立て、そこに陣取っていたのだ。
「そんなちっぽけな木で私を妨害できるとでも?」
「妨害出来るし、交渉の時間だって稼げるさ。どうだ? いい加減彼の事は諦めてくれないか? 俺だって竜族とはことを構えたくないし、そもそもお前に奴を助ける義理はないはずだ」
「義理が無ければ助けちゃいけないのか?」
「普通は助けないな。ましてや犯罪者などは」
「そうか。私の常識とは違うらしい。人助けに理由は要らないし、自分が正しいと思ったことをしろと教わっている」
「法律に反しない程度で、と言われなかったか?」
「言われてないな。それに法律に反してるなら法律が間違っているんだろ」
「残念ながら法律は正しい間違っているということは関係ないと、俺は考えている。正義だの悪だのという、不確かなものには左右されてはいけないものなのだよ。お嬢さん」
「そうか。全く考えが合わないな」
「交渉決裂か。全く竜殺しなんて役じゃないんだが」
「私もお前と戦う気はない!」
と言って、リンが奇襲気味に僕目掛けて飛び出した。
動きを予測していたのか、リンに兵士達の剣と、アスロの木槍が迫ってくる。
だが、そこに割り込む影。
「キシャアアア!」
大地を踏みしめ兵士をまとめて殴り飛ばし、木の槍をかみ砕く、モクちゃんだった。
「って、木衛門が人になったシーンが丸々飛んでるよ!」
僕は何で木衛門がモクちゃんになったかと聞いたのに、最後の最後まで引っ張って唐突に人体化してるなんて期待外れだ。
僕はその過程を知りたかったのに。というか、アスロの価値観なんて知りたくもなかったよ。
「いやいや、そもそもモクちゃんはずっと人の形で戦ってたぞ」
「え、それ本当に?」
「うん。確かレイの後ろで戦っている時は、妙な技でポンポンと兵士を投げ飛ばしていたな」
「投げ技とっくに習得済みなんだ!?」
それは僕がシュリの地獄的授業から必死に学んだことなのに。
あっさりと真似られて、何だかもやもやしてくる。
「そう言えば何でモクちゃんなの? 普通もっくんとかでしょ」
「いやいや、女の子だって本人が言ってるもの」
「木衛門は話さないよ」
「じゃあこいつの下見てみろよ」
言われて、下を見てみる。
モクちゃんは、木で出来たスカートを履いていた。
そして見られていることを自覚したのだろう。歩いている最中でくるりと回って見せた。
木製な為、全く揺れないけど、女の子らしい素振りだ。
「雄弁だろ?」
「雄弁だね」
これは認めざるを得ない。女の子だ。たとえギザギザの歯が生えていても女の子だ。
ということは、木衛門はただの一本の木から木製トカゲになって、そこから更に木製の女の子になったということか。
とんでもない進化だ。というかどうしてそんなことになったんだろう。
まあ、そも祖茂トカゲになった時点で可能性の塊になってはいたけれど。
「このまま行ったら、モクちゃん凄いことになりそうだね」
「そうだな。とそろそろいいかな?」
「何が?」
「飛ぶんだよ。今は兵士の目を気にしていたけど、そろそろ急がねえと間に合わねえ。本当に戦争が起きてるっていうなら異常事態だからな」
そうだった。僕達は竜の里に行くところだった。
木衛門の進化は一先ず置いておいて、急がないといけなかった。
僕が目的を思い出して彼女の方を見ると、リンは邪魔になる髪をまとめて、背中から羽根を出している所だった。
「モクちゃんの事は今は置いておいて、急いで行くぜ」
「色々と知りたいことがあるけど、分かった」
リンが差し出した手を握ると、僕の体は浮く。
シュリ、アスロ、その他諸々の問題はあるものの、僕達の目指す場所は変わらない。
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