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パニッシュ・パーティ1
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マサキさんやタカシさんがしばらくは周囲を警戒してねって忠告してきた。
アヤとクミちゃんに情報を聞いたあの日から何やらいろいろと動いてくれているらしい。
この間、居酒屋で合流した商店街の若手たちもマサキさんやタカシさんから事情を聴いて
そういう事なら参加したいと名乗りを上げてくれているっていう話なんだけども、私が
すっかり蚊帳の外状態になってしまっていて、どんな計画なのかは知らされていない状態。
私が知らないっていう事が計画のキモになるんだそうだ。我慢するしかない
…………けどなんかさみしいなぁ。
私は何も知らなかったで押し通すというならば、私以外の人たちがなにか罪に問われることにならないか心配なんだけど、そういう事はないから大丈夫と笑顔で押し切られる。
うーーん。マジ何やるつもりなんだろう、心配。
とにかく、私が知ることで足手まといになるんだったら、言われた通りにするしかない。
しばらくは、周囲を警戒しながら生活を送ることになった。
☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・
タカシさんが配達のついでに来てくれて、とにかくコトは順調に進んでいるよと途中経過を教えてくれている。今のところ外出が心配ってことで配達を請け負ってくれてくれているっていう申し訳ないことになっている。
相変わらず詳しいことは知らされていないので何とも言えないけど心配だ。
「ユキちゃん、最近元気ないわねぇ」
エミさんが心配そうに声をかけてきた。
「うん。大丈夫なんだけどね。ええっと、お昼、作ろうか?」
最近は、エミさんから直々にご指導いただいて料理を習っている。
英会話も少しづつだけど教えてもらって、勉強は学生時代以来だからなんか新鮮。
大人になってからの方が理解が速い気がしているけど、物覚えは格段に下がってる気がする。
この間、エミさんに簡単な焼きナスを教えてもらったんだけど中々おいしかった。
単にナスを輪切りにしてごま油を敷いたフライパンで両面焼いたところにしょうが醤油をかけるだけっていう
簡単なレシピだった。普通、焼きなすってアルミホイルにくるんでグリルで焼いてそのあと水につけて皮をむくっていうのが定番なんだけど、皮には栄養があるからってそのまま食べれるように工夫したんだそう。
結局、今日のお昼は焼きなすとそうめんにした。
そうめんも、人によって好みのゆで具合があるから難しい。
そんなことを考えていると、スマホが鳴る。
着信は弟のユウキからだった。珍しい。あれから何か月、お母さんから話はちらっと出ることもあるけど、声を聴くのは久しぶり。なにか緊急の用事があるのだろうか。
「ユウキ、どうしたの?」
【ねーちゃん、久しぶり。元気でやってんの?】
「まぁね。なんか用なの?」
本題をなかなか口にしないようだけど、言いにくいことなのかなぁ?
【あのさ、ねーちゃんの同僚のあいちゃんっていたじゃん】
「うん? なに?なんかあったの?」
【今、何してるか聞いてる?】
ん???なんでユウキがそんなこと聞くんだ?
「なんで?」
【俺のツレの兄さんが、探してるんだ】
はあ??意味が分からない。
「なんで探してるの?それ、やばい人?」
【うーーん。事情はねーちゃんにも言えないんだけど、とにかく真面目そうな人だよ】
「知ってるも何も、テルと結婚するじゃない。知らなかったの?」
【!!!!マジか!!!】
いや、マジかはこっちのセリフだよ。知らなかったって鈍いにもほどがあるわ。
【じゃぁ、テル兄が二股していた相手って……】
「そうよ、今更。ユウキ ほんとその鈍さは特別天然記念物並よ」
ユウキ、電話口で二の句が告げられない様子だった。
「今の居場所は私にはわかんないよ、こっちにいるわけだから。アヤにでも聞いたら?」
ユウキは、力なくそうする、と電話を切る。
わが弟ながら本当に周囲に興味がわかないのかな。うわ。ないわー。
あきれ返っていると、エミさんから声がかかる。英語のレッスンの時間らしい。
エミさんは、昔から教えるってことがすごく上手なんだそうだ。
通訳やってる時も、いろんな人に日本の文化的なことを説明したりそれぞれの国との比較を長所短所織り交ぜて話をしていたのだそうでわかりやすく親切、と評判だったんだそうだ。
たまにネイティブの発音の練習ってことでビデオ通信ソフトを使って海外在住のエミさんの友人に協力してもらって世間話をさせてもらっている。
{夏休みにでもこっちにいらっしゃい、見せたいところがたくさんあるのよ}
にっこり笑って誘ってくれた。一度海外に行くのもいいなぁ。パスポート取っとこう。
アヤとクミちゃんに情報を聞いたあの日から何やらいろいろと動いてくれているらしい。
この間、居酒屋で合流した商店街の若手たちもマサキさんやタカシさんから事情を聴いて
そういう事なら参加したいと名乗りを上げてくれているっていう話なんだけども、私が
すっかり蚊帳の外状態になってしまっていて、どんな計画なのかは知らされていない状態。
私が知らないっていう事が計画のキモになるんだそうだ。我慢するしかない
…………けどなんかさみしいなぁ。
私は何も知らなかったで押し通すというならば、私以外の人たちがなにか罪に問われることにならないか心配なんだけど、そういう事はないから大丈夫と笑顔で押し切られる。
うーーん。マジ何やるつもりなんだろう、心配。
とにかく、私が知ることで足手まといになるんだったら、言われた通りにするしかない。
しばらくは、周囲を警戒しながら生活を送ることになった。
☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・゜☆.。.:*・
タカシさんが配達のついでに来てくれて、とにかくコトは順調に進んでいるよと途中経過を教えてくれている。今のところ外出が心配ってことで配達を請け負ってくれてくれているっていう申し訳ないことになっている。
相変わらず詳しいことは知らされていないので何とも言えないけど心配だ。
「ユキちゃん、最近元気ないわねぇ」
エミさんが心配そうに声をかけてきた。
「うん。大丈夫なんだけどね。ええっと、お昼、作ろうか?」
最近は、エミさんから直々にご指導いただいて料理を習っている。
英会話も少しづつだけど教えてもらって、勉強は学生時代以来だからなんか新鮮。
大人になってからの方が理解が速い気がしているけど、物覚えは格段に下がってる気がする。
この間、エミさんに簡単な焼きナスを教えてもらったんだけど中々おいしかった。
単にナスを輪切りにしてごま油を敷いたフライパンで両面焼いたところにしょうが醤油をかけるだけっていう
簡単なレシピだった。普通、焼きなすってアルミホイルにくるんでグリルで焼いてそのあと水につけて皮をむくっていうのが定番なんだけど、皮には栄養があるからってそのまま食べれるように工夫したんだそう。
結局、今日のお昼は焼きなすとそうめんにした。
そうめんも、人によって好みのゆで具合があるから難しい。
そんなことを考えていると、スマホが鳴る。
着信は弟のユウキからだった。珍しい。あれから何か月、お母さんから話はちらっと出ることもあるけど、声を聴くのは久しぶり。なにか緊急の用事があるのだろうか。
「ユウキ、どうしたの?」
【ねーちゃん、久しぶり。元気でやってんの?】
「まぁね。なんか用なの?」
本題をなかなか口にしないようだけど、言いにくいことなのかなぁ?
【あのさ、ねーちゃんの同僚のあいちゃんっていたじゃん】
「うん? なに?なんかあったの?」
【今、何してるか聞いてる?】
ん???なんでユウキがそんなこと聞くんだ?
「なんで?」
【俺のツレの兄さんが、探してるんだ】
はあ??意味が分からない。
「なんで探してるの?それ、やばい人?」
【うーーん。事情はねーちゃんにも言えないんだけど、とにかく真面目そうな人だよ】
「知ってるも何も、テルと結婚するじゃない。知らなかったの?」
【!!!!マジか!!!】
いや、マジかはこっちのセリフだよ。知らなかったって鈍いにもほどがあるわ。
【じゃぁ、テル兄が二股していた相手って……】
「そうよ、今更。ユウキ ほんとその鈍さは特別天然記念物並よ」
ユウキ、電話口で二の句が告げられない様子だった。
「今の居場所は私にはわかんないよ、こっちにいるわけだから。アヤにでも聞いたら?」
ユウキは、力なくそうする、と電話を切る。
わが弟ながら本当に周囲に興味がわかないのかな。うわ。ないわー。
あきれ返っていると、エミさんから声がかかる。英語のレッスンの時間らしい。
エミさんは、昔から教えるってことがすごく上手なんだそうだ。
通訳やってる時も、いろんな人に日本の文化的なことを説明したりそれぞれの国との比較を長所短所織り交ぜて話をしていたのだそうでわかりやすく親切、と評判だったんだそうだ。
たまにネイティブの発音の練習ってことでビデオ通信ソフトを使って海外在住のエミさんの友人に協力してもらって世間話をさせてもらっている。
{夏休みにでもこっちにいらっしゃい、見せたいところがたくさんあるのよ}
にっこり笑って誘ってくれた。一度海外に行くのもいいなぁ。パスポート取っとこう。
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