【完結】ラノベ作家の異世界転生〜ぐーたら美少女天使とのラブコメ×ファンタジー〜

王一歩

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第五章 拳銃学・ステイプラー

42.銃の使い手・ノベル

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 ◆

「……あげちゃったんだね。私の力をノベルに」

 ステイプラーはベッドから起き上がる。
 眠る前と同じ、黒い下着姿のままだった。
 やっぱり、裸になって俺に抱きついてきたのは夢の中の夢だったか。
 証拠に、俺は隊服を着たままだし、夢の中ではいなかったハイライターの角もご健在だ。
 しかも、俺が実際に眠っていた時間はたったの1分くらいときた!
 さすがは過去のステイプラーさん、童貞の俺は数秒で眠りに堕ちる……ってのはあながち間違いじゃなかったぞ?

「おい、ノベル! そっちから俺様の角を押してくれ! 首の力だけじゃ抜けんのだ!」

 ――だぁ、うるっさいなぁ今はそう言う気分じゃないんだハイライター!
 まぁ、こいつは後で処理するとしてだ。


「お前の『残骸』が言ってたぜ。『君に私の全てを捧げたい!』ってな。過去のお前は、もうお前に戦って欲しくないと思ってたんだろう」

「……そっか。全てを捧げたいだなんて、昔の私はキザなんだね」

「いやいや、そういう意味で言ったんじゃないだろ。とりあえず、お前はもう戦わなくていい。その代わりに、俺が引き金を引くからな」

「そっか。分かったよ」

 やっぱり、夢の中とは違って良い匂いがする。
 花の香りがするのはきっと、ステイプラーが妖精だからなんだろうな。

「ノベル」

「あぁ、なんだ?」

 ――瞬間、俺の頬に彼女の唇が当たった!

「え、え、ええっ?」

 俺は突然すぎる突撃に困惑して全身がバクバクした!

「ドキドキしてるのが伝わるよノベル。私は君に従属しているからなんでも分かるの。私はノベルの所有物。そういうことなんだよ」

「あっ、ああっ! ってか、お前には心に決めた人がいるんだろうが! 亜人族の少年君のことを忘れたとか言い出すんじゃないだろうな! ラノベではそういう展開は『浅い』って言われて叩かれるんだぞ!」

「彼の事を忘れたりは絶対にしない。でも、ノベルのおかげで私の心は動き出したの。100年前に忘れてきた『恋心』が」

 ななななな、何を言い出すんですかこの子は!
 言っておきますがね、俺とお前はまだ出会って10分とかなんだぞ!
 夢の中では丸一日くらい一緒にいたし、裸で抱かれたこともあったが――!

「ちなみに、妖精族と竜人族は交配可能。本で読んだことがある」

「だからなんだよ! 言っておくがな、お前は俺と契約した妖精なんだぞ! それに、俺には契約している天使もいる!」

「それも分かってる。だから、アズリエルって子がノベルと結婚する前に、私が結婚する」

「あわ、あわわわ!」

 あ、やばいこの子!
 本気で俺のことが好きになっちゃった系女子だ!
 まずいぞこの展開!
 ラノベで最もやっちゃいけない展開である『速攻陥落』が今起きている!

「……焦ってるノベルは、可愛くて抱きしめたくなる」

 と、ステイプラーは俺に飛びついてくる!

「うひゃあ! マジでやばい、ちょっと俺には刺激が強すぎる!」

「もうすでに臨戦態勢だね。私はいつでも待ってるから」

「おい馬鹿野郎! ソコは触るんじゃねぇ!」

 ――と、俺の上に乗りかかろうとするステイプラーを誤って突き飛ばした!
 彼女はベッドから転がり落ち、ずてんと音を立てる!

「す、すまん! 大丈夫……!」

「あ、ダメだよノベル!」

 ずっこけて頭から落ち、ステイプラーは天井にお尻をこちらに向ける!
 その際、ステイプラーのパンティーがズレて、膝辺りまで来てしまったのだ!
 つまり、彼女の大事な部分が丸見えの状態になったのだ!
 その神々しい風景、俺の理性は完全に吹き飛んでしまった!

「こここ、これはっ……ぶしゅっ!」

「あぁ、見ちゃだめノベル! ここを見られるのは流石に恥ずかしい……。最近、手入れしてないし」

 俺の脳の処理速度は限界に達し、鼻血を吹き出してベッドに倒れ込んだ。
 ――あぁ、女の子ってあんな感じなんだ。
 本物の女の子ってあんな感じなんだ!

「い、異世界……さいこー」
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