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第二章・初めてのお客様
十和子の心と悪魔との戦い
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敬祐が、未来へと繋がる扉へとゆっくりと消えていったあと、庭には静けさが戻っていた。
「……行ったね」
「そうじゃな」
「……ミケ、優しさってのは……案外、憎しみの隣にあるんだよね……」
ミケは社長の足元で、尾を揺らした。
「憎しみや裏切りを知る者ほど、優しくなれるのじゃ。 逆に……“優しさ”を盾にしてる者ほど、深く人を殺せる……」
「……皮肉なもんだね」
社長は、空を見上げながら、ぽつりと呟いた。
「奥さんも、優しい人だったんだろうな。 本当に。 村坂さんとお見合いしたからこそ、健太さんとも出会ったんだろうし、切ないね……」
「……そうじゃな」
ミケは、にゃあと小さく鳴いた。
それが、どこか悲しみを含んだ音に聞こえたのは、たぶん気のせいではなかった。
「……終一」
「ん?」
「“あれ”が本当に割れたら、何が起きるんじゃ?」
「知らないよ」
「……ん? どういうことじゃ」
「だって、初めての経験だからね。 ミケだって経験していないじゃないか」
ミケは黙った。
「けど……敬祐なら、あるいは、って思ってる。 だってあいつ――、勝手な想像だけど、“毒の匂いを嗅ぎ慣れてる顔”してたでしょ? 幽霊だけ見えるんじゃなくて、悪魔も見えると思うんだよね」
ミケはその言葉に、黙って頷いた。
*
僕が家に入った瞬間、空気の密度が変わった。
息が苦しいわけじゃない。なのに、体が少しだけ重い。
ダイニングキッチンの、テーブル横にある椅子に座る奥さんは、カップを両手で包んでいた。
まるで、それが暖かい命であるかのように。
「あら? ……どなた?」
声は穏やかで、何の変化もなかった。
けれど僕は、その“完璧な笑み”の裏にある何かを、もう知ってしまっていた。
「……こんにちは」
「強盗や泥棒じゃなさそうね。 そうだわ、お紅茶……、いかが? ちょうど、昨日健太さんが持ってきてくれたところなの」
健太。
その名前が出ただけで、僕の心臓が小さく跳ねた。
けれど僕は座り、奥さんの目をまっすぐに見て言った。
「……毒は、村坂さんに、いつから飲ませているんですか?」
奥さんは、驚いたように目を丸くした。ほんの、演技のような驚きだった。
「まあ、どういうこと? 毒なんて……物騒ね」
僕は答えず、テーブルの上にある何も入っていないティーカップを見た。ある筈のない水面が、ほんの少し、揺れていた。液面に、見えない波紋が立っている気がした。
「その毒がどんなものか……あなたは、わかってるでしょう? その毒が、ご主人との愛を壊すということを……」
「……あなた、若そうなのに、ずいぶん大人びたことを言うのね。 誰かの受け売り?」
奥さんは、くすりと笑った。その微笑みは、悲しみも怒りもなかった。
ただ――空虚だった。
小瓶が、テーブルに音もなく“現れた”。僕にはそれが見えた。まるで空気の隙間から滲み出てきたように。奥さんはそれに目を落とし、ほんの少しだけ微笑した。けれど、その微笑は揺れていた。
「……どうして、あなたが毒のことを知ってるの?」
「知ってはいけないことでしたか」
「ええ。 これは、誰にも見られちゃいけない。 だから隠してた。 誰かに見つかれば、私が壊れてしまうって、どこかで思ってた」
奥さんは手を伸ばさなかった。
ただ、目で追っていた。
カップと、小瓶と、そして僕。
「あなた……何者なの?」
「僕は、“あなたの願いが現れる場所”から来ました」
「…………」
「あなたが願った、“ご主人がいなくなってほしい”という声。 それが、世界のどこかに波紋を作ってしまった。 僕は、その波紋を観測してる。 それだけです」
沈黙が落ちた。奥さんは息を吸い、目を閉じた。
「……じゃあ、あなたが罰を与えに来たってこと?」
「いいえ。 僕は、罰を与える力は持っていません。 ただ、選択肢を置きに来ただけです」
「選択肢……?」
「このまま毒を使い続ければ、小瓶は“あなたの心そのもの”になります。 もう、割ることはできなくなる。 でも今なら、まだ“それが異物だ”と感じられるうちなら──壊せるかもしれない」
奥さんの瞳が、わずかに揺れた。ほんの一瞬だったが、確かに揺れた。
「壊すには、どうすればいいの……?」
「ご主人を赦すことです。 “愛する健太さん”を忘れるんじゃなく、それでも、自分はご主人と前に進むと決めること。 ……それは、すごく難しいです。 僕にも、きっとできません」
「……。 あなた、……このこと、いつから見てたの?」
「最初からです」
「ずるい子ね、あなた……」
奥さんは小さく笑った。だが、もうその笑顔には“仮面”の硬さがなかった。
ふと視線を落とし、小瓶を避けるように、何も入っていないカップに目をやった。
「健太さん……あの人、私に優しさを教えてくれたのよ」
僕は黙ってうなずいた。
奥さんは、まるで遠い夢をなぞるような声で語り始めた。
「最初はね、ただの弟だったの。義理のね。 でも、あの人って……最初から、変に気が利く人だったのよ。 家に帰ると、私の靴を揃えてあったり、何も言わなくてもお茶を出してきたり。 本当に、ちょっと気味が悪いくらいに優しかったわ」
「でも、どれも夫にはできないことだったのよね、そういうの」
「ある日、泣いた私を見て、何も聞かずに、ただハンカチを差し出してきたの。 “お姉さん、これ、ちょっといい匂いしますよ”って、笑ってくれたの。 ……あれが、初めて心があったかくなった瞬間だったかもしれないわ」
奥さんの目は、今はもう見えない過去を見ていた。その頬には、かすかに微笑が浮かんでいた。
「私ね、たぶん……あの時から決めてたの。 “この人には、嘘をつき続けよう”って。 この人だけは、きれいな世界にいさせてあげたいって。 だって、私が主人じゃなくて健太さんを愛しているなんて知ったら、きっと健太さんは壊れてしまうから……」
「そのために、自分と主人のものを“汚して”いくうちに…… 私の手の中には、あの小瓶が残ってた」
「このまま黙ってたら……きっと健太さんは、私が毒を使ってたことにも気付かずに、生きていけるわよね?」
僕はしばらく黙っていた。
奥さんはカップを見つめたまま、ふと笑った。
「あの人にだけは、ずっと“優しい姉”でいたかったの。 嘘でもいいの。 本当は、主人に毒入り紅茶を注ぐ手が、あんなに震えるなんて……知られたくなかった」
「誰にも知られずに済むことが、本当の救いになる時もあるのかもしれません」
「でも……それでも、私は気付いてたのよ。 ――自分が何をしているかくらい」
「私は不誠実で愚かだったわ。 私みたいな卑しい女が側にいたら、……健太さんは、いつか汚れてしまうわ」
奥さんの言葉が、ひとつひとつ、カップの底に沈んでいくようだった。
でも、目の前にある空気は明らかに変わっていた。
「……健太さんに、真実を見せる勇気は、今の私にはないの。 だから私が消えるしかないのよ。 彼が汚れないまま、大切な人に出会えるように……」
「それが、優しさですか?」
僕は、問い返すつもりじゃなかった。でも、口から出た言葉は、そうなっていた。
奥さんは黙った。
その頬の微笑みが、ほんの少しだけ歪んだ気がした。
「分からないの。 本当は、自分を守るための言い訳かもしれない。 でも、そうでもしないと……私、もう誰かを信じる心を忘れてしまいそうで……」
そのときだった。
テーブルの上の小瓶が、ふっと光を吸い込むように揺れた。
液体が琥珀色から、ほのかに赤へと滲んでいく。
小瓶が――ガタッと音を立てた。
ほんのかすかな揺れだったはずなのに、それは空気の奥から“何か”が呼び起こされるような震えだった。
「……っ?」
奥さんが思わず振り向く。
けれどそこには、誰もいないはずだった。
だけど、僕には見えていた。
暗い影が、彼女の背後に立っていた。光を歪めるような、空気の継ぎ目のような、それでいて“絶対にそこにいる”としか言えない“存在”。
悪魔が現れたのだ。
音はしなかった。足音も、声も、気配すらない。なのに、圧倒的な圧が、空間を染めていく。
でも、確かに僕には見える。悪魔の存在。
奥さんは、その気配に気づいたのだろう。
椅子の背もたれに指を置いたまま、わずかに手が震えていた。
「……もう、来たのね」
奥さんの声は、笑っていた。でもその目には怯えがあった。
小瓶が、テーブルの上でガタガタと鳴る。蓋が、ひとりでに開きかけている。
中の液体が、まるで生きているかのように、ゆらりと動いていた。
僕は、自分を奮い立たせ、悪魔と戦えるように心に炎を燃やした。
「……行ったね」
「そうじゃな」
「……ミケ、優しさってのは……案外、憎しみの隣にあるんだよね……」
ミケは社長の足元で、尾を揺らした。
「憎しみや裏切りを知る者ほど、優しくなれるのじゃ。 逆に……“優しさ”を盾にしてる者ほど、深く人を殺せる……」
「……皮肉なもんだね」
社長は、空を見上げながら、ぽつりと呟いた。
「奥さんも、優しい人だったんだろうな。 本当に。 村坂さんとお見合いしたからこそ、健太さんとも出会ったんだろうし、切ないね……」
「……そうじゃな」
ミケは、にゃあと小さく鳴いた。
それが、どこか悲しみを含んだ音に聞こえたのは、たぶん気のせいではなかった。
「……終一」
「ん?」
「“あれ”が本当に割れたら、何が起きるんじゃ?」
「知らないよ」
「……ん? どういうことじゃ」
「だって、初めての経験だからね。 ミケだって経験していないじゃないか」
ミケは黙った。
「けど……敬祐なら、あるいは、って思ってる。 だってあいつ――、勝手な想像だけど、“毒の匂いを嗅ぎ慣れてる顔”してたでしょ? 幽霊だけ見えるんじゃなくて、悪魔も見えると思うんだよね」
ミケはその言葉に、黙って頷いた。
*
僕が家に入った瞬間、空気の密度が変わった。
息が苦しいわけじゃない。なのに、体が少しだけ重い。
ダイニングキッチンの、テーブル横にある椅子に座る奥さんは、カップを両手で包んでいた。
まるで、それが暖かい命であるかのように。
「あら? ……どなた?」
声は穏やかで、何の変化もなかった。
けれど僕は、その“完璧な笑み”の裏にある何かを、もう知ってしまっていた。
「……こんにちは」
「強盗や泥棒じゃなさそうね。 そうだわ、お紅茶……、いかが? ちょうど、昨日健太さんが持ってきてくれたところなの」
健太。
その名前が出ただけで、僕の心臓が小さく跳ねた。
けれど僕は座り、奥さんの目をまっすぐに見て言った。
「……毒は、村坂さんに、いつから飲ませているんですか?」
奥さんは、驚いたように目を丸くした。ほんの、演技のような驚きだった。
「まあ、どういうこと? 毒なんて……物騒ね」
僕は答えず、テーブルの上にある何も入っていないティーカップを見た。ある筈のない水面が、ほんの少し、揺れていた。液面に、見えない波紋が立っている気がした。
「その毒がどんなものか……あなたは、わかってるでしょう? その毒が、ご主人との愛を壊すということを……」
「……あなた、若そうなのに、ずいぶん大人びたことを言うのね。 誰かの受け売り?」
奥さんは、くすりと笑った。その微笑みは、悲しみも怒りもなかった。
ただ――空虚だった。
小瓶が、テーブルに音もなく“現れた”。僕にはそれが見えた。まるで空気の隙間から滲み出てきたように。奥さんはそれに目を落とし、ほんの少しだけ微笑した。けれど、その微笑は揺れていた。
「……どうして、あなたが毒のことを知ってるの?」
「知ってはいけないことでしたか」
「ええ。 これは、誰にも見られちゃいけない。 だから隠してた。 誰かに見つかれば、私が壊れてしまうって、どこかで思ってた」
奥さんは手を伸ばさなかった。
ただ、目で追っていた。
カップと、小瓶と、そして僕。
「あなた……何者なの?」
「僕は、“あなたの願いが現れる場所”から来ました」
「…………」
「あなたが願った、“ご主人がいなくなってほしい”という声。 それが、世界のどこかに波紋を作ってしまった。 僕は、その波紋を観測してる。 それだけです」
沈黙が落ちた。奥さんは息を吸い、目を閉じた。
「……じゃあ、あなたが罰を与えに来たってこと?」
「いいえ。 僕は、罰を与える力は持っていません。 ただ、選択肢を置きに来ただけです」
「選択肢……?」
「このまま毒を使い続ければ、小瓶は“あなたの心そのもの”になります。 もう、割ることはできなくなる。 でも今なら、まだ“それが異物だ”と感じられるうちなら──壊せるかもしれない」
奥さんの瞳が、わずかに揺れた。ほんの一瞬だったが、確かに揺れた。
「壊すには、どうすればいいの……?」
「ご主人を赦すことです。 “愛する健太さん”を忘れるんじゃなく、それでも、自分はご主人と前に進むと決めること。 ……それは、すごく難しいです。 僕にも、きっとできません」
「……。 あなた、……このこと、いつから見てたの?」
「最初からです」
「ずるい子ね、あなた……」
奥さんは小さく笑った。だが、もうその笑顔には“仮面”の硬さがなかった。
ふと視線を落とし、小瓶を避けるように、何も入っていないカップに目をやった。
「健太さん……あの人、私に優しさを教えてくれたのよ」
僕は黙ってうなずいた。
奥さんは、まるで遠い夢をなぞるような声で語り始めた。
「最初はね、ただの弟だったの。義理のね。 でも、あの人って……最初から、変に気が利く人だったのよ。 家に帰ると、私の靴を揃えてあったり、何も言わなくてもお茶を出してきたり。 本当に、ちょっと気味が悪いくらいに優しかったわ」
「でも、どれも夫にはできないことだったのよね、そういうの」
「ある日、泣いた私を見て、何も聞かずに、ただハンカチを差し出してきたの。 “お姉さん、これ、ちょっといい匂いしますよ”って、笑ってくれたの。 ……あれが、初めて心があったかくなった瞬間だったかもしれないわ」
奥さんの目は、今はもう見えない過去を見ていた。その頬には、かすかに微笑が浮かんでいた。
「私ね、たぶん……あの時から決めてたの。 “この人には、嘘をつき続けよう”って。 この人だけは、きれいな世界にいさせてあげたいって。 だって、私が主人じゃなくて健太さんを愛しているなんて知ったら、きっと健太さんは壊れてしまうから……」
「そのために、自分と主人のものを“汚して”いくうちに…… 私の手の中には、あの小瓶が残ってた」
「このまま黙ってたら……きっと健太さんは、私が毒を使ってたことにも気付かずに、生きていけるわよね?」
僕はしばらく黙っていた。
奥さんはカップを見つめたまま、ふと笑った。
「あの人にだけは、ずっと“優しい姉”でいたかったの。 嘘でもいいの。 本当は、主人に毒入り紅茶を注ぐ手が、あんなに震えるなんて……知られたくなかった」
「誰にも知られずに済むことが、本当の救いになる時もあるのかもしれません」
「でも……それでも、私は気付いてたのよ。 ――自分が何をしているかくらい」
「私は不誠実で愚かだったわ。 私みたいな卑しい女が側にいたら、……健太さんは、いつか汚れてしまうわ」
奥さんの言葉が、ひとつひとつ、カップの底に沈んでいくようだった。
でも、目の前にある空気は明らかに変わっていた。
「……健太さんに、真実を見せる勇気は、今の私にはないの。 だから私が消えるしかないのよ。 彼が汚れないまま、大切な人に出会えるように……」
「それが、優しさですか?」
僕は、問い返すつもりじゃなかった。でも、口から出た言葉は、そうなっていた。
奥さんは黙った。
その頬の微笑みが、ほんの少しだけ歪んだ気がした。
「分からないの。 本当は、自分を守るための言い訳かもしれない。 でも、そうでもしないと……私、もう誰かを信じる心を忘れてしまいそうで……」
そのときだった。
テーブルの上の小瓶が、ふっと光を吸い込むように揺れた。
液体が琥珀色から、ほのかに赤へと滲んでいく。
小瓶が――ガタッと音を立てた。
ほんのかすかな揺れだったはずなのに、それは空気の奥から“何か”が呼び起こされるような震えだった。
「……っ?」
奥さんが思わず振り向く。
けれどそこには、誰もいないはずだった。
だけど、僕には見えていた。
暗い影が、彼女の背後に立っていた。光を歪めるような、空気の継ぎ目のような、それでいて“絶対にそこにいる”としか言えない“存在”。
悪魔が現れたのだ。
音はしなかった。足音も、声も、気配すらない。なのに、圧倒的な圧が、空間を染めていく。
でも、確かに僕には見える。悪魔の存在。
奥さんは、その気配に気づいたのだろう。
椅子の背もたれに指を置いたまま、わずかに手が震えていた。
「……もう、来たのね」
奥さんの声は、笑っていた。でもその目には怯えがあった。
小瓶が、テーブルの上でガタガタと鳴る。蓋が、ひとりでに開きかけている。
中の液体が、まるで生きているかのように、ゆらりと動いていた。
僕は、自分を奮い立たせ、悪魔と戦えるように心に炎を燃やした。
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