転売勇者 ピカル

一澄

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「作戦」

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コッケコー!
異世界に存在する鶏に似た青白い鳥が叫んだ、無論この鳴き声も朝に鶏か発する奇声と同様の意味を持つ
ドンドンドンドン!
と、まるで太鼓の連打のような音を響かせドアを叩かれた
セシリア「ヤバい!トン・マサミチの部下よ!」
セシリアは質屋に響くように声を荒げ叫んだ
暖炉の絨毯(じゅうたん)に寝そべっていたピカルの頭に女の甲高い声が響いた
ピカル「え!ちょっとマジかいな!」
飛び起きたピカルは急いで武器を手にしようとする
ドンドンドンドン!
「あのね!…お金回収できないとこちとら上司に半殺しにされんのよ!わかってんのかよ!」
野太い男の声だ
ドタドタッ!!ガチャッ!!! 勢いよく扉が開かれて黒髪短髪で細身で長身の男が現れた
セシリア「もうちょっと!…もうちょっと待って!」
男「あのな、待ても何もこの質屋売って!そうすりゃ解決だろうが!」
ドタドタドタッ!
ピカル「なんやねん!いきなり入ってきよってからに!!」
ピカルはセシリアと男に割って入った。
男「あ?用心棒か?借金踏み倒すつもりか?セシリア!」
ピカル「待て待て待て俺はお前にセシリアの返済計画を教えてやるプレゼン従業員や!見ろ!このカードを!」
男はピカルの持つカードを見つめると目を丸くして驚いた表情を見せた

男「なっ!?何だぁ?それは!?」
ピカル「これはな…ミザリア王国を揺るがす破格の価値を持つ質屋最後の切り札や!セシリアの強力な魔法で査定してるから価値は保証されてるで!」

男は怪訝な顔をした。
男「本当か?俺もタカノバンクの端くれ、査定魔法程度は使える…嘘は許さんぞ」
男はそういうとカードに手をかざし魔法を発動した。すると男の手に緑色の光が灯り手の周辺にには様々な魔方陣がグルグルと回り男の目の色が変わった
ピカル「ほれみぃ!これでわかったやろ?」
男「確かに本物だ……」
男は納得したようだ
ピカル「じゃ、これを売るから今すぐ出てけ話ついたやろ」
男「そうはいかん、それを換金する保証はないし、仮に換金するとしても逃亡する資金や逃げた先での生活費もしくは新たな金儲けの資金源にするやもしれん」
ピカル「疑り深いな、君」
男「すまんね、こういう仕事してるとつい勘繰るのだよ、悪い事をね」
男は気味の悪い笑顔を浮かべると
男「その破格の価値を持つ何かは君たちの最後切り札…だか使うつもりもないのだろう?よって私が返済までの担保としてタカノバンクが預かる形にする」
ピカル「なんで売らないと!」
男「セシリアの持ち物ではないからだ」
ピカル「…!」
男「セシリアの持ち物ならばその切り札はとっくに見せてるはずだ」
ピカル「んなアホな推理…!」
男「君は少々知恵がありそうだからわかるだろ?…返済期限を伸ばしてやる…但し!期限は後、3日だ!」
ピカル&セシリア「み…3日ぁああああ!?」
キュー…バタン!

ドアが締まると共に二人は呆然と立ち尽くしていた。
セシリア「ご…ごめんなさいこんなことになるなんて…」
セシリアはピカルの顔色を伺う…しかし一方ピカルはセシリアを見ずに考え込んでいた。
ピカル(まぁ…カード程度やからええっちゃ…ええが…でも…あれがあれば豪邸に住めるし…)

セシリア「あのぉ~……」
ピカル「セシリア……あの男賢いで……この店にある品物…どっちにしろ…根こそぎ持ってかれるで」
セシリア「えぇええええ!?」
ピカルはセシリアを見つめ考え込む
、一方セシリアは突然見つめてくるピカルにドキドキしていた。
ピカル(ワイの金持ちライフの邪魔させるか…ボケ…金は絶対セシリアに用意させるで…でも、どうしよか…)
ピカル「な、この質屋って王国で三番目にすごいんよな?」
セシリア「ええ…まぁでも潰れそうだけど」
間髪にいれずにピカルが話す
ピカル「質屋の経営術の本出そうや」
セシリア「はぃ?え、今なんて」
ピカル「経営術の本出そうやって言うたんや!」
セシリア「何も成功してない質屋の話誰が興味持つの!」
ピカル「何言うとんのや?ミザリア王国の三番目にでかくなるまでのエピソードを書くんや」
セシリア「え?でも潰れる話は?みんな潰れてしまう質屋のこと知ってるじゃん」
ピカル「失敗したのは世代交代に失敗したからってことにして親父はすごいって話で通そうや」
セシリア「え?じゃ私が無能なせいで潰れるってことになるじゃん」
ピカル「せやで」
セシリア「は?」
ピカル「でも、事実やん真実を言えば原因は君にないで?やけどこの際、手段なんか選べるかいな?」
セシリアは眉間にシワを寄せピカルを睨み付けてる
セシリア「大体!ミザリア王国三番目のサイズの質屋なんて大した規模のじゃないわ!数店舗経営してるとかそんな規模じゃないのよ!」
ピカル「でも質屋自体はこの前、街を歩いたときたくさん見たで」
セシリア「だとしても三位よ!さ・ん・い!」
ピカル「三位だからやええんや」
セシリア「何言って…」
ピカル「ええか?…一位だけがすごいわけやないんやで…考えてみ…例えば10人並んで走ったとするお前は三位やった…何人お前は抜いたんや?」
セシリア「7人」
ピカル「そう7人や、7人のみんな、理想は一位になりたい…当たり前やな…でも10位が一位を抜くことって簡単か?」
セシリア「いいや」
ピカル「そーそー…9位を抜くほうが簡単や」
セシリア「だから?」
ピカル「お前は一位になれない事と最下位でいる事…どっちが嫌や?」
セシリア「最下位になること」
ピカル「そうや、そう思ってるやつ
が圧倒的多数や」
セシリア「…」
ピカル「1位になる話より8位が7位になる話の方が現実的で実用的やし、三位になるノウハウが全く役に立たないのかって話や」
セシリア「でも最後は借金が出来ちゃうんだよ?」
ピカル「成功した道のりだけ言えばええんや、失敗は書かんでよし」
セシリア「それ、詐欺じゃない?」
ピカル「成功の先の道のりが常にこの質屋と同じになるとは限らないやん」
セシリア「でも、その本を信じて失敗する人がたくさんいるんだよ!?」
ピカル「成功にたどり着けるのはそもそも少ないしどうせほとんどの競争では多くの人間は失敗するやん」
セシリア「…」
ピカル「大体な三位の経営術の何が悪いんや」
ピカルは恍惚とした表情を浮かべナルシシズムを発揮した
ピカル「いいか?三位には三位の物語があるんや、ワイがいた世界ではやれ何を学んだからすごい知識人だの、運動能力が優れていて何かの競技で一位になっただの…必ずトップになったやつを皆、尊敬して崇めてたわ…」
ピカル「…何が一位じゃ、一つしかない椅子に座ってるやつの話なんか実践したって100位が2位だの3位になれるか?なれんやろ」
ピカル「誰かの背中を見て何かを追いかける…たった一人、一位を除いた全ての人間に共通する物語や」
セシリア「…うん」
ピカル「この三位の物語に心動くやつは絶対おる…親父さんの人生を"転売"するんや」
セシリア「でも、お金…そんな増えるかな」
セシリアはピカルを見つめ不安げな顔をして質問した。
ピカルはその様子を見て肩に手をポンっと置き笑顔で言い放った__

ピカル「そんな売れなかったらなんか魔法覚えて戦うか…トン・マサミチの不倫とか暴いてそのネタを武器に交渉しようや!」



四話以降の続きはこっちで書いてます!↓

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