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「何でしんぽりに入ったのかって?」
とある日、本部のある一室で、絵優奈に疑問を投げかけられた。
偶然非番が被った相手からの突拍子もないその質問に、主戦力の一角を担う開発主任である男は首を傾げる。
「そんなの決まってるだろ。ボクが夢理民だからさ」
あっけらかんと告げられた言葉に、今度は絵優奈が首を傾げた。不思議そうな顔で考え込んでいる絵優奈に、フラスコ先生は苦笑いして話を続ける。
「そもそも、夢理民っていうのは心が異形だった元人間だ。その心の違いが孤独感や苦痛に変わった果てに強烈な執念、願望を抱いて再誕した存在って言えば良いかなァ」
生徒に教える教師の様に、部下に言葉を連ねる。
実力も経験も桁違いな上司の語る話を、絵優奈は大人しく聞いていた。
「だからと言う訳じゃ無いんだが、夢理民の固有能力はその願望、平たく言えば夢が基になってることが多い」
「てんてーの能力は【総てがズレる】だっけ?」
「そ。まァボクの能力は今は置いとくとして」
フラスコはどこからともなく持ってきた缶コーヒーを飲むと一息吐いて椅子に腰掛けた。
「飲む?」
「あ、えゆブラックはちょっと」
「そーかい。じゃあ話続けるけど、夢理民は人間を止める程その夢の実現を願ってやまない訳だ。だから夢の為なら出来ることは何でもする……というより、それ以外に興味が無い」
流石に話が長くなって来たからか、絵優奈は呆れたように口を挟む。
「……じゃあてんてーがここにいる理由は?」
「まァそう急がないで。そんなこんなで夢理民は自分の夢を邪魔されるとブチギレる。相手を徹底的に叩き潰すくらいにね」
再び黙って話を聞く姿勢に戻った絵優奈の反応を見つつ、フラスコはジェスチャーを交えて軽快に話す。
それこそなんでもないように。
「それに、夢理民になったからと言って夢が直ぐに叶う訳じゃないのもポイントなのさ。どうしたって障害が出てくることになる」
能力を使って『どこか』を視ながら、フラスコは話を終盤に移す。
「ボクも結局似たようなものさ。夢理民になっても夢を叶えるには先が長い。途方もない時間がかかるし、何より面白いのに勿体ない。そうなってくると世界の為進歩の為と口煩い狂った科学者が目障りなんだよ」
視ているのは無数にある世界線の内の一つ。
異なる可能性を辿った世界。立場も関係も真逆で在りながら、同じ少女をその眼に映していることに、その縁に面白さを感じて笑みを浮かべながら、フラスコは話を締めくくった。
「だからボクは、ここにいるんだよ」
とある日、本部のある一室で、絵優奈に疑問を投げかけられた。
偶然非番が被った相手からの突拍子もないその質問に、主戦力の一角を担う開発主任である男は首を傾げる。
「そんなの決まってるだろ。ボクが夢理民だからさ」
あっけらかんと告げられた言葉に、今度は絵優奈が首を傾げた。不思議そうな顔で考え込んでいる絵優奈に、フラスコ先生は苦笑いして話を続ける。
「そもそも、夢理民っていうのは心が異形だった元人間だ。その心の違いが孤独感や苦痛に変わった果てに強烈な執念、願望を抱いて再誕した存在って言えば良いかなァ」
生徒に教える教師の様に、部下に言葉を連ねる。
実力も経験も桁違いな上司の語る話を、絵優奈は大人しく聞いていた。
「だからと言う訳じゃ無いんだが、夢理民の固有能力はその願望、平たく言えば夢が基になってることが多い」
「てんてーの能力は【総てがズレる】だっけ?」
「そ。まァボクの能力は今は置いとくとして」
フラスコはどこからともなく持ってきた缶コーヒーを飲むと一息吐いて椅子に腰掛けた。
「飲む?」
「あ、えゆブラックはちょっと」
「そーかい。じゃあ話続けるけど、夢理民は人間を止める程その夢の実現を願ってやまない訳だ。だから夢の為なら出来ることは何でもする……というより、それ以外に興味が無い」
流石に話が長くなって来たからか、絵優奈は呆れたように口を挟む。
「……じゃあてんてーがここにいる理由は?」
「まァそう急がないで。そんなこんなで夢理民は自分の夢を邪魔されるとブチギレる。相手を徹底的に叩き潰すくらいにね」
再び黙って話を聞く姿勢に戻った絵優奈の反応を見つつ、フラスコはジェスチャーを交えて軽快に話す。
それこそなんでもないように。
「それに、夢理民になったからと言って夢が直ぐに叶う訳じゃないのもポイントなのさ。どうしたって障害が出てくることになる」
能力を使って『どこか』を視ながら、フラスコは話を終盤に移す。
「ボクも結局似たようなものさ。夢理民になっても夢を叶えるには先が長い。途方もない時間がかかるし、何より面白いのに勿体ない。そうなってくると世界の為進歩の為と口煩い狂った科学者が目障りなんだよ」
視ているのは無数にある世界線の内の一つ。
異なる可能性を辿った世界。立場も関係も真逆で在りながら、同じ少女をその眼に映していることに、その縁に面白さを感じて笑みを浮かべながら、フラスコは話を締めくくった。
「だからボクは、ここにいるんだよ」
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