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悪役令嬢
しおりを挟む私の名前は太田 美月。日本でOLをしていた23歳の女。
学生の頃から恋愛シュミレーションゲームは好きで、最近ハマってたのは「悪役王子との禁じられたキス」っていうゲームで、攻略対象の王子様がめちゃくちゃ性格が悪いんだけど、日に日にヒロインに優しくなっていくのがとても尊い。
そして、そんな※悪禁に攻略を邪魔してくる悪役令嬢のシーナ=イライザという子がいて、その子の性格の悪いことなんのって……。
※悪役王子との禁じられたキス の略
「いやぁぁぁぁぁあ、私、シーナになってる!!」
どうやら、私はいつの間にか悪禁の世界に入ってしまったみたい。そして、悪役令嬢のシーナ=イライザになってしまったというわけ。
「お嬢様、どうかなさいましたか!!大きな声が聞こえたのですが!!」
あ、私の声を聞いて使用人が入ってきてしまった。待って、この子はもしかして!
「あー、なんでもないの。下がっていいわよ、カラ。」
「そうでしたか、それならよかったです。」
やっぱり、この子は私専属の使用人のカラという子だった。主人公に私(シーナ)が嫌がらせする時に私に脅されて、無理矢理この子にやらせたのよね。そして、カラは数日後に死刑………。
待って、この状況かなりマズイ?いや、大丈夫、今までのこの悪役令嬢転生ものでもなんだかんだ助かってるものが大半よ!!
とりあえず、状況整理しよ!確か、私と悪役王子の正式な婚約発表の時に悪役王子が婚約を破棄して、主人公のヒロインの子と悪役王子の婚約発表をするのよね。
その時に私(シーナ)のヒロインへのしてきた嫌がらせを暴露して、私は投獄されて人生は詰むから、それまでなら間に合うわ!
┈┈┈┈┈1時間後┈┈┈┈┈
「あー、もうだめだ。詰んだわ私。これは終わった。さすがに無理。3時間後に婚約発表だってさ!!つまり、3時間後には死刑宣告のような事されるのよ!!」
そう、悪禁での最初の一大イベント(婚約発表)の日が今日だったのである。シーナ・イライザは婚約発表のパーティの際に今までヒロインにしてきた悪事を悪禁の悪役王子ことジーク=ジルベールに晒され、投獄されるのである。
「あ、でも、これはパーティをバックれればなんとかなるのかも!!そうだ、パーティにさえ出なければ私はバットエンドに向かわなくてすむわ!!」
コンコン
「シーナ様、お迎えに上がりました。パーティがあるのでそろそろお出になられた方がいいかと。」
「オッフ、イイタイミングデムカエガキタ。」
シーナの部屋に執事が迎えを知らせに来た。
「もういいわ、覚悟を決めましょう。どっちにしろ悪役で腹黒なジークなら行かなくても私を陥れてくるもの。遅かれ早かれなのだから、考えても仕方ないわこれ。」
美月は悟った。だが、決して諦めてはいなかった。
「投獄後、処刑されるわけではないわ。結局は処刑されるのだけれど、私がヒロインに懲りずに嫌がらせをしようとして、その後にジークが鉄槌を下すのよね。大人しくしていれば、鉄槌は下されないはず!!」
こうして、美月はパーティへと向かうことになった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「私、ジーク=ジルベールはただ今を持って、シーナ=イライザとの婚約を破棄し、このリサとの婚約を正式に結ぶことをこの場を持って決定する!!!」
「(はいはい、わかっておりましたこうなるのは。けれど、私はここから生まれ変わるのよ!シーナ=イライザこと私を処刑させない!!!)」
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