最強魔術師が転生したら魔力0の女の子になりました

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1話 転生魔法

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「よもやここまでか…………。」


 崖の先に立つ老人は魔法、魔技、魔道など魔力を用いた技術に研鑽する魔術師「ゼロ」と呼ばれる男だった。

 彼は3200年もの長い時間を生き、魔術を極めんとした生涯現役の世界最強の魔術師であった。




「この先の成長は望めぬか。では、から始めよう。」


バタッ




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



「(この小さな手、赤子の身体だ…………転生に成功したのか。)」

「お目覚めですか、お姫様。」

「(なんだこの髭親父は。わしの父親か。にしても、中々に強いなこやつ。)」

「あらぁ、起きたんでちゅかアリアちゃん、パパでちゅよ!!」

「(近い、むさ苦しい…………おい、わしをお姫様と言ったかこの親父……。)」


 そう、世界最強の男 ゼロは女の子へと転生したのであった。



「オギャアァァァ(なんてこったァァァァァァァァァ)」






┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈5年後┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


「ふむ、魔力はやはり無いな。」


 ゼロことアリア5歳(3205歳)には魔力が存在していなかった。

 それは、転生魔法を使った時に全ての魔力を使い果たしたからである。

 魔力は一度使い切ると、二度と使うことが出来ない。そのため、身体機能の中に魔力が2%未満になる際には魔力の放出を制限する機能がある。




「転生魔法が成功したといえ、魔力が使えないのであれば意味が無い。と、思うのが普通だろう。だが、それは愚凡どもが考える事だ。魔術を使う方法はいくつかある。」

「ねぇ、ぱっぱ。またねぇねが一人で喋ってるよ。」

「アリアちゃん、また魔術の練習かい?」

「おー、父上にレオンか。」


 レオンはアリアに出来た2歳下の弟である。


「いやな、魔力が完全にないから魔術は使えないのだが、わしは魔術を極めたい。じゃから、父上、わしに魔法を撃ってみてはくれぬか?」

「何言ってるんだ、アリアちゃん!!我が愛娘にそんなことが出来るわけないじゃないか!」

「愛娘の頼みだ、大丈夫だ、死にはしない。それに母上は手練の回復魔術師じゃろ。」

「それはそうだけど、アリアちゃん。」


 父、サリバンは葛藤していた。


「いいじゃない、あなた。アリアが怪我した時は私が今より元気にさせてあげるわ。」

「すまないな、母上。」

「それに、アリアには何か考えがあるのでしょう?」

「そうだな、うちのアリアちゃんは賢いし強い。それにレナ、お前もいるしな!!」


 サリバンはアリアへと魔法を撃つことにした。


「"水よ、集え。そして、天すら穿て"」


 サリバンの手元へ水が集まり、その水の塊がアリアの元へと飛ばされた。



「ふむ、初級攻撃魔法の水弾ウォーターバレットだな。」


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